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神王に出会う

神王に出会う


その女性は確かに外見的には女神と偽っても誰もが信じる、そう思えるような風貌をしている。

着ているのは服とまでは言えない薄布1枚、身長は約2メートル前後と宗助より高い。

昔の映画スターに少し似ていたりする、髪は超ロングで金髪に少しシルバーが混じっていたりする。

肌は滑らかで皺など何処にもないのだからパッと見の年齢は20代か30歳未満と言った所だろう。


《どこに行くの?》

《地球の僕の家》

《家?》

《ホームともいう、あなたの星では城って言うのかな》

《いいわ、そこに連れて行きなさい》

《また命令してるよ》

《う ダメなの?》

《その言い方ではね》

《あなたの家に連れて行って ください?》

《よくできました》

(調子が狂う、なんなのこの異星人は)

《心の声が漏れていますよ》

《…》

《それじゃちゃんと掴まって》


宗助より20センチほど背の高いラケイス、そのボリュームは百合奈やエミリアを優に超える。

しかもその感触は柔らかく本来ならば、抱きしめることさえためらうはずが。

悲しいかな、宗助は柔らかさを感じることなど無く、転移装置の数値を気にしていたりする。

転送先は家の屋上、そこには何体かのフィギュアが待機しており常に出番を待っている。


《え!》

「シュン」

【宗助様カギは開けてあります】リリー

【今度はどこの子?】オレンジ

【こら、主に失礼よ】ルミナス

【当分うちで暮らすことになりそうだよ】

【ならばちゃんと躾けて差し上げましょう】アクアブル―


新たに加わったリリーズの2体は現在、家の守りと緊急時の予備として家に常駐してもらっている。

新たに手に入れた5体の内、重複する2体は部屋に飾られている。

もちろんそちらも有事の際には交代で出撃してもらう予定だ。

各種の架空除去装置を展開させて宇宙の埃や微生物などを除去すると、ベランダのドアがスーと開いていく。


【母さん】

【お帰りなさい、この人ね】


母には家にいる間、各所に仕掛けられたカメラ映像の管理にアクセスできるようにしてある。


【今テレパシーを同調するね】

《こちらが俺の母です》

《初めまして宗助の母、美土里と申します》

《え あ 私…》

《挨拶って知らない?》

《あ~、妾は神王が一人 英知の神ラケイスです》

(このあいさつで良いのかしら)

《それにしても大きいのね》

《着るものって、無いよね》

《大きいわ、どうやったらここまで育つのかしら》

《この星の生物はみな小さいのか?》

《いいえ、あなたと同じくらいの地球人もいっぱいいるわよ、まあそれほど多くは無いかしら》

《妾はこれでも小さい方なのですよ》

《そうなんだ、確かに他のヤコブ人よりは小さいかもね》

《ヤコブ人?》

《ええあなたたちのことをヤコブ人と呼ぶことにしたのよ》

《そうか、あなた方はどう呼べば?》

《私たちは地球人よ》

《惑星RIZの宇宙人とは違うのか?》

《別な星よ》

《そうか、なるほど資料によれば確かにあなた方とあの星の生き物は少し違う》

《その情報はどこから?》

《他の神王がいない隙に惑星RIZから飛来した宇宙戦艦と言う乗り物からコピーしておいたのです》

《機械からもコピーできるのか?》

《そういう能力もあるのです、すごいでしょう エッヘン》

(大人の様で子供みたいだわ)母


確かにすごいのだが、まるで世間知らずの子供のようにも見える。

だが彼女はそれ以外は英知の神と名乗るほど知識が豊かだった。


《これはおいしいです》

《お口に合って良かったわ》


居間のソファに座りテーブルの上に出されたパイを一つまみ、そのかたわらには紅茶を入れたカップが一つ。

着る物だが、下は直にホットパンツ(母の私物であり昔着ていたものらしい)、そして上着にはTシャツを、これは宗助の私物であるのだが。

彼女が着るとまるでチビティになってしまう、胸はまるで勝ち誇ったかのように膨らんでいてTシャツの胸の部分をこれでもかと押し上げている。


《うーんサイズはバスト1メートル10センチ、ウエストは70センチ、ヒップは95センチ…》

《買いに行く?》

《いいえ作ってみるわ、リリーちゃんたちに手伝ってもらおうと思うの》

《このままでも良いです》

《だめよ》


髪の長さは膝まである、まるでミロのビーナスが現存しているような感じだが。

ほぼ裸でもまるで恥ずかしいという感性は無いようだ。


《ではあなたはまるっきり侵略にかかわっていないのね》

《神王のすることは止められないし邪魔をすることもできない、そう決められているのよ》

《もし自分が攻撃されても邪魔をしないという事?》

《その場合は私が攻撃したいと思うことで戦うことになります、ですが神同士の戦い=下々の民による戦争になります》

《権力の在り方がわからないわ》

《神と言う形は何人もその行いを止められないからだと言われています》

【母さん後、頼める】

【そういえば今日はUSAにいるはずだったのよね】

【岩田さんたち待たせてあるんだ】


ここまでですでに30分を超えている、あまり待たせると岩田さんと三田さんに怒られそうだ。


【そうなんだよ】

【わかったわ、悪さをしないようにしてあるのよね】

【危険な能力やコピー能力は使用できないようにしてあるよ】

【わかったわ、早めに帰ってきてね】


たぶん岩田さんにこのことを説明して、早急に対応することになるだろう。

なにせ先日地球にやってきたヤコブ人の神王の内の一人が単独で現れたのだ。

USAの大統領ならすぐに会いたいというだろうが、それは少し早い気がする。

まずは情報をできるだけ彼女から聞いておきたい。

実はロボ化で彼女のデータを取得しようとしたが、解析できないデータやカギがかかったデータがかなり多く存在している。

だから俺に彼女のデータを見ることなどできないと言ったのだろう。

正式には彼女のデータを解析するのは難しいということで、知ることができない訳ではないが。

中には開けるとトンデモないことが起きるデータもありうる。

鍵付きと言うことはそういうことなのだ。


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