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CNの作戦は…

CNの作戦は…


ホテルの会議室で見せられた映像は椅子に座っている胡桃の姿、それ自体はさほどおかしい所など無いが。

それを見せられて脅されたならばどう思うだろう?


「これはなんだ?」

「我々はできるだけ穏便に商談を済ませたい、だが本国には私と違う考えを持つ強硬派がいてね」

「人質を取って物事が進むとでも?」

「いや今回の事件は無かったことになる、私でさえ知らなかったことにね」

「パン、パン」

「眠れ」

「後は頼む、我々の命令だけ聞くようにするのだ」

「分かりました」


ここまでは考えていなかった、娘を拉致したのは脅しではあるが。

人質を取る行為それ自体が胡桃の父親である森山省碁の心を動揺させ、超能力を深く浸透させるカギだった。

今回この会議室に来ていたCN側のエージェントは5人、一人は藩兆穀だが後の4人の内2人が超能力者だった。

一人はスリーパーという生き物を強制睡眠させる能力者、そしてもう一人がマリオネッター。

人の行動を操る能力者だった。

そしてこのマリオネッタ―という能力の発現にはターゲットの心に深く入り込むことが条件だった。

対象者の心に衝撃を与え能力の入り込む穴を開ける、今回CNのESP部隊に所属している能力者は発現条件が必要だった。

誘拐などしなくても超能力を使用できそうなものだが、宗助のような能力者とは違い発現条件は人によってかなり差があるようだ。

事務次官には記憶の消去を行い、支社長には運輸公司との契約を進めてもらう。

そのために用意した工作員は10人を超える、CNの工作員は全員がまるでエキストラのように動く者達ばかり。

実は今回の出来事は全てドッキリ企画のワンシーンを撮るために雇われたという事になっている。

いわゆる撮影だという事で全ては仕組まれていたのだ。

まさかこの段階でCN側に精神汚染系の超能力者がいるとは思わなかったが。

事件の行方がこの後どうなるのか見てみよう。


「はい、無傷です」

「それじゃ座ってカメラで撮影?」

「はい」

「何の要求も無し?」

「はい、ただ…」

(言っても信じないかな)

「超能力を使われたようなことは無かったかな?」

「え!」

「もうね我々の中でもすでに常識になっているのよ、最近の犯罪にそういった不可思議な事例が沢山増えているってこと」

「そうなんだ」

「それで、無かった?」

「ありました、体の身動きが取れなくなりました」

「そうすると念動力かしら」

「警部、やはり能力者がいます」

「どいつかわかる?」


そう聞かれると、どの人が超能力を使用したのかが分からない、ここには5人ほどいてそれぞれに事情聴取を受けている。

能力を使用してそのやり取りを聞いても、全員がTV局の仕事でドッキリの仕掛け人だとか。

確かにそれ用の機材もいくつか設置してある。

これでは誘拐にはならなくなってしまうだろう、しかも事前に撮影の許可まで出ているのだから用意周到と言って良い。


『え!許可が出てる、いつだ』

『今朝?』

「やられたな」

「撤収」

「了解」

「あなたは一緒に来て」

「はい」


どうやらまんまと一杯食わされた様子だ、本日早朝に出された撮影許可。

一応要救助人として登録されているので、森山胡桃をこのままおいていくわけにはいかない。

本人がこの場に残るというのならば話しは別だが、彼女には一応宗助経由でカレン隊にも保護対象者認定されている。

なかなかCNのスパイ大作戦も侮れなくなってきたと言える、今までならばこんな手の込んだことなどしてこなかった。

まるでこちらの情報を全て知っているかのように、タイミングを見計らったような申請書の出し方。

確かに誰もケガなどしていないのだから、せいぜい始末書を書かされておとがめなしで終わることだろう。

そうなると森山省碁はまんまとCNのスパイに操られ、最新のAI機器を輸出してしまうという事になるのか。


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