表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
423/510

月(ルナ)

ルナ


そこには殆ど空気などと言う物は無い、現段階では生き物はいないと結論付けられており。

人がそこに住むことなど今の段階ではできないと思われている。

だが、惑星間転送装置ができたならばこの地にも人が居住することが可能になる。

その座標は以前ライズ人が調査のために記した、見上げると地球が丸くそして青い海が陸地より多いと良くわかる場所でもある。


「シュン」

(ここは、う!ここはどこよ!)


転移してきたのは地球の衛星の一つである生物の住めない星。

どうしてこんな場所に転移してきたのかがわからない。

確かにライズ族のデータの中にあった座標ではある。

だが最初に設定した座標は地球EAR183だったはずなのだ。


(空気が薄いわ、集中ライフガード)

「シュー」

(これで…少しは…だめだわ…力が抜ける…)


惑星YAK181からはるばるやってきたのは100万光年以上離れている星の地表。

そして彼女は単独でその距離を移動してきた。

転送スキルの極大距離、この距離の転送にかかるエネルギーは本来日本の東京都全域が使用する1時間分の電気量に匹敵する。

多分、宗助以外では唯一同等の距離をスキル(超能力)移動できる人物だろう、但し彼女の持つ能力は宗助と違い失敗する可能性が高いものだった。

それを半ば強制的に成功させたのは彼女の持つ、いくつかのスキル(超能力)のなせる業。

身体能力を数十倍に増幅させることでそのエネルギーを極大転送に利用する。

そうでなければここまで来ることなどできなかったはずなのだ。

だがまさか転移先に空気が無いとは思わなかった、彼女の持つ超能力があればすぐに死ぬことは無いが。

このままでは月で朽ち果てるのを待つしかない。


《誰か助けて!》


その頃宗助は国際会議に出席するためにUSAへと来ていた、運がいいのか悪いのか。

たまたま月はアメリカ大陸の真上に見えていた。


【これはヤコブ語】

【助けを呼ぶ声ですね】

「トイレに行ってきます」

「それなら私も」岩田


モールのトイレまではかなり遠いが、まさかこの場で瞬間移動するわけにもいかない。


「ん?宗助君もしかして何か問題か?」

【岩田さんにも能力が目覚めたか!】

【ただの勘と言うやつでは?】

「あーそうかもしれないです」

「分かった後は任せて、だが後で教えてくれると助かる」

「分かりました」

【多分ヤコブ人だよな】

【ええ、女性だと思われます】


トイレに入るなり扉を閉めると光学迷彩機能をオンにする、ここのトイレはやや広めにスペースを取ってあるらしい。

これならば便器を傷つけずに転移できそうだ。

宗助の場合、相互空間転移方式と言うライズ族が開発した転送方式をロボスキルとして使用している。

立方体の内側を転送する方式になるので1ミリでもずれて設定すると壁や床などが削れてしまうことがある。

だから転送時には重力制御装置を使用して5ミリほど体を浮かせて転移するのだ。

日本の便所にあるトイレだと狭いうえに高さも無かったりするので、一度建物の屋上に出た方が周りに被害が出にくかったりする。


【座標は?】

【月のこちら側です、設定は私が行います】

【頼む!】

【設定完了、転移開始】

「シュン」


岩田さんにはUSAの大統領を惑星RIZへ連れて行った関係上、この能力のことは話してある。

いずれほとんどばれてしまうのかもしれないが、今の所は超能力の公開は小出しにしておくのが得策だと判断している。


「シュン」

(この辺り、あ!)

《大丈夫か?》

《あなたは?》

【周囲に空気の空間を展開】

【かしこまりました、セーフティゾーンを展開します、マシーン起動】

「シュー」

《息が、できるわ》

《僕は地球の能力者です、あなたはヤコブ人ですよね》

《ン、ウン 私は惑星YAKの神王ラケイスです》

《神王、12人いる神王の一人?》

《よく知っているわね》

《ええ先日あんた方の攻撃型ガイアギアを撃退したばかりですからね》

《撃退?あなたが?》

《僕だけではないですが》

《いいわ、私を惑星EARへ連れて行きなさい》

《あの…それは僕に命令している?》

《あ どういえばいいの?》

《この場合連れて行って下さる?と言っていただければ、ハイと言いますよ》

《連れて行って下さる?ください?》

《分かりました、ですがあなたの姿は人に見えないように細工をしますがいいですか?》

《それなら私にもできます》


そういうとその姿は透明になった。


《もしかして同じ能力?》

《え?コピーできない》

【侵略をガードしました】

【まじ、どんな能力?】

【相手のスキル(超能力)のコピーだと思われます、しかも全て同じように使用できると思われます】

【ならばコピーできないようにしよう】

【ガードスキルが発動しています】

《私の中を覗こうとしても無駄よ》

《じゅあ、連れていかない!》

《そ それは…》

《あなたは地球迄ジャンプする力は無いんだよね》

(なんでそのことを…)

《そうよ》

《このままここにもいられない、そうだよね》

《そうよ》

《では僕の言うことを聞くよね》

(なんてこと…屈辱だわ、でも言うことを効かないと私は…)

《…いいわ》

(まさか、そうなのね、こう言うことだったのね…)


未来予知は全て見えるわけではない、もしこの先起こることの全てが分かってしまったとしたら、その人はどうするだろう。

もしあと2年しか生きられないと予知したとしたら、もし5年で自分の家族が死んでしまうと予知したとしたら。

そんな不幸な未来があるのなら生きていたくないと感じてしまう人もいるだろう。

だから未来視と言う能力にはある程度の限界があるようだ。

あの松田詩音でさえ数年先までしか見通すことはできない、しかも彼女の場合は親族で最大一〇日前後、他人の場合は1か月程度先の予知しかできないのだ。

※国や世界の未来であれば数年先まで予知できる、身近になればなるほどあまり遠くの未来は予知できない、そういう設定らしい。

それでも明日あなたはここに行くでしょうとか、タクシーに乗って事故に遭い怪我をするとか言う未来を予測してあげれば、誰もが彼女の予知能力にひれ伏すことになるわけだ。


《あなたには僕の姿は見えているんだね》

《そういう能力も持っているわ》

《あん、優しく触れてほしいんだけど》

(くやしい、侍女にしか触れさせたことなど無いのに)

《そういうつもりでは…》

【宗助様、もしかしたらこの方は誰にも肌を触れさせていないのでは?】

【神だから?】

【はい、恐れ多いというかそういうしきたりと言う設定なのでは】

(マジかよ)

《面倒だから我慢して》

《あん》

【スキルロボ、ロック解除】

【どういたしますか?】

【一応逆らえないようにしておこう】

【すごいスキルの数です】


ロボ化してみたらデータボックスの中身がとんでも無かった。

超能力の玉手箱、強化能力だけでも30近くあり、自然治癒強化や身体能力10倍等々から重力操作能力まで。

全てを足すと宗助の能力の倍近い超能力を所持していることになる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ