秘密厳守
秘密厳守
その後は少し話して約束を守ってもらうことを条件に、彼女の申し出を受け入れることにした。
それはいずれCNに行くときには彼女を通訳および秘書官として同行させてくれという事。
それは現時点で断る必要などないことだが、多分そこまで話を持っていくことが彼女に課せられた使命なのだろう。
俺にとってはその方が都合がいい、彼女が俺の専属のスパイになれば他のスパイはいらなくなるからだ。
今後は仮想カメラとリリーズ達がいれば、CNの計画に対抗するにもさほど問題はないだろう。
「それではまたね宗助」
「ではまた」
「バタン」
リーさんをタクシーから下ろした後、俺はそのまま自宅へと移動する。
さすがにまたお泊りするとまでは言われなかったので胸をなでおろしたが。
多分彼女の頭の中では、鹵獲は成功し宗助があの国へ行くときには案内役として付いて回るのだろう。
まあCNへ何のために行くのかが今は分からないが、いたるところで出て来る俺の名を見れば。
ロホウソウスケとはいったい誰なのだと言われるに決まっている。
そしていつかは呼ばれることになるだろう、どういう立場で呼ばれるのかは分からないが。
できればいい意味で呼ばれることを期待したい。
『ご報告です』
『進展はあったのか』
『要注意人物の能力が分かりました』
『やはり能力者がいたのか!』
『ですがその能力は完全記憶という物でした』
『完全記憶?』
『一度見た物は全て覚えているという物です』
『そんな能力を持っているのか?』
『本人から聞きました』
『そうか、その能力で自衛隊や警察が重宝しているということなのかもしれないな』
『はい』
『分かった後は君に任せる』
『それから彼の鹵獲にも成功しました、我が国に来る際には私が専属で同行します』
『おーそうか、やはり君に頼んで正解だったな、資金はいつもの口座に入れておく、私は後2日は日本にいるから、何かあったら知らせてくれ』
『ミンパイラ』
超能力が2つ以上ある人間がいるとは考えられないだろう、一つでもあればそれは超人であり優れていることは証明されている。
だがやはり超能力者と接触すればするほど、能力の発現が早くなるのは確実なようだ。
できればあまりいろいろな人との接触は避けた方が良いのかもしれないが。
いずれ地球人も全てライズ族やヤコブ族と同じように全員が能力者となる日が来るのかもしれない。




