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女子のお泊り

女子のお泊り


ファーストフード店を後にして先ほどの公園裏の路地を曲がったところで、再度光学迷彩をオンにする。

そして先ほどとは違い、今度は何故か意識してしまった彼女を抱いた状態。

意識しないのとした後ではこんなに違うとは、彼女の柔らかい体に俺の手はむにゅと食い込む、勿論空を飛ぶため彼女の腕は俺の首にかけられていて顔は俺の顔の横に、そして良い匂いが鼻を突く。

さらに見た目ではわからなかった胸の膨らみも俺の胸に押し付けられているのだ、高校生でこの状況はなんと言えばよいのだろう。

ただ、集中はしないと空を飛んでいる事を忘れてはいけない、そのことだけ考えるように前を見上げた。


「恥ずかしい…」

「俺も」


たぶん2人共に真っ赤な顔をしているだろうそれは明らかだった。

マンションの駐車場まで行くと人気の無いのを見計らい光学迷彩を解く。

彼女が駅前を歩いていたという事は彼女の家もそれほど遠くないという事になる。

マンションの中までは注意して行動しなければ何処でやつらに見つかるか解らない。

とりあえず遠赤外線で索敵アプリを半径100メートルで展開、一応やつらは見つからなかったのでマンションのインターホンから母に連絡。


「宗助だけど」

「お帰り」

シュー


両開きの自動ドアが開くと良いにおいが漂う。


「えっと呂方君、家は壊されたんじゃないの?」

「そうだよそれで仕方なくここに移ったんだよ」

「あ~そうなんだ」


そのやり取りをもう一回繰り返す、ペントハウスに何故?俺もそう思うなぜ?

母のせいですとは言わない、その母の力をこれからから借りるのだから。

25階に着くと指紋認証そして。


「あーあー本日は晴天なり」

「おかえりなさいませ」


彼女もやはりきょろきょろしていた、う~んこのやり取りは新しい人を連れてくるたびに経験しそうだなと俺は思った。


「いらっしゃい」

「お邪魔します」

【それで?】

【彼女おとうさんが例の襲撃で亡くなったんだ】

【そうなの!】

「かわいそうに、苦労したのね」


そう言うとは母は彼女を抱きしめた、もちろんその直後彼女はしくしくと母の胸に顔をうずめ泣き始めた。

ああこの行為だけは今の俺には出来ないなと思った、母は彼女を抱きしめるのに躊躇しなかった。

それからは3人居間で話し合う、すでに父も妹も自室で寛ぐ時間午後10時。


「いいわ確かマンションは2駅先にも2軒持っているから、無ければ兄に頼めば貸してもらえるし、家具付きが良いわよね」

「ウン今いる家に有る物は後々運んでくるけど、彼女一人で家に行けば捕まってしまうだろうから」

【宗ちゃんやるじゃない、彼女ならOKよ、私に似てるし】

【な 何がだよ】

【彼女にしちゃいなさい】

【いやいやまだそんな事考えてもいないんだが】

【直感で解るのよね、スタイルも良いし顔も可愛いし勉強も出来そうね】

【恐ろしい母さんには敵わないな】

【元作家は伊達じゃないのよ~】

「ほんとうに何から何まで、有難うございます」

「何が?あ いや いいのよ宗助のことよろしくね」


そういわれて真っ赤になる木下さん、俺も何故か赤くなる。


【かあさん、先走りすぎだよ】

【あら彼女もまんざらじゃないわよ】

「それじゃ開いてる寝室、用意しちゃうわね」

「はい あ 私も手伝います」


そうこうしていると妹がリビングまでやって来た。


「ん? 又誰か来てるの?」

「ああ友人が来てるよ」

「ふ~ん」


危ない危ない見つかれば何を言われるか分かったもんじゃない。

絶対数日に渡って何か言われる事だろう。

そうこうしていると、母が残念そうな顔をしてやってくる。


「そうちゃん」

「何?」

「今日は宗ちゃんの部屋に泊めてあげて」


聞くと、もう一つの部屋はベッドが無いのと押入れにあるはずの布団が無かったと言う事。

そう言えばその部屋の布団は妹が持っていったはず。


「私の部屋のお布団破けてる~」


だがそうすると女子とお泊りということに、いやいやそれはまずいでしょ。


【それはまずいでしょ】

【大丈夫よ宗ちゃんの部屋のベッドもダブルだったはずよね】


確かに妹の部屋はクイーンサイズで俺の部屋はダブルベッド、俺にはさほど大きさは変わらないと思われたが。


【彼女はなんて?】

【顔が赤くなってただけよ】

【それは恥ずかしいと言う意味でしょ】

【でも仕方ないじゃない、そうしないとアイちゃんにばれるし、私の部屋はパパが居るし】


なんかわざと押し付けようとしているのが見え見えなのだが…


【それじゃ百合奈ちゃんとお風呂入るわね】

【何でわざわざ知らせる】

【テヘッ】


その後2人は風呂から上がるとウォークインクローゼットで下着と寝巻きの選別をしている。

俺はその間に新しい住処となったマンションの風呂を堪能する事に。

まだ3日目だと言うのにあまりにも変化が早すぎる、まさか我が家に同級生を何人も連れてくることになるとは。


【宗ちゃん着替え置いとくわね】

【有難う】

「フフッ」


体を洗いその後はジャグジーへ、はっきり言うとジャグジーはいいね、これは大満足と言える。

今のところサウナは使っていない、たぶんロボ化した体にはサウナはあまり影響ないことが分かったからだ。

90度でもなんとも思わないどころか汗が出ないのだから、もしかして母もそこは知っているのかも知れない。


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