表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
420/507

ラケイス神王

ラケイス神王


その神王は既に200年以上生きてきた、他の神王とは違う考え方を持つ、そして外見がやや地球人に似ていた。

ヤコブ族の平均身長は3メートル50センチ、一番身長の高い者は5メートル前後もある。

だがラケイス神王の身長は2メートルまではいかなかった。

いわゆる先祖返りの兆候が見られたが、身長以外は他の誰よりも優れていた。

女性の神王でありながら身体能力はずば抜けており、戦いにおいても勝てる者は戦神ザロスぐらいだった。

そして彼女はいくつもの超能力を持っていた。


「ちょっと遊びに行ってくるわ」

「神王様どちらに?」

「教えないわよ」

「困ります」モーナ神王付神官

「じゃあ代わりにこの子を置いておくわ」


それは自分そっくりに作った生体人形、いや自分の分身と言ったところか。


「私のいない間お願いね」

「大丈夫よ、帰ってきたらまた教えてね」


まったく同じ顔、考え方や性格など行動パターンも瓜二つ。

だが双子ではなく変身能力を持たせた人造人間。

ラケイスの能力はいくつもあるが、彼女の最初の能力はスキルコピーだった。

その超能力で手に入れたのは長い命だけではない、彼女は手で触れるとそれが何であろうと対象の能力を自分の物にしてしまえるのだ。

今までに手に入れた能力は既に100近い、洗脳や強化と言った超能力などは序の口。

宗助の持つようなロボ化とは違うようだが他人の能力をコピーできるのなら、ほぼ同等の力を持つと言って良い。

彼女は他人の能力をコピーできる、だがそれを今まで隠し通してきた。

主に使ってきた能力は身体強化や洗脳の力だ。

この2つさえあれば他者を服従させることは簡単だった。

そして最近になってさらに新たなスキルを手に入れることができた、それは瞬間移動の能力だ。

この能力を持つ者はそれほどいない、持っていたとしてもその力で移動できるのはせいぜい数キロだ。

惑星YAK181には宗助クラスの能力者は1人いるかいないか、その一人が彼女だと言っても過言ではない。

ガイアギアに取り付けられた惑星間転送装置を能力としてコピーできたならどうなるだろう。

そう、彼女はその能力をコピーすることに成功した。

そして他の神王が地球へと侵攻する隙を見計らって、ガイアギアに植え付けられたデータをコピーしてしまった。

人一倍好奇心が旺盛な彼女は、この力を使って他の生物が住むであろう星へ行こうと思いついたのだ。

計画は簡単だ、いつも使用している自分の分身体を置いて自分自身は座標に記された星へとジャンプすればよい。


(どんな星なんだろう?行ってみればわかるわよね)


死ぬことも無く美しい外見のまま生を楽しむ、そこには普段と変わらぬ退屈な毎日が待っている。

暇を持て余していた彼女は手に入れた能力を使い、旅に出かける夢をかなえようとしている。

だが、それがうまくいくかどうかまではこの時の彼女も知ることができなかった。


(一応予知ではうまくいくはずなのよね…)


コピーした予知能力を使い自身の未来に危険が無いと分かっていれば、冒険しないという考えはありえなかった。

だがまさか、転送先があの場所だとは…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ