短かった普通のキャンパス生活
短かった普通のキャンパス生活
そう、災いとはいつの日もいきなりやってくるものだ。
この国には避けて通れない自然災害がいくつもある。
だが、今回の災害は自然ではない。
再び訪れた宇宙人からの侵略行為、覚悟はしていた。
再び攻撃してくると言っていた宇宙人は既に無害化されているが、もう一つの種族はまだ何をしようとしているのかさえ分かってはいなかった。
「ドドン」
「グラグラグラ」
「地震!」
「でも緊急情報は出なかったぞ」
「窓の外を見て!」
それはどう考えても巨人族の乗るガイアギア、その大きさはザロスが乗っていたものよりさらに大きい。
どうやら2人乗りタイプの大型ガイアギアらしい。
だがそれがどうして東京に現れたのか?
「ピーポーピーポー」
「ブーブー…」電話の着信
「ちょっと御免」
俺はトイレへと駆け込むと、スマホの電話機能をオンにする。
『宗助君、私だ』
『岩田さん』
『大変なことが起きた、未確認生物らしき物体が世界各地に飛来した』
『岩田さん、あれは多分ヤコブ族の駆るガイアギアです』
ウェブ情報を仮想モニターに映し出す。
『この間、話してた第2の宇宙人か?』
『ええ、まさか直接攻めてくるとは…』
『すぐに状況は把握するつもりだが』
『僕はすぐに近くにいる機体を無力化します、他の地域に飛来したガイアギアも見つけ次第場所を教えてください、それとできれば僕が確認するまで手を出さないでください』
『分かった、極力攻撃しないように上に掛け合ってみる』
『それじゃまた後で』
その可能性は考えて無かったわけではない、ガイアギア単体に瞬間移動の機能をつけて人体実験を行うような人類の一つ。
当然のことながら科学力も超能力も地球の人類と比べればかなり進んでおり。
危険度から言わせてもらうと彼らの方がライズ族より厄介なのではと思う。
《緊急警報、学生の皆さんは直ちに安全地帯に退避してください》
《繰り返します、緊急警報が発令されました》
「皆、騒がずに避難所へ行こう」
「あれは何なの?」
「多分宇宙人のやつらだ」
「宗ちゃん」
「百合ちゃん、胡桃ちゃんも」
「あたしもいるんだけど」真純
「えーと」
「寺島真澄ちゃん教養学部の1年」
「よろしく、それより早く避難しよう」
避難と言っても東京のど真ん中では逃げる場所など限られている、それに俺には他の仕事があるので避難している場合ではない。
【行くんでしょ?】
【ああ、あの機体がガイアギアならば無力化できるのは俺だけだからね】
【わかった避難先は野上公園だから、後で合流しましょう】
【わかった】
出番を待っているカラフル戦隊リリーズ全員に緊急指令を出す、要人警護はそのまま続けるが。
待機していたリリーズは情報収集へ向かってもらった。
【宗ちゃんTV見て】
どうやって地球の位置を特定したのか、ウェブTV情報で確認できたガイアギアの機体は200体を超えていた。
もちろん世界各国で確認されたそれらは、地球に攻め込むためにやってきたと言って良い。
「先に、避難所に行っていて」
「あなたはどこに?」
「腹の調子が…」
「分かった、先に行ってるね」真純
もちろんトイレには駆け込むがそこで光学迷彩機能を稼働させ、建物の屋上もしくは非常階段へと出る。
そこから一度空へと飛んで煙の立ち込めている場所、そしてガイアギアから発せられている微弱な電波をキャッチする。
以前ガイアギアに乗り込んだ時にも聞こえた特殊な音は、まるでメディロン達が発していた言葉のような音だった。
【あっちか!】
【先行します】クローム
【頼む】
緊急ニュースでは東京に4体のガイアギアが襲来しているという情報。
だが、時間差で姿を現すガイアギアは続々と増えていった。
【もしかして増えてる?】
【はい、数が徐々に増えています】
ライズ族の時とは違い単体で攻め込んできたヤコブ人が乗るガイアギア、その数が1体2体と増えていく。
近くまで宇宙船でやってくるのとは違い、直接地球の各都市に向けて瞬間移動してくるヤコブ星人が駆るガイアギア。
彼らのほとんどが超能力を持っており、近寄るとどんな攻撃をされるかは不明だ。




