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ミステイク

ミステイク


CNの企みをまた一つ潰した宗助、だがまったく違う方向からまたもや問題事が起ってしまうとは。

それは何でもない日常の出来事だったはず、全くこんな事になるとは思っても見なかった。

数日後には惑星YAKへとジャンプするはずだったのに、アクシデントとは言えこんなに早くその機会がやってこようとは。

確かにその可能性に気が付かなかったのは宗助のミスとも言えるだろう。

ラケイスの能力は半分以上使用できないようにしておいたが、スキャンできない鍵付きの固有ファイルまでは確認していない。

その中に宗助の能力を解除するスキルがあるとは思ってもみなかった。

その能力はラケイスの持つ100を超える超能力が保存されたデータボックスの中でも、最も重要な鍵付きデータだったからだ。

前にも書き記したが、人間の脳内にある重要なデータには触れてはいけないブラックボックスがある。

そのデータを解析するには覚悟をしなければいけない、なにせ超能力の生まれた理由がその中に記されていたりするからだ。

それをもし壊したり消したりしようものなら、一人の人格がこの世から消滅することに等しい。

だからこれは起こりうるべくして起こったアクシデントとだと言える。

この日、宗助は夜の食事を終えて自室でゆっくりくつろいでいたのだが、ラケイスからお願いされて彼女の部屋へと訪れる。


「コンコン どうした?」

「次は何を勉強したらいいですか?」


既にタブレットPCのデータからWEB検索システムを能力化したラケイス。

様々なデータを手に入れては解析して行った。

脳内通信でのやり取りより、タブレットを使いながらの方が情報のやり取りがスムーズだと思った宗助。

だがその方向性までは指定していない、ラケイスとしても膨大な情報をどこまで入手していいのか分からずにいた。


「どこまでデータ取得したの?」

「日本という国の歴史は全部ですね」

「そうなんだ、ならば次はUSAのデータも手に入れておいて」


そう言った矢先の事、どこから入り込んだのだろう。

冬も近いというのにあの生き物が目の前を素早く走り去る、Gの動きは素早くそして予期できなかった。


「キャー」

「シュン」


叫び声をあげ俺に抱き着くラケイス。

確かに日本の昆虫の中で一番嫌われている黒い奴。

ラケイスも一応そのデータも手に入れたはずなのだが、データと実物を見るのではそのリアルさは雲泥の差だ。

いつの間にか危険回避のため発動された転移能力の解除スキル、100以上の超能力を持つラケイスが無意識に危険から逃げようとしたのだろう。

発動したのは転移能力、それも惑星間転移能力だった。

次の瞬間には宗助が今まで見たことも無い白亜の宮殿、そこには古代ギリシャを思わせる彫刻が置いてある広い場所だった。


「ラケイス様!」巫女ヘレーラ

「えーと、その方は?」


ラケイスの腕が宗助の体を包み込むように回され、宗助の目の前には大きな胸のふくらみが。

身長差を考えれば無理もないまるで子供を抱きしめる母のような格好だった。

転移してきたのは巫女が毎朝お祈りを捧げる礼拝殿と呼ばれる場所、宗教的な儀式が行われる場所ではあるが。

時間的にはどの巫女も日々の仕事に追われる時間帯、祈りの場とでもいったような。

いつもはラケイスがそこで歌を歌ったり、巫女達に教えを与えたり加護を与えたりする場所だった。


「この方は私の夫になる者です」

(本当ですか!)

「お おめでとうございます」

「皆、お祝いですわよ!」

「タタタタ…」

「お姉さま!」ラケイン

「ただいま」

「どこに行っていらしたのですか?」

「地球という星まで行ってきたわよ、後で情報を共有しましょう」

「はい」

「それよりも、すぐ沐浴の用意をしておいて」

「するのですね」

(そちらの方が…)

「そのつもりです」

「何をするって?」

「言葉を話したわ!」

「こちらの星の言葉は全部わかるよ」

(背が低いわね、外見は同じに見えるけど…)

(とりあえず、あそこに通して)

(友愛の間ですね)

(ええ)


全てが宗助を無視して進んでいく、分からなくもないがなぜか悪い予感がしてきた。


【やられましたね】

【アクシデントというやつだな、まさか緊急時に能力が緊急発動するなんて…】

【瞬間移動の能力は一応封印していたんだけどな】

【ここまで一緒にジャンプする可能性は1%未満です】

【補正してくれたんだね、そうでなけりゃ部屋ごと転移していたはず】

【座標範囲を限定させていただきました、ですが椅子が壊れてしまいました】

【それはしょうがないよ】


何も無かった場所ならば椅子も床も壊れなかったはずなのだが。

彼女が俺に抱き着いた拍子に発動した瞬間移動能力は、彼女の家(城)の中にあるホールへと二人を移動させた。

幸いにも黒い小動物は持ち込まずに済んだが、もしもこちらの星へとあの生き物がジャンプしたならばどんな災いが降りかかるだろうか。


「こちらへどうぞ」巫女コーリャ

「ここは?」

「友愛の間です」


部屋の中なのに庭の様、天井からは明かりが降り注ぎ。

水の流れる音が聞こえてくる。


「ピチャピチャ」

「えーと…」

「私はラケイス様の召使であり巫女のコーリャと申します」

「そう、僕の名前はソウスケよろしくね」


名前はかわいらしいが彼女の身長は3メートル近くあるので横に立つと目の前にはおへそとその上に大きなふくらみが見えている。


「えーと…」

「御もてなしをせよと仰せつかっております」

「御もてなし?」

「なんなりと御申しつけください」


そう言われてもしてほしいことなどは何も無いし、それにしても身長だけでなく全てがでかい。

惑星RIZに攻め込んできた戦神ザロスよりは小さいが、ラケイスより1メートルほど背が高い。

この身長で巫女であるというのだ、いや他の女性達も同じようなものだ。

そういえばもう一人、まるでラケイスと瓜二つの女性だけは背が小さかった。


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