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鹵獲?

鹵獲?


正門から100メートルほど手前、路上に車を止めたのは正門前でおろすと誰が来たのかすぐばれてしまうためだ。

だが本日はそのちょっとした気遣いがどこかの組織に狙われた。

明らかに学生でもない人物が数人通行人に混じっているのが分かる。

なんでわかるのか?それは服装だったり雰囲気だったりするが、どこで見分けるのかは他にも色々と特徴がある。

例えばバッグや小物など、スマホの持ち方から歩き方などもその一つだ。

それに同じ道路上にはいかにもと思われるような黒塗りのワゴンが2台も停まっていた。


【百合奈様、本日要注意人物の数が6人を超えています】

【いつもは2人ぐらいよね】

【映像にマークを付けますので確認してください】


護衛に来ているカラフル戦隊はボルドーリリー、以前惑星リズに滞在してもらったことがある。

このボディは予備の方だ、一応長期間活動した後はメンテナンスの為休ませることにしている。

そうしないといくらロボ化で頑丈になっていても、100%壊れないとは言い切れない。

それに任務の途中でいきなり壊れてしまったりすると回収することが困難になるからだ。

メンテナンスをしないで長期使用するなど言語道断、できれば綺麗な状態で使ってあげたい。


「それで今日は4時ですね、では4時10分に迎えにまいります」

「はい、お願いします」

「シュカッ!」

「何!」

「プシュプシュプシュ!」


正門に到達する20メートル手前で向かいの生垣にいた不審人物、そこに身を隠していた人物が人差し指でカメラのボタンを押す。

とっさに不審人物と胡桃との間に身を投げ出す百合奈、もちろん強化レベルは10まで上げている。

腕に着けたファン御用達の腕章に突き刺さる針のような物体、それを見て百合奈の付けた腕章に刺さっている針をボルドーリリーが回収する。


【麻酔針です】

【ここは任せて】

【では反撃に出ます】


もちろんボルドーは光学迷彩機能を使い誰の目にも見えない状態だ、飛んできた麻酔針を回収しカメラを構えた人物へ近寄るとお返しとばかりに針を突き刺す。


(なんだ?失敗した)

『どうした!』

『何かわからない』

『もう一度だ!』

「うっ、バタン」

「おい」

「何?」

「誰か!」


2回目の麻酔針射出は百合奈とボルドーの前に失敗に終わった。

麻酔針を射出した工作員はその場で倒れ、残りの工作員はその状況を見て逃走する。


「中へ」百合奈

「いったいなんなの?」胡桃

「カメラマン?」百合奈

「どこの雑誌?どうしたんでしょう、倒れましたね」真純

(もしかしてこれが救世主の能力?)楠木


まあスパイというよりそちらの可能性の方が真実味が沸くだろう、わざわざ麻酔針を仕組んだカメラを持っているのだから。

この場所で学友2人に本当のことを話しても仕方がないことだし。

わざわざ怖がらせることもない。

だが胡桃は既に勘づいていたりする。

もちろんマネージャーもUSSJの代表から話は聞いており、この大学に通っている間は友人に任せても大丈夫だと聞いている。


「後は任せて、私が処理をしておきます」楠木

(もしかして狙われて…)胡桃

「すみません後はお願いします」真純


どうやら真純はゴシップ週刊誌のカメラマンが天罰を受けたと信じているらしいが。

胡桃には大体の予想がついていた、周りの雰囲気や感じがいつもと違う。

確かにカメラに仕込んだ麻酔針の射出装置、ご丁寧にそれらしい恰好をしていればごまかす時も楽だろう。

だが昨今、急速に増えた超能力騒ぎの事もあり、徐々に日本がそれほど安全ではなくなってきたと、所属するタレント事務所(USSJ)の所長からも注意してほしいと言われている。

普通ならばいくら有名になったとしても校門までマネージャーが送り迎えするようなことは無い。

胡桃も昨年までならば送り迎えは断わっていた話だ、だがそれも今回の出来事で無視できない状況になってきた。


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