地球侵略
地球侵略
一難去ってまた一難は惑星RIZだけではない。
元凶は彼らだが、そのデータを丸ごと手に入れたヤコブ族は、ライズ族と同じように宇宙へと侵略行為を始めようとしていた。
「神王様、1000体のガイアギア作成完了いたしました」
「うぬ、このスピードを維持せよ、2000体迄作成が完了したら我らも奴らの目を付けた星へ侵攻する」
「ラビータ、兵を集めよ500人だ、新型ガイアギアを使う訓練をせよ」
「は、直ちに取り掛かります」
戦争など無かったこの世界、いや竜族との戦争は今も続いている。
それは戦争と言うより一方的になっているようだが。
彼らヤコブ族は超能力を使いこの星に住む現住種である竜族を食べ物として家畜化している。
生体兵器であるガイアギアも竜族の体を流用したものだ。
地球人が牛や豚を飼い育て食肉にするように、ヤコブ族は竜族を飼い育て研究し食肉や兵器として利用しているのだ。
「ゼロイス様、放って置いてよろしいのですか?」チワナ神民
「好きにさせて置け」
「このままでは死人が増えるとおっしゃっていましたよね」
「未来はそう簡単に変わらない、だが彼らが死に行くかそれとも生きて戻るかは運命だ」
「では死なないと?」
「そうではない、死なぬ割合は8割と言ったところだ」
「では2割の神兵が死ぬのですね」
「戻らないだけだ」
「すでに宇宙戦艦は出向しておりますし、先に出た2名は無事に敵の惑星に到着しているのでしょうか?」
「おぬしは心配性だな」
「それが私の仕事です」
「まあ見て置け、うまくいくかどうかは別として成り行きを見守るのも神王の仕事だ」
「…」
「ゼロイス神王様」
「なんだ?」
「ラケイス神王様が!」
「どうした騒がしい」
ゼロイスは12人いる神王のまとめ役でもあるが、基本的に他の神のすることに横から口を出すことはない。
敵の星へ戦いに行こうとする神王は2名、ゴリアン神王とロマンテ神王の二人。
他の神王は様子を見ているだけで手を出すことも協力することも無い。
ここ数百年神王の座は不動であり、どの神王の地位も安定している。
だが神民はと言うとそうでもない、できればもっと食料を増やしたいし暮らしを良くしたいと思う者は多い。
そこへ外宇宙から新しい技術を持って現れたのがライズ族の宇宙戦艦だったというわけ。
田舎者が都会にあこがれるのと同じこと、止めても無駄だということだ。
いずれこの星から他の星へ行くようになることも予知の能力で分かっていた。
それに彼らが作ったガイアギア(竜の防壁核)はそんな簡単に壊れたりしないことも知っている。
超能力と科学力、そして竜種の持つ再生能力を使い作り出した生体兵器。
宇宙空間での生存も可能なその殻は、中に搭乗する神兵を守るだけでなく数百年にわたって生かすことのできる機能を持つ。
要するに彼らの作った最強の兵器に守られていれば死ぬことは無いと信じているわけだ。




