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自衛隊VSガイアギア(閑話)

自衛隊VSガイアギア(閑話)


宗助が都心部に現れたガイアギアを無力化するために紛争するさなか。

岩田二等陸佐はスマホに連動したマイク内臓イヤホンを使い遠く離れた福岡へと連絡を取っていた。


「バラバラバラ…」ヘリの音

『そうだ、アプリをダウンロードするんだ』岩田

『了解』


アプリをダウンロードする、そのためには隊員にスマホの所持を許可しなければならなかったりする。

現場で利用できるようにするには今回超例外的処置がとられた、個人所有のスマホを使用可能にする。


『ダウンロード完了しました』長崎二等陸曹


鹿児島駐屯地からヘリに乗り福岡に現れたガイアギアを止めるべく、先月宇宙防衛隊に配属されたばかりの自衛隊員5名がアプリのダウンロードを行っていた。

ちなみにスマホは任務中に使用することは無いと言っておこう、彼らが使用する通信システムは現在でもFM無線や短波無線を使用することが多い、機密事項を誰もが使用できる通信帯で利用すると内部機密が漏れてしまうことがあるからだ。

だが今回は緊急事案が勃発した、この対応は自衛隊にしかできないことだ。

まだ発足して1年足らずだが、200人以上の隊員が宇宙防衛隊に入隊している。

一応宇宙防衛隊には志願制を取ったが、あまりにも志願者が多くて結果的には各基地から1名ないし2名迄と言う狭き門となった。

編成後には一度本部(赤坂)へと招集され、宇宙と宇宙人についての勉強をすることになる。

アニメや小説でわずかにかじった知識では対応しきれない。

それに志願を募ったとはいえ宇宙人など見たことが無い隊員ばかり、岩田二等陸佐と宗助によってもたらされた宇宙の情報は、防衛隊に入れば情報を共有することになる。

もちろんそれらは機密事項であり口外無用のマル秘情報だ。


『30分後だ、それまで現地に到達、人命が最優先!』

『長崎二等陸曹了解しました』


岩田が乗るヘリは既に関門海峡上空まで来ていた、先ほどまで大阪に現れたガイアギアに対応していた岩田隊長だが。

東京に次いで5体のガイアギアを確認していた大阪では、逃げる一般人よりとどまってスマホなどでガイアギアを撮影する者が多かった。

人口過密地帯に現れたことにより被害は拡大するはずだった、だがこの地域にはシオン会とカレン隊が先回りすることで破壊行為を抑え込んでいた。


《隊長間に合いますか?》師岡一等陸曹

《間に合わせるさ》

「バラバラバラバラ…」


いくらヘルメットを着用しているとはいえヘリの騒音はかなりのものだ。

ガイアギアが出現してすでに1時間が経つ、東京や関東近県は宗助が対応しすでに首都圏のガイアギアはその動きを止めている。

同時に各県に現れたガイアギアは各駐屯地に配属されている宇宙防衛隊が現地にて対応していると連絡が入っている。

そちらは三田一等陸尉や石神三等陸尉が対応してくれている。

縦横に長い島国である日本は各所に人員を割かなければこういった時の対応が難しい。


《岩田一等陸佐見えてきました》


どの現場でも破壊されている都市は黒い煙が上がりコンクリートの建物が無残に壊されているのがわかる。

郊外の広そうな駐車場または病院のヘリポートなどを拝借して緊急的に使用許可を得る。

既に福岡基地からは自衛隊の装甲車が数台出撃してはいるが、住人の避難が完了しないと攻撃さえできないのがもどかしい。


『隊長、福岡師団と合流しました』

『分かった現地の指揮はだれがとっている?』

『木島一等陸尉です』

『変わってくれ』


ガイアギア撃退に参加した自衛隊員は全部で2000人規模、都市の形状により避難経路はいくつかに分かれるが。

ガイアギアの目的が都市構造物の破壊に限定されているため、こちらから攻撃をしなければ反撃されないという情報を得ている。

となれば自衛隊の仕事は2つに分かれる、一つは住民の避難誘導もう一つはガイアギアの攻撃抑制。

参加している自衛隊員のほとんどは避難誘導に徹してもらうことになる。

福岡に出現したガイアギア2体はそれほど離れていない場所にいる。

ならば10名の宇宙防衛隊の隊員を2つに分けて対応させることになる。

福岡駐屯地から2名熊本駐屯地から2名、長崎・宮崎・佐賀から各1名、最後は鹿児島駐屯地から3名が加わった。

道は避難する自動車であふれており結果的に歩いて避難する人でごった返していた。


「これでは現地まで時間がかかりそうですね」

「泣き言は後だ、走るぞ!」


キャリア組とはいえまだ若い三田は現在も常に訓練を欠かせない。

それは日本の為だけではない新しい枠組みで隊長に任命された、そこに志願してくる若い隊員達に負けてはいられないのだ。

各地から合流した隊員達、全員が一度は挨拶を交換した仲である。


「はあはあ」

「集まったか!」

「点呼」

「加山三等陸曹です」

「熊沢二等陸曹です」

「木島三等陸曹です」

「…」


九州地区の隊員全員が集合した、後は二手に分かれてアプリを起動しガイアギアを止める。

1時間と言うタイムロスが被害をどの程度拡大させたのかは分からない。

大阪の被害は超能力者が対応したためにかなり小さい被害で収束させることができたが。

福岡はかなり被害が出ているようだ。


「加山と足立は俺についてこい後は師岡と2体目を頼む」

「了解です!」


既にやり方は分かっている50メートル以内に接近するというのがやや難点だが。

ガイアギアに近づくにつれそれほど問題ないことが分かって来る。

繁華街に立ち並んだビルは無尽蔵に壊すとどうなる?ガイアギアの大きさは8階建てのビルに相当するが。

いくら超能力を使用しても10トン以上の瓦礫を吹き飛ばすには相当のエネルギーを消耗する。

ライズ族と同じようなテレキネシス(念動力)を使用できたとしてもそう簡単に鉄筋入りのコンクリートが壊せるものではない。

狭い路地に入り込めば今度は自分自身の身動きができなくなってしまう。

要するに彼らにとってこの狭さが仇になったようだ。


《なかなか壊せないな》ジャミル

《あなたの力ってこんなもの?》シーラ

《くそ、壊せば壊すほど身動きが取れなくなる》

《どうするの?》

《こうするんだよ》


福岡に現れたガイアギアの1体、自分の周りにあるビルは壊したが、今度は移動しにくくなることに気が付いた。

既にビルは10棟ほど壊した、コンクリートの壁は瓦礫にできたが、あちらこちらから火の手が上がり地面からはガスや水が飛び出て来る。

ガイアギア自体が燃えることなどは無いが、周りに煙が立ち込めれば目の前が見えなくなってしまう。

これでは破壊行為もなかなか進まない。

こういった行為を数回繰り返すが、今度は能力の使い過ぎか。

4回ほど移動したところでとうとうその動きを止めてしまった。


《安全装置が働いたようだ、少し休もう》

《いいわよ、ねえそっちはどうなってる?》

《こっちも同じみたい》ロロ


惑星RIZに最初に現れたガイアギアもライズ族達の反撃に遭い同じように1時間で動きを止めたことを思い出した。

そこからガイアギアは搭乗者の安全を守るため防御シークエンスに入る。

ヤコブ族はこうなることまで予測してはいなかった、確かに動きを止めたとしても敵の攻撃が自分達に及ばなければ回復してから行動を再開すればよい。

約1時間の破壊行為、そしてガイアギアは動きを止める。

その間に宇宙防衛隊の隊員が駆け付け、動きを止めたガイアギアをハッキングし、それほど危険な状態にならず福岡に現れた2体は送り返すことができた。

面倒だったのは瓦礫の中をガイアギアの近くへと近寄ることだった、これは訓練している者でなければそうたやすくできることではない。


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