超能力の発現
超能力の発現
宇宙人の襲来、2年の間に2回もの大きな侵略を受けた地球。
どちらも規模からいえば最小の被害で済んではいるが、それで終わりという事では無かった。
まず最初の襲撃は全部機械化された軍隊による侵略行為だった。
だがその事件だけでも後に地球に住む人類に大きな変革をもたらしている。
人は危険に対処するために、少なからず自らの生き方を変えることを余儀なくされる。
それは小さなことかも知れない、例えば住む場所を失ったり大事な人を失ったり。
そういったことが人を進化させるきっかけになると言っても過言ではない。
そして極めつけは2回目の宇宙人による地球侵略、これは予期せぬことであったが。
超能力と言うのは偶然が重なるだけで発現するわけでもない、但しこれだけ多くの偶然が重なれば力を発現する者が増えて来るのは当然と言って良い。
宗助は考えていた、自分の能力の意味を。
ロボスキル=超能力の一つ、機械化能力の一種であり他人や物質にも付与することが可能な力。
彼は突然発症したが、その力だけでも他の人間に多大な変化をもたらした。
そして同じような力を持つ人類が増えているのは、他にも原因があるのではと考えている。
【おにいの力はなんとなくわかるけど…】
【その子の力はどんな感じ?】
【最初は予知能力みたいだった、頭のいい子でテストなんか全問正解するんだよ】
【すると精神感応系予知能力者か】
【でもね、ある時学校に来なくなって】
【家から出られなくなった】
【なんかね恐れているみたい】
【力を発症したのはその子だけ?】
【他にもいるけど、そっちはそれほどひどくない】
テレキネシス念動力の場合最初はさほど大きな力を発揮できない、なにせ物理的な力と言うのは引力が大きく関与していく。
たまに磁力によって物を動かすことができる能力者もいるが。
惑星RIZの平太や朱里ぐらいの超能力者になると、かなりの訓練と相応の改造を求められる。
要するに肉体改造や頭脳に直接何らかの改造を行う行為、薬物による成長補助なども彼らは行っていたらしい。
要するに1トンもの重量を簡単に動かすことは超能力を手に入れてすぐにできることではないという事。
宗助も最初はロボスキルの訓練を一月以上かけて訓練したのだから、そうでなければ少し体を動かすのでさえ大変だったのだ。
【そうするとかなりタイトな予定を組まないといけないな】
【再来週からは中国へ交換留学でしたね】リリー
【何事も無ければいいけどね~】
【それは難しいかと思われます】
【とりあえずその前に愛菜の友人とラケイスのUK訪問を終わらせておこう】
【かしこまりました】
大学には週三日から四日、殆どは単位取得の出席になるが。
師事している准教授には一緒に中国へ行くだけでほぼ単位はもらえることになるらしい。
問題はリーさんが何を企んでいるのかが気になるが。
一度ロボ化で内容は確認しているので彼女自身にはさほど注意しなくてもよさそうだ。
問題はCNのESP部隊が今回の中国訪問にどうかかわって来るのかだ。




