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CNの美人スパイ

CNの美人スパイ


その日は少し曇っていた、今にも雨が降り出しそうな空模様。

明日行われる惑星間転移装置の実験に参加するため、本国からやって来た科学技術公司のトップ。

元特務警察庁の藩兆穀ファンチョーコク、CNのESP部隊を創設した人物でもある。

すでにESP部隊は自分の部下に引き継いでいるが、いまだに強い権限を持つ。

そして藩は科学技術の分野で本国に必要な情報を日本から得るために動いている。

ここは横浜、待ち合わせしているのは、以前にも名前が挙がっていた中華飯店。

そう劉黄元が経営しているお店だ。


「お久しぶりです叔父様」

「そうか、ついこの間だったような気がするが」

「うふふ」

「そういえば、あの人物から情報を得ることはできたかな」

「すべてではございませんが、情報はほぼ手に入れました」

「素晴らしい、やはり君に任せて正解だった」

「後でお渡ししますね」


リーシャオンが手に入れた情報は基本的には転移装置の情報だけだが、足りなかった部分は彼女の独自調査によるところが大きい。

宗助の父、敦之からは殆ど情報は得られなかったが、科学技術に詳しい天才的な頭脳を持つ才女にはデータを盗むというより。

目で見て聞いて書類の一部を閲覧しただけでも、書かれている内容を補足して独自に開発できるぐらいの情報を得るのは難しいことではなかった。

宗助が彼女の超能力を封印したのだが、元々超能力は使わずとも天才にはさほど問題ではなかったようだ。


「それより叔父様、他にもお話があると伺いました?」

「ああ 今ESPの潜入部隊が本国から沢山来ているのだが、君はまだ能力を発症していないようだね」

「ESP?」

「いやこの話は無かったことにしておこう、だが一応そういう部隊が日本で行動している、いずれ君にも彼らと共に行動してもらうかもしれない」

「そうなのですね」

「さあ、冷めないうちに食べてしまおう」


リーの父は本国に拠点を置く華僑であり、裏で政財界を操っている人物。

国政に関わる人物は殆ど彼女の父とは顔見知りであり、幼くして彼女もその一員となっている。

但し、本国の情報を知れば知るほど外の世界へのあこがれが強くなってくる。

自分の娘を将来的に何不自由なく生活できるようにするのならば。

日本もしくはUSAへと行かせるのは、彼らのごく自然な考え方だ。

しかも自分の娘が誰から見ても天才だと思うのならば、その才能を本国で埋もれさせてしまうことなどありえない。


「それでは明日7時に迎えに上がります」


今回行われる実験は日本からUSAへと物資を転送する実験。

それが完了すればいよいよ惑星RIZへ部隊を転送することになる。

すでにUSAの大統領は宗助によって惑星RIZへと訪問しているが、それを踏まえたうえで今後の交流を深める作戦を発動することになる。

USA側は既に惑星RIZへと転送される人員は選定を終えており、後は安全かつスムーズに作戦が完了するのを待つだけだ。


【宗助様やはり今回接見したのが黒幕で間違いなさそうです】

【みたいだね、でもさすが頭がいい人は違うな~】

【見ただけで仕組みや化学式を解明してしまう、まるで機械の様です】

【まあそこは注意しておくとしてESP部隊の方が問題だな】


リーシャオンの頭に設置した仮想カメラとマイクによって得られた情報は、すぐに宗助とリリーによって分析される。

すぐに危険度が増すかどうかはCNのESP部隊が何を目的に活動するのかにもよるが。

先日の潜入スパイ粛清事件(多重交通事故)は、宗助の能力によって大体の予測はついている。

あまりにも広範囲に渡ってスパイが活動している為、CN側としては潜入させたスパイがちゃんと仕事をしているのかどうかを探る意味でも、裏切り者の粛清を目立つやり方で行ったということらしい。

要するにあの事件はCN側のパフォーマンスに過ぎない、それでも人が死ぬかもしれない事故に見せかける危険な行為。

その行為自体がとんでもないことであり、本来すぐにでもCN側へ抗議をするべきなのだが…


【ESP部隊の方は今後も注視していこう】

【かしこまりました】


すでに徳川蓮華さん率いるカレン隊が動いているし、松田詩音さんの私兵であるシオン会もCNに対して対応することが決まったようだ。

そしてついに日本の宇宙防衛隊が発足し、大々的にTVでも放送されたところだ。


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