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シオンの未来視(閑話)

シオンの未来視(閑話)


そこは松田財閥のおひざ元と言われている、未来視で見た大阪の惨状。

そこには驚愕するような風景がフラッシュバックするかのように見えていた。

松田詩音が定期的に行っている未来視、定期ということは毎日ではないという事。

そしていくつかの条件を設けていたりする、超能力の有効利用というのは結果として間違わずに使用できるようにしなければならない。

未来視も毎日行えば見え方にずれが生じて来る、間違うと限定した対象の未来が見えなくなってきたりもする。

彼女の未来視にはいくつかの条件があり、週一回という縛りが現在一番確実に未来を占える。

先週は急に知り合いの未来を視ることになり、数日ずれが生じてしまった。

だからかもしれない、まさか翌日、しかもいろいろと都合が悪い日に限って問題が生じてしまう情報を視てしまうとは思わなかった。


「地頭、今すぐ小山と村木、そして東田・石野…」

「詩音様少し落ち着いてください」

「事件が起こるわよ!」

「それはいつですか?」

「明日よ、都市部が宇宙人に襲われるわ」

「ですが明日は宗助様とお話があるのでは?」

「そうだったわ…それよりこっちの方が重要よ」


近い未来、しかもそれは翌日であり、今全員に連絡したとしても間に合うかどうかわからない。

だがそれでも視てしまったのだから対応せざるを得ない。


「では先にシオン会から各地に能力者を送り込んでおかれては?」

「そうね、それとカレン隊とNADLにも連絡を入れておいて」


詩音が見た未来視は明日災害が起こるという物それも日本全土だけではない世界中で。

しかもそれが自然災害ではなく怪獣のような生き物が急に現れるという物である。

前日と言うこともありシオン会ですべて対応するにも無理がある。

ならば共闘関係を取っているカレン隊とNADLに要請して対応する方が良いだろう、海外の支部にも同じように通達するが。

いつもなら数か月前には知っているはずの未来、今回は急な出来事が重なった。


「では宗助様にはキャンセルの連絡を」

「いいえ、それはしなくてもよさそうだわ、東京に現れる宇宙怪獣(詩音の見た目)は彼が対処するはずだから」


そう明日はそうなる、未来の情報を宗助に知らせてしまっては、彼に仕事を押し付ける結果になるだろう。

全てを任せてしまうのと、自らの組織が有効であると知らしめるのと、どちらが自分にとって都合よく利益につなげることができるか。

別に知らせても良いのだが、だがそうすると宗助は日本に現れたガイアギア全てに対応してしまう。

日本は何の損害も出なかったという事で終わるかもしれない、その場合他の国はどう思うだろうか?

詩音が未来視の力を持つと政財界の重鎮達は知っている、日本は助かるが世界はそれを不審に思うだろう。

今の世の中は利益を分散しなければうまくいかないようになっている、利益も受ける損害も平等が尊ばれる。

敵は宇宙人だと分かっている、ならばあえて多少の損害は目をつむり黙っておくことも一つの選択だ。

いくら宗助でも世界全てを救うことなどできないし、できたとしても地球は大切な人物を失う可能性もある。

一人の人生と全世界を比べる事などできないが、シオンに見えた未来はそれほど確実なものではない。


「ではすぐに各地に伝達配置します」地頭

「頼んだわ」


ビルが100棟以上壊され亡くなった人数が30人で済んだのは彼女の未来視によって得た情報からだった。

ゼロにはできなかったのかと思うだろう?見えたのは破壊される都市の一部、特に東京と大阪の被害が大きく見えた。

ならばそこを重点的に能力者を送り込み、後は配下の社員へ協力を要請する方が良いだろう。

全てを語って不安を煽ることより、災害に対しての防衛準備を行うように命令を下す。

その結果がどうであれ黙っているよりはましという物だ、未来視で未来が見えると言うのも歯がゆいものかもしれない。


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