地下は運動場?
地下は運動場?
上物は純和風の平屋造り、この敷地内には平屋が3つほど建てられており。
母屋と茶室、そして蔵のような建物がある。
母屋には4つほどの部屋があると思うが茶室は3部屋の建物。
そして蔵のような建物には何があるのか分からない。
「今日二人に来てもらったのは先日有った事件に対してカレン隊としてどうするかの話し合い、それと宗助君には誓にも強化スキルを付与してもらうためよ」
「強化スキル?」誓
「はい、もう6人ぐらいカレン隊の隊員に強化スキルの付与させていただきました」
「私、その話聞いていませんよね」
「そうね、だって忙しかったでしょ」
「そこは仕方ないと思いますが」
「別に秘密にしていたわけではないわよ、でも強化スキルを付与されたらその力の事は口外無用という契約なのよ」
「そうですか」
(そうなんだ、それは仕方ないわね)
「それで、その前にあなたの能力を彼にサーチしてもらわないといけないのよね」
「それって断れませんか?」
「断ると彼の力の恩恵を受けられないわよ」
(え~恥ずかしいから知られたくないんだけど)
織神誓警視庁特殊犯罪課、半年前に特殊犯罪犯グループの摘発および逮捕作戦で手柄を立てたため警視に昇進。
特殊能力は秘密にしているが、犯罪を行う人間の匂いをかぎ分けることができるらしい。
要するに鼻が利く、匂いに対しては敏感であり。
さらにもう一つ人が発するエネルギーのようなものが彼女には見えるらしい。
その形によって嘘をついていたり悪いことを企んでいたりという事が分かってしまうという。
警察官にとってこの2つの能力は鬼に金棒と言った力ではないだろうか。
「待って、考えさせて」
「構わないけど、今日この場で5分以内に答えを出してもらうわよ」
「いらないって言ったら?」
「無茶苦茶損をするわ」
(おばさまの言うことにハズレは無いのよね…仕方ないわ)
「うーん…どうぞお願いします」
「ではあちらの部屋へ」
自分の能力を知られたくはない、それは当たり前であり宗助もそう思う。
だが調べないことには宗助のスキルロボを施すことが難しい、超能力を沢山持っていれば良い分けではなく。
中には手に入れた能力のおかげで他の能力の妨げになる場合もあるからだ。
「何をするの?」
「肩に手を置くだけですよ」
「手でもいい?」
「それでもかまいません」
(男の子の手を握るのは久々かも)
「どうぞ」
(わー綺麗な肌ね)
まずは何の力を持っているのかを探ってみる。
スキルロボで付与できる能力は防御系の力と通信系の力のみ、それ以外の能力は今の所付与しないことにしている。
稀に身体硬化や皮膚変化能力、またはバリア(防御壁)などと言った能力持ちがいる。
その場合は過剰に能力を与えてしまうと、能力同士が干渉しあって打ち消してしまう可能性もあるからだ。
「臭覚選別能力と視覚拡張能力、少し珍しい能力ですね」
「なんでわかるの!」
「そういう能力ですから」
「じゃあ、あなたも2つ以上?」
「秘密です」
「秘密なのよね、ずるくない?」
「ずるくはないですよ、僕もあなたの能力は誰にも話しません」
蓮華のいる居間へと戻るとそこにはお茶が用意されており、その香りが部屋の中を漂っていた。
「どう、付与しても大丈夫そう?」
「大丈夫です」
「じゃあお願いするわ」
「え?」
(これで終わりじゃないの?)
「これから僕の能力の一部を付与します、主に防御系の能力です」
(付与能力ってだけで一つ、防御強化で二つってことね)
「それじゃ手を出して」
「ハイどうぞ」
(スキルロボ、強化)
宗助が付与する能力の説明をすると、すぐに誓さんは大きくうなずいた。
確かに自分が持つ能力に防御能力まで手に入れられたのならば、どんな捜査に赴いても臆することなく犯人検挙が可能となるだろう。
「おばさますぐ試してみたいのですけど」
「構わないけど、壊さないでよね」
「試す?」
「地下のトレーニングルームに行くわよ」
離れにある倉庫、その地下に大きな部屋があるらしい。
実は平屋と見える3つの建物、地下にはかなり広くいくつかの部屋が作られており。
完全防音の上、各種の災害に対するシェルター的な設備まで備わっているという。




