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沐浴

沐浴


友愛の間と名をつけられた部屋、いや場所と言った方が良いのかもしれない。

別に扉があるわけでもなく、長椅子が円形に並べられていて、その隙間を彫刻や植物が埋めている。

天井には透明な屋根があり、その屋根をいくつかの柱で支えている。


「沐浴って言っていましたが?」

「はい儀式です」

「どんな?」

「婚…」

「お待たせしました、こちらへどうぞ」巫女ヘレーラ

【なんて言おうとしてた?】

【つがいになるための儀式では?】

【マジかよ!】


連れていかれたのはプールのように広い場所、問題なのはそこにいる全員が女性であり。

そして何も身に纏っていないことだ。

温泉プールなのかかなりの湯気が立っていることで、下半身は少し隠されてはいるが。


「ソウスケもどうぞ」

「いや、君は何をしたい?」

「婚姻前の儀式です」

「恥ずかしがらずにどうぞ」

「ラケイス、断っておくが僕はそのつもりは無いよ」

「え!」

「君の用事がこれならば僕は帰るけど」

「待って、行かないでお願い」

「それじゃすぐに何か羽織って来て」


たぶんラケイスは今の宗助が怒ることなど無いと思っていたのだろう。

彼女のデータから得た情報では、婚姻前に沐浴を一緒にすることでお互いの外観を確かめ合う。

要するにまずは見た目でお互いを確認する、そして男女として暮らせるかの確認になる。

別にその後すぐに子作りの行為をしても良いらしいが、それは勘弁してほしい。

ラケイスの事は嫌いではないが、だからと言って妻に娶りたいほど好きでもない。

そうなるためにはいくつもの段階が無ければいけないと宗助は考えている。


「ついてきて」

「スタスタ…」


この神殿では裸足で過ごすらしい、全員が靴や靴下と言った物は履いていない。

だがそれだけでは無い、巫女と言われている全員が薄い布を纏っているだけで殆ど裸に近いと言って良い。

先ほどの友愛の間という場所まで戻って来ると、宗助は椅子に腰かけてまっすぐにラケイスを見る。

巫女の一人が様子を見てラケインを呼びに行った。


「ラケイン様問題が発生しました」巫女

「どうしたの?」

「お客様がお怒りに」

「え?」


料理を担当していたラケインも持ち場を離れラケイスの元へ。

大学1年生、別にそういう経験があっても良いだろう、だが宗助の精神は父である敦之のポリシーを継承していると言って良い。

それが良いか悪いかは別として、本来恋愛とはどういう順番で進めていかなければならないか。

地球のしかも日本人ならば、むやみやたらに女性と付き合うのが良いことだという人は少ないだろう。


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