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国際会議

国際会議


国際会議、半年前にUSAのジャクリーン大統領から新しい枠組みとして国際宇宙開発開拓連合を発足すると言われたのは覚えている。

その時まではさほど気にしてはいなかったが、今回の事件によって俺の(リリーさん)が作成したアプリがまた活躍することになり。

便宜上その作成者として会議への参加を半ば強制的に申し入れされてしまった。

だが、このアプリの使用に当ってUSAと日本の自衛隊とはデータの公開について規約を設けさせていただいている。

相互使用規約と言うやつだ。

俺はできる限り矢面に立ちたくはない、どこかのCEOのように至る所に現れて顔見世する勇気などこれっぽっちも無いのだ。

だからこういう場所に出て発言するのならば代役を立てるように申し入れをしてあったりする。

ちなみに岩田さんが自衛隊の宇宙防衛班としてこの場に来ているのは、アプリが自衛隊の開発部(仮)が所有権を持っているからに他ならない。


《それでは今回の宇宙人襲撃事件において、アプリの提供を担っている日本の自衛隊宇宙防衛隊からコウゾウイワタ二等陸佐に説明していただきましょう》

「パチパチパチ」

《日本国宇宙防衛隊所属・防衛官二等陸佐のコウゾウイワタです…》


国会議事堂の倍以上はありそうな会議場、天井からはLEDの光がまぶしく降りそそぐ。

いたるところにモニターやスピーカーがありカメラの数も30を超えている。

それぞれがAIで制御されており、発言者と議事進行係がリアクションを取ると約1秒以内にカメラが向けられるようにセッティングされてる。

そして中央には白いテーブルが置かれ10個ほどの指向性が違うマイクが置かれている。

目の前のモニターには耳が聞こえない人にもわかるように指定した3か国語で翻訳された文字が表示される。


《ご紹介いただきましてありがとうございます、この度はこのような場での発言をお許しいただき恐縮しております。》

《今回活躍したハッキングアプリはかねてから外部への情報流出を止めるために開発していた特殊なものですが…》


この場ではどこの国の言葉でも同時に英語と各国の代表が指定した言語に即時翻訳される。

他国の言語を分かる人にならば翻訳自体が正しくされているかすぐにわかるが。

現在のAI翻訳アプリの正確率は87%以上であり、10%は国によって表現できない言語もあるので仕方がないと言った所だろう。


【俺があの場に出るなら光学迷彩で変装するしかないな】

【宗助様、それほど心配することは無いと思われますよ】


世界中の人がこの会議を見ているわけではない、ガイアギアが壊した建造物が建っていたのは世界各国の主要都市であり。

要するに少し田舎に行けばどこも壊されていないという事になり、ガイアギアのことなど知らない人もいるのだ。

だが、壊された都市の建造物を面積で表すと概算で5k四方以上であり、10階建ての建物で表すと約1000棟前後と言う調査報告が上がっている。

日本で言うと一つの町が壊滅したことにはなるが300体以上のガイアギアが破壊した町の損害としては小さなものだったようだ。

被害者は現段階で1万人前後、そのうち死者は500人(CNは200人)、日本での死者は20人負傷者は300人だと聞いている。

それが1週間で被った被害であり三日以内でガイアギアを撃退できた国は日本とほぼ同じ数値だった。

要するにアプリを導入しなかった場合10倍以上の被害が出た可能性があったということになる。


《ではMrイワタに質問をしてみましょう》

《挙手を》

《UK代表の方》

《このアプリは宇宙戦艦を撃退した時の物ですか?》

《はいそうです》

「ガヤガヤ」

《静粛に》

《どうやって宇宙人の通信システムが分かったのですか?》

《このアプリには全ての電波を受信して解析できるシステムを組んであります、ラジオも効けますしTV放送も傍受できます、微弱な電波から超音波迄受信できます》

《そんなに?》

《IT代表の方》

《このアプリは継続使用できるのか?それと世界中で使えるのか?》

《残念ながら言語の違う場所では使用できません、最初に登録した現在地で固定化されますので一つのアプリで利用できるのは一つの国限定になります》

《そうなると日本の自衛隊が宇宙戦艦を撃退したのか?USAのエアフォースが撃退したのではないのか?》

《それは詳しくは分かりません、USAの軍隊が宇宙戦艦を撃沈したのと同じ時刻、開発したばかりのアプリを使用して敵の宇宙戦艦のコンピューターの乗っ取りに成功し帰還するよう指令の書き換えに成功したと連絡を受けています》

《どちらが先かは分からないということですか?》

《どの国の隊員も勇敢に立ち向かった、それがどちらでも結果が真実ではと思います》

《GRの方》

《この技術は日本の開発なのか?》

《自衛隊の技術開発部で外注した特殊なアプリです》

《開発者は?》

《民間企業です》


50メートル以内の電波を傍受できてシステムを乗っ取ることまでできてしまう。

誰かの会話や送受信中の映像、車や機械の遠隔操作が簡単にできてしまうのだ。

どこかの国はこのアプリを研究するだろう、だから仕掛けをしておいた。


《CNの方》

《USAは今後も日本と契約してこのアプリを使うのですか?》

《このアプリは既に日本とUSAそしてEUで利用契約を交わしております、今回全世界に使用許可を出したのは緊急事態が起こったためです》

《ではわが国では利用できなくなるのか!》

《いいえどの国でも利用は制限されます、すでにアプリはダウンロードも使用も不可能になっていると思います》


いずれ解析されて悪用される可能性を考えた場合、新たに配ったアプリのバージョンには一ヶ月と言う使用期限や自動削除設定などを盛り込ませていただいた。

そうすることで他のシステムへのハッキングはできなくなるのだが。

技術という物は日進月歩であることを思えば、いつかどこかの国で同じシステムを開発されてしまうのだろう。

その時にはリリーさんにクラウドを巡回してもらって悪の芽は摘んでもらうことにするが。

そんなことより宇宙人対策の方が重要なのではないのだろうか。


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