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どこかの式典

どこかの式典


ホワイトハウスには急遽、転移ベースが作られている。

建屋は後方200メートルの位置、2階建ての建物には窓などは無く。

名目は独自の電源システムを供給するためだとか。

対宇宙人対策の一環でもある、その建物の中に転移装置も設置することになった。

今の所は指定した2か所にのみ移動可能であるが、いずれどこの国にでも一瞬で行けるようにするためだ。

上手くいけばエアフォース1はこの世代でお役御免になるかもしれない。

取り敢えず今回の事を一番気にしているであろうUSAの大統領へ国際電話をかけてみる。


「ピポパポププペペ…」

「プルルルル」

『ハウアーユー』

『アイアムソウスケロホウ』

『オー』

『待ってたのよ』

『すみません』

『そんなことより惑星YAKの神王をいつ連れて来るの?』

『本日どこにいらっしゃいます?』

『今はワシントンよ、明日は視察に行かないといけないわ』

『それじゃ今行きましょうか?』

『リアリー』

『10分程度で用意できます、場所はホワイトハウスの以前使用したホールで構いませんか?』

『んーそこは今誰もいないわ』

『では今はどこに?』

『エンタープライズって知ってる?』

『退役した原子力空母ですよね』

『そこの記念式典に来ているのよ』

『座標は分かりますか?』

『ちょっと待っていて、折り返し連絡するから』


エンタープライズは退役してすでに40年が過ぎようとしている、現在は既に解体されたと伺っているが。

大統領のいる場所など教えてもらえるのだろうか、まあそれが出来なくとも座標ぐらいすぐにわかるが。

勝手に移動すると危険人物というレッテルがより濃厚になってしまうので、どこに移動すればよいのかを聞いてみる。

10分後…


「プルルル」

『はい』

『私よ、ここに移動してもらえる?』


提示されたのは軍港の備品倉庫であり式典の場所から100メートル程度離れている場所だった。


『分かりました、誰もそこには配置しないでください』

『分かったわ』


建物はそれほど新しくはない、星条旗が屋根の上に掲げられており。

数メートル離れた場所にはUSAの海兵隊が整列して敬礼をしている。

その前に演説している大統領の姿が仮想カメラに映し出されている。


【ここは?】

【ワシントンから数キロ先にある軍港です】

【海軍の建物かな】

【そのようです】

【ラケイス神王は?】

【ラケイス様は現在、おトイレを使用中です】

【了解】


生理現象は地球人とほぼ変わらない、食事をして睡眠をしてそして排泄をする。

汗もかくしお腹もすく、宇宙人であると言わなければどう見てもユーラシア大陸系美女にしか見えない。

昨日購入した服を着ればそれほど場違いな雰囲気など感じないだろう。

季節はもうすぐ冬になるということで、一応コートも着用してもらうことにした。


《準備できた?》

《これでよいのか?》

《OK、だいじょうぶだよ》

《そうちゃん、ママ行かなくて平気?》

《行きたいの?》

《軍の式典中なのよね、んーまた今度にしておくわ》

《彼女を会わせて話が終わったらすぐ戻って来るから》

《分かったわ》


家の屋上へと出ると待機していたカラフル戦隊から1体、警護要員として連れていくことにした。


【アクア、出動できる?】

【はい行けます】

【じゃあ肩に乗って】

《これもあなたの能力?》

《見えているんだね》

《ええ》

《知られたくなかった?》

《そうでもないけど…》

《隠さなくてはいけないことでも?》

《これからこういった者に慣れていない人たちの所へ行くからね》

《分かったわ秘密ってことよね》

《分かってくれるとありがたいよ》

《今からジャンプするのね》

《ここから2万k離れた場所までね》

《都市間の瞬間移動ですね、どこに体を寄せましょうか?》

《肩に手を置いて》

《こう?》

《それじゃ行くよ》

《アン♡》

「シュン」


2メートルの女性を抱きしめる、20センチの身長差はちょうど宗助の顔にふくらみが当たる。

後ろからだとウエストを抱きしめる形になり、今度はお尻にこちらのお腹が当たる。

どちらにしても身長の差は彼女の敏感な場所を刺激する形になるようだ、時折発せられる声はこういう場合、無視するに限る。

日本の夜空はいつの間にか冷たい空気が覆い、冬の到来を告げていた。

USAの大統領、任期があと1年残っているが、その間に様々な出来事が起こりそしてやるべきことが増えていた。


「シュン」

「プルルル」

『到着しました』

『少し待っていただきたい』


連絡は秘書官が代わりに出たが、現在は大統領の演説が終わり代わりに海軍のジェネラルが演説をしている。


『Mrソウスケこちら迄、来られますか?』秘書官

『行っても構わないのですか?』

『皆に紹介します』


なんて紹介するのだろう、日本から来た友人として?それとも救世主として紹介するのだろうか?

転移した建物はもちろんUSA海軍が使用している一区画にあり。

どうやら式典をしている場所から目と鼻の先という場所。

ドアにはカギなどかけられていないが外には衛兵が2名立っていた。


「ガチャ」

「ウェルカムMrロホウ、&ミスラケイス我らの後をついてきてください」


海軍の制服を着た士官が2名ドアを開ける、挨拶をするとすぐに式典を行っている港の方へと歩き出す。

その距離は100メートルほど、履きなれない靴に少し戸惑っているラケイスだったが。

式典に到着したころには笑顔まで見せている。

本来ならばハイヒールを履く場面ではあるが、ラケイスには5センチのローヒールパンプスを履いてもらっている。


「ウェルカムMrロホウ、ミスラケイス」ジャクリーン

「挨拶もしなければいけませんか?」

「こういうことにも慣れておかないといけないのでは?」ジャクリーン


人前で話すということに慣れていない日本の学生には少し酷な話だが、いずれ沢山の人の前で話さなければならない時が来るだろう。

テレパシーで済むような時代がいつ来るのだろうか、この場ではそれが通用しないのも分かっている。

隣にいる長身美女にはこの場で通訳するしかないが、それより彼女の事をどう説明すればよいのだろうか。


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