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これが真実

これが真実


大学生活も半年が過ぎ惑星間転移装置もいよいよ惑星RIZへ向かって最初の転送が始まろうとしている頃。

転送実験に先立ってUSAの大統領であるジャクリーンが全世界の指導者に向けてある情報を流すことになった。

その話はもちろん俺が発端になっている。

大統領の定期会見


「我々は惑星間転移装置の開発を終えて、かの星へと先行調査に出ることになりました」

「それはいつですか?」

「諸君、もう数回の実験は完了し事実上の安全はクリアされています」大統領

「本当に!」

「え~詳しいことは書面にて伝えますが、今回の惑星間転移装置による惑星RIZへの調査は2回目いいえ、すでに4回目になると先に話しておきます」補佐官

「そこまで?」

「大統領!宇宙人と会ったのですか?」VCN(報道)

「宇宙人との接見は既に済んでいます、すでに友好的な約束を取り付けることに成功しています」

「おー」

「野蛮ではなかったのですか?」

「科学力は?」

「大統領!」

「パシャパシャ!」


USA大統領公館での定期会見、そこで半分嘘を交えた発表がなされた。

惑星RIZへ調査に行ったのが4回目というのも嘘だが、そのぐらいに言っておかないと嘘と見破られてしまうからだ。

1度しか行ってないのに安全だとわかるはずもないし、2回目で確認できたとしてあの星が安全だとなぜわかるのかと反論されても面倒だ。

ならば4回から5回の訪問を経て直接惑星RIZの指導者に接見し、安全を確保し地球との友好的な関係を築くよう話し合ったとしておくのが妥当だろう。

そうしないと辻褄どころか全部嘘だと言われてしまう、それにUSAが先に事を収めたと宣言することこそが、今回の会見の狙いだった。

もしもそれが無かったならば、武装した地球人がライズ族とやり合う形で幕を開けるというシナリオになってしまう。

それは又おかしな成り行きに感じることだろう、あれだけショッキングな攻撃を行った宇宙人が温かく迎えてくれるなどという話を誰が信じるというのだろう。

だから地球の代表としてUSAの大統領が地球全体に宣言することが必要だった。


『これで良かったんでしょ?』

『ありがとうございます大統領』

『いいのよ、これでこちらのメンツも立つのだから』


巨額な投資を惑星間転移装置にしている、それは日本も同じだが。

その成果が宇宙人との和解でありその主導をUSAが行ったという事実。

それがUSAにとって最高のメリットとなる、これで全世界がUSA主導の元、運輸革命へと参戦していくことが確実になる。

もちろんその片棒を日本が担いでいることに間違いはない。

もしUSAではなく日本が主導したとしたならば、USAだけでなく近隣の国々が日本へと何かしらの圧力を仕掛けてくることや、情報戦が激しくなり半ば無理やりデータを得ようとする国が出てくる可能性があったが。

そうなると日本単体では主導力の弱さから、近隣の国々から続々とクレームがでてくるだろう事は簡単に想像がつく。

結果として一番の友好国であるUSAの手を借りなければ、運輸革命を実現することが難しくなるだろう。

宇宙人2名の残虐な攻撃、その最初のターゲットがUSAであり。

宇宙人の目的が撃沈された宇宙戦艦のデータ破壊だったことはすでに調べがついている。

USAがそのリベンジを行ったという形があれば、同時に全国民の敵対感情を収める効果もあるからだ。


『後は各国の指導者との話し合いですね』

『あれから主要国は全部こちらの話に乗ってきたわ、全部あなたのおかげよ』

『僕はそうした方がよいと思っただけですよ』

『ほんと欲が無いのね』

『それで今度の実験はやはり同行した方がよいですよね』

『あなたがいないと始まらないでしょ、惑星RIZの指導者はソウスケなんだから』


宗助はリリーさんを含め各種のAIを使用してデータを解析し運輸革命のシミュレーションを行った。

日本が主導した場合の成功率は50%であり、これは後にUSAや周辺各国との軋轢を生んでしまう結果となる可能性が高い。

だがUSAを主導した場合の成功率は80%以上というデータが出たのだから、まさかそれを無視して日本に利益をもたらそうなどとは考えられない。

惑星間転移装置は既に先進国間の運輸流通各所で利用されることになるのは明らかなのだから。


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