国際宇宙会議
国際宇宙会議
約3日をかけて日本は侵略者の駆るガイアギアを全て止めることができた。
だが宗助がいない他の国はその動きを止めるのに二週間前後かかったらしい。
その被害は前回ライズ族が侵攻してきた時とは違い早い段階で各国のSVR達、超能力者がガイアギアの対応に動いたことで被害を最小限でとどめることができた。
そしてあの器械がうまく機能したことも侵攻を早期に防ぐことができた要因にもなった。
『各国からお礼の連絡が途絶えないよ』岩田
『それはよかったです』
ガイアギアがメディロンの使用する音声指令を使用しているのなら。
その電波(音波)を解析して指令を書き換えてしまえばいい。
そのために宗助は急遽ハッキングアプリの臨時更新を行うことになったが。
それは何とかうまくいったらしい、一部の国だけはアプリの導入を渋ったおかげで対応が遅れたらしくかなり被害を受けたらしいが。
それもアプリを正式に使用し始めてからは数日で解消された。
『ところで宗助君に国際宇宙連合から呼び出しが来ている、USAで会議をするそうだ』
『断れないですよね』
『無理だよ、アプリの説明を誰がするんだい?』
(マジか…)
『岩田さんも行くんですよね?』
『ああ、外相も行く予定だからね』
『できれば僕のことは話さないでおいてほしいのですが…』
『それはどうして?』
『超能力の件もありますから、できれば自衛隊の開発部の製品として岩田さんから発言できませんか?』
『うーん、そうかわかった一応上に掛け合ってみよう』
『お願いします』
アプリの配布はアジアと太平洋地区は日本とUSA、ヨーロッパはUKに任せてある、それぞれの国以外では使用できないようにしてあるが。
それなりに使用料を取るよう設定してあるので、俺の通帳には現在信じられない額の金額が振り込まれていたりする。
しかも今回の更新でガイアギアのハッキング迄できるバージョンになっているのだ。
一応半径50(障害物がない場合は100)メートル以内に入らなければ使えないので、ハッキングを任された兵士は命懸けだが。
親切にも各国の言語で書かれた説明書を添付してあったりする。
そしてアプリの開発者として俺は呼ばれた場合、どこかの国にも大々的に狙われてしまうことになる。
そうなってしまったら、普通の学生生活を送ることなどできなくなるだろう。
ならば、自衛隊という組織が開発したものだということにしてもらえればどれだけ助かることだろう。
開発者としてはアプリの説明だけはしなければいけなくなるが、それは何とかするしかない。
(俺の代わりに岩田さんに説明してもらうしかないな、後で大統領にも説明しておこう)
国際連合とは違う新たな組織、国際宇宙開発開拓連合(通称USD)が稼働し、その組織の発起人はUSAの大統領となっている。
そこに各国の首脳が参加を表明した、煩わしい国同士の上下関係などは無い。
どの国でも金さえ出せば加盟できるし、抜けるのも自由だ。
但し、加入していなければ俺の開発したアプリや、惑星間転送装置のような大大革命品を利用できなくなる。
【また行くのね】母
【行くよ】
【今回も宗ちゃんのおかげで被害が少なくて済んだけど、亡くなった方が出たことは忘れないでね】
【うん、亡くなった人全員に支援金が支払われるようにネット基金事務局を開設したから】
【そうなのね】
【今回のアプリ更新でかなり収入が出たからね】
【もしかして私よりお金持ちになっちゃったのかしら?】
【あはは】
(これは答えられないな…)
米ドルで向こうのネットバンクに振り込まれた金額には丸が9つほどついていた。
日本円にすると300億円ほどだが、ネットバンクに入金された分は基金に使うよう手配しておいた。
日本の分は宗助の懐から政府が作成した基金に出資できるようにしておいたので、誰が援助しているのかは秘密にしておくことができる。
稼働を止められたガイアギアのその後だが、ほとんどのガイアギアは仕掛けられた帰還ウィルスによって自動的に惑星YAK181へと帰還した。
そうしておかないと300体以上のガイアギア、合計600人のヤコブ族がガイアギアの中で死んでしまうことになる。(実は仮死状態になるので死にはしない)
それに彼らが地球に存在しガイアギアと異星人が研究材料になると今後の活動が難しくなる。
ライズ族の宇宙戦艦でさえUSAで撃沈された1機だけで後に問題事が多数発生したのだ、できれば無傷のままお帰りいただいた方が良いだろう。
ガイアギアをロボ化し搭乗者から得られた情報はできれば秘密にしておきたい。
惑星YAK181へ行って神王とやらに会わなければ、この先どうするのかを決めることなどできないが。
それも含めて国際宇宙開発開拓連合(通称USD)の会議では、今後どうするのかを話さなければならない。




