森山支社長の懐柔
森山支社長の懐柔
最近カレン隊が担当した事件には不可解な事件が多かった、特に相手にCNが絡んでいそうな事件はなおさらだ。
その中でも用意周到だと思われる事件について、調べてみると事件の担当者が首をひねる案件が多発しているという。
「今回二人に来てもらったのは能力付与だけが目的じゃないわ」
「何か事件でも?」
「ええ、ここ最近増えている謎の事件」
「謎?」
「最初は事件だと思ってカレン隊が出動しているんだけど、それが途中から誤捜査として終了している件が増えているのよ」
「この間の事件ですか?」
「ええ、TV局のドッキリの収録に近いのだけど、途中から間違って通報したという形になっていることが増えているわ」
「私も聞いています」
「裏に何か別な目的があると?」
「ええ、仕掛けられた人物は芸能人ではあるけれど、その家族が政治家や役人だったり重要なポストの人間の親族が仕掛けられている事例が増えているのよ」
「変ですね」
「どれも後から許可を取っているという形でおとがめなしね」
「それを僕に?」
「ええ、誓にも協力してもらう、そのための能力付与だからね」
「今 私デスクワーク多いんですけど」
「そんなの助手にやらせなさい、立場が上になったという事はそういう事でしょ」
「そんな、毎日書類が山ほどデスクの上に置かれるんですよ、各所への視察や会議もあるのに」
「大丈夫よ、警視庁の中にも超能力特別犯罪調査庁、略して特犯庁を作ってもらったから、明日から誓はそこの長官ね」
(え~申し送りとかどうすんのよ)
「はあ?聞いてないです」
「もう警視総監と総理大臣には許可取ってもらっているから」
「そうなるとドッキリを仕掛けられた芸能人を当たるより、その親族の近辺を洗った方が良いのかな?」宗助
「できそう?」
「宇宙へ行く予定もあるんですけどね」
「お願い」
(でたおばさまのオハコ)
「分かりました、ですが僕の方は勝手にやらせていただきますけど」
「ええ、後でもいいから知らせて頂戴、こっちで処理しておくから」
「処理って、もしかして私が処理するんですか?」
「そういう立場になるんでしょ」
「細かいことは配属されたカレン隊の隊員に任せても良いし、何だったらあなたが現場で仕切っても構わないのよ」
「…」
(ここに来るといつもこれだ、わかりましたよーだ)
「名簿は後で送るから、確認しておいてね」
「了解であります」誓
心当たりはある、最近だと胡桃に付けた尾行からの映像を検証してみたが。
どう考えてもあれはドッキリとは言えない、それにあの後映像はTVの番組では使用していないという。
では何のためにドッキリを仕掛けたのかという事になる。
まさか惑星YAKへラケイスを送り届ける前に面倒な仕事が舞い込むとは思っても見なかった。




