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大惨事から約5日後

大惨事から約5日後


日本の各地に飛来(転送)してきたガイアギアは、当初予想していたよりも少ない被害で侵攻を阻止することができた。

面倒だったのはライズ族の戦艦のように一つのコンピューターで他のコンピューター迄を動かすことができなかった点だ。

個体全てが独立したシステムで制御されており、50%の指揮判断を個別の搭乗者にゆだねられていたことによる。

それは全ての機体を別々にハッキングしなければならなかったという事だ。

そしてアプリの限界である電波によるハッキングだが、半径50メートルという狭い範囲に限られたのは。

出力の弱い市販のスマホをベースにしていることも関係してくる、機体の近くまで近寄らなければ確実にガイアギアのコンピュータにアクセスできなかった。

それでも先進国は早いうちに手を打った方だろう、おかげで被害は最小で食い止めることができたようだ。

USAやUKからの申し出を断り、自国の武力によって制圧を進めた国もかなりあった。

当然だが超能力を持った宇宙人相手に普通の武器は何の意味も持たない。

さらに面倒なのが彼らの超能力が一つだけではなかったことだ。

時には火を操り時には風を操り地面を溶かす、電撃を浴びせるガイアギアも数機確認している。

それでも宗助のアプリを使用してから数日後、主要先進国はガイアギアの侵攻を完全に防ぐことができた。


「USAのガイアギアは制圧が完了した模様です」参事

「さすがだな」首相

「その代わりCNはかなりやられたらしいですよ」

「せっかく今なら格安で使用できるからと勧めたのだが…」

「まさか惑星間転移装置のデータまでよこせというのは無いですよ」

「彼らに渡すと宇宙規模で侵略が始まるからな」

「ヨーロッパはあと数日で撃退完了するようです」

「分かった、国会の答弁で使用する報告書は3日後までに上げておいてほしい」

「了解しました」


ガイアギアが攻めてきた当日にUSAにはアプリの更新ファイル(英語版)を。

FRやGRなどヨーロッパ版は3か国語で更新ファイルを作成しておいた。

中東や東南アジア版は二日後になってしまったが、ガイアギアは南半球の侵攻に数をあまり送らなかったようだ。

人工の建造物が沢山ある場所に限定して攻撃を仕掛ける。

確かにその方が被害が大きいのは確かだが、その後はどうやって地球を侵略していくのか。

もしかしたら神王とやらが登場して全世界に神と偽って放送でも流そうとでもいうのだろうか。

超能力というやつがどこまで人を支配するのに使えるのだろう、最近になって能力を身に着けた宗助でもここまで対抗できるのだ。

洗脳に特化した超能力者がいたとしたら、そんな奴に抗うことなどできるのだろうか。


『ハーイ、Mrロホウ』

『おはようございます』

『あなたの口座に今回の件、振り込んでおいたから確認しておいてね』

『何を?』

『決まっているじゃない、国家予算から少しアプリの代金を支払っただけよ』

『そうなんだ…』

『いらないとは言わせないわよ、あのアプリが無ければライズ族の2人の時なんて比べ物にならないぐらいの被害が出たはずなのよ』

『確かに』

『でもなんで南半球にはあまり侵攻しなかったのかしら?』

『分析では人工の建造物が沢山ある都市を中心に送り込んだようですね』

『やはり、そうなると今回の侵攻は脅しかしら?』

(なかなか鋭い指摘だ)

『多分、次は神王が直接やって来る可能性がありますね』

『あなたにはその神とか言っている奴らの能力までは分からないのよね』

『ええ、聞いた話から予想できるのは洗脳能力ぐらいですね』


この話は戦神ザロスの持っていたデータから分かったことだが。

それが本当なのかどうか、そしてその能力は洗脳だけなのかさえ宗助にもまだ分かっていない。

超能力はそれぞれが望む形に近い発現をしている、中にはその能力のせいで自分自身が死に至る場合もある。

洗脳と一言で簡単に表しては見た物の、その効果は多分一つだけとは断定できない。

宗助のようなデータ書き換えや改ざんという能力もあれば。

ただ体に触れただけで相手の全てを支配できる能力もあり得る。

神と揶揄される者であれば、その声を聞いた者や姿を見た者全員に能力を発現させることができるのかもしれない。

そうなればいくら宗助が彼らの力から免れたとしても、その他の者は全員が神王の支配下に置かれてしまう可能性がある。


『近いうちに行ってみますよ』

『本当にこちらから人員を出さなくても大丈夫なの?』

『人が増えると帰って危険が増します』

『分かったわ、そちらの首相には私から挨拶しておくからよろしくね、シーユー』


別に当然のことをしただけで、金を取ろうとかあまり考えていなかった宗助。

確かに通帳に振り込まれた金額の丸の多さにびっくりしたが。

一応アプリの使用料はごく普通の金額にしてあり、今回の宇宙人侵略で新たに構築したアプリの更新料が別途支払われたということだ。

世界各国にUSAから打診がありアプリを利用していることから、中間マージンもしっかり上乗せされたようだ。


【これは誰にも話せないな】

【寄付をお勧めします】

【それがよさそうだな】


ちなみに宗助は現在USAのネットバンクも登録しており、そちらに振り込まれた分はネット経由でいつでも確認できる。

ちなみにパスポートも現在はUSAから発行されている、事実上は二重国籍になっているようだがこれは賄賂的な思惑があるのかも。

大統領はできれば俺にUSAに住んで欲しいとでも思っているのかもしれない。


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