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木下百合奈

木下百合奈


ジャグジーから上がりバスタオルで頭から水気を取ると下着を履いて、パジャマを着る。

そして自分の部屋へと入るとそこには木下さんがいた。


「あ お風呂どうだった?」

「気持ちよかったです、何から何まで有難う宗助君」

「いや最後の詰めがこんなでごめん」

「ううんいいの、何か新鮮な気持ち」


【かあさん、これからどうしろと?】

【あらそんなの決まってるでしょ、彼氏としてがんばれ】

【いや彼氏じゃないし、それにここに来て丸投げって】

【…】

【分かったよ、間違い起こしても知らないからね】


まあだからと言って本当に間違いを起こすわけも無く、まずは明日の予定を彼女と話し合う。

ベッドに腰掛けた木下さんから良い匂いが漂う。

俺は当然だがその姿を直視しない様にデスク手前の椅子を回し腰掛ける、少し斜めに見える位置だ。

彼女も当然だが少しもじもじしている、今まで経験したことが無い状況に俺だけじゃなく彼女も戸惑っているだろう。

意を決して俺は話し出す、そうしないと何時までも気まずい雰囲気だけが続いてしまう。


「き 木下さん明日はどうする?」

「えっ どうしよう、ここに居たらだめ?」

「それはかまわないけど、荷物を持ってこないと」

「ああ そうよね」

「じゃあ明日は君の家に行って荷物を運び出そう」

「でも借金取りが…」

「それは任せておいて」


そしてまたもや沈黙が、だが数分後今度は木下さんが話し出す。


「でも何で?」

「どうしても聞きたい?」

「うん」

「そうだな、たぶん僕は君が可愛いと思っているからなのかも」

「そ そうなんだ…」


その顔は見る見るピンク色に染まっていく、この言葉は本音だ。

メガネを掛けてはいるが母が言った通り彼女は背も割りと高くそしてスタイルも良い。

そして胸もクラスの中では大きい方だ、まあ俺には胸より足のきれいさが一番目に入る。

特に足フェチというわけではないがそのバランスは重要だと思う。

たぶんフィギュアのリリーと比べてしまっているのかも。

黄金比と言うか、顔の大きさや首の長さそして全体のバランスが木下さんはかなり近い感じがする。

違うのは髪の色とメガネだけ。


「この人形って?」

「ああ アニメのヒロインだよ」

「見たこと有る、確か殺されちゃうのよね」

「なんだ木下さんも見たことあるんだ」

「少しだけだけど、父が面白いって…」

「そうなんだ、このキャラはね両親が悪いやつに殺されちゃうんだ、そして自分も」

「悲劇のヒロイン?」

「そう だけどある秘密組織に脳内の記憶だけをアンドロイドに写し変えて貰って復活するんだけど」

「生き返っても肉親は誰もいない…」

「あ だけど友達は沢山できるんだよね」

「いいの私も強く生きてみる、宗助君が手を貸してくれるんだよね」

「え ああ勿論」

「うれしい」


木下さんはそう言って微笑んだ、でも目には涙をいっぱいためていたのは知らない振りをしてあげた。


「じゃあもう遅いから寝るね、でもいいの?」


自分の体を掛け布団で覆うとその中で彼女はもじもじしている、いくらベッドが大きいとは言え、寝返りを打てば当然ながら彼女の体に触れてしまう。

何でこんな事になっているのか、俺の考えもこの展開の速さに追いつくのはやっとだ。

勿論同級生の女の子に対する対応なんて、今まで考えた事も経験した事も無かった事だ。

ロボ化のせいで頭はかなり大人になった気がする、そのお陰で何とか対応している形だが。


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