記憶がおかしいのは薬のせい?
記憶がおかしいのは薬のせい?
偽の記憶だとしても少しやり過ぎの感があるが、彼らは違法薬物の取引(麻薬ではなく輸入制限のある医薬品)でこの場に来ていたという事にしておいた。
あまりおかしい記憶を植え付けると後々整合性が取れなくなるが。
その相手はガス状の睡眠薬を浴びせかけ金だけを持ってとんずらしたという記憶。
それならば誰も死んでいないし、お金以外の被害は無いという事になる。
ただしその犯人はいつまでも捕まらない架空の人物という事になるのだが。
要するに藩兆穀は騙されたという記憶を植え付けられたという事になる。
「おい銃声の音から先は全然音が聞こえないんだが」
「ありゃ奴だな」
「奴って」
「救世主ってやつ」
「なんだそれ」
「シオン様から聞いてないのか?」
「聞けるわけないだろ、口きくだけでも恐ろしい」
(話す前に全部当てられるんだぞ)
「あ まあそうだないずれ分かるよ」
(俺は覚えてる一応影は見えたからな)
世界中がガイアギアの侵攻を受けた時、彼は隠れて見ていたのだ何かが動いている場面を。
日差しの強い場所で空には飛行機さえ飛んでいないのに影だけが移動していくのを。
その後怪物は動きを止め数分後何もなかったように消え去った。
それまでは嬉々として建物をぶち壊していた怪物が、数分後にはその場から掻き消えたのだから。
日本各所に現れたガイアギアはそれから数分置きに、1体また1体と動きを止めていなくなるという不思議。
それと影の因果関係は何か?そして噂で聞いた救世主という人物の話。
それらを結び付けるにはまだ確証は少ないが。
そういった超能力者がいるのだけは確かだと言える、しかもその人物が日本にいるっていう事だけは確実だ。
「情報収取はここまでのようだな」
「ああ、あとで映像の方も確認してみよう」
シオン会に所属している二人は諜報部という部署にいる。
有田誠(30)遠視能力と古賀勝(28)伝達音源復元能力、共にシオン会所属の諜報部員。普段は興信所にて浮気調査や企業調査などをしていたりする。
もちろん彼らのほかにも武闘派の部下がいる、そちらはSION綜合警備保障という会社に所属している。




