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惑星RIZへと帰還する

惑星RIZへと帰還する


約1時間という旅だが、いろいろなことが分かってきた。

ゲートと呼ばれる空間を移動できる門がいたるところに存在する星。

空を飛ぶ竜たちでさえちゃんとそれらを避けて飛んでいるところから、竜族もかなり高い知能を有していることがわかる。

空から見えた都市には自然とうまく融合した町が見えていた、この星は竜人族と竜種が共存している星であり。

彼らは惑星YAKからこの星に逃れてきたのか、それとも元々この星に暮らしていた彼らが惑星YAKへとゲートを通じて移住したのか、いずれにせよ竜人族達にこちらの面倒ごとを押し付けることはできないことが分かった。


【一応ここにマークを残しておこう】

【かしこまりました】


地上からは100メートルほどの高さにある崖の中腹、特に何もない場所であり下草が地面を覆っている。

見た限りでは他の動物は見られないが、見慣れた昆虫類の姿がたまに目の前をよぎる。

それらは地球の昆虫に酷似しているが、保護色なのか全体的に七色に見えるのが不思議だった。


「シュン」

【ギガエアクリーナーを稼働します、微生物およびウィルスの除去装置を稼働します】


いろいろと考えることが増えたが、竜人族の話はあまりしない方がよいだろう。

彼らにはそのままの生活を続けてもらって、惑星YAKは地球人とライズ族で対応することで話を進めた方がいいと感じた。


【ただいま】

《ただいま》

《主おかえりなさい》

《どうでした?》平太

《無事に返してきたよ》

《何か新しい進展は?》母

《竜人族に協力を頼むのは辞めにしたよ》

《何か問題でも?》

《新しい星を見つけたんだ》


全ては語らないが、竜人族を巻き込まない理由は話さなければならない。

向こうから接触してくるのならば話は別だが、彼らはそれを望んでいないようだし。


《そうなのですか、なるほど》アーロン

《事の発端はこちらの方が先だからね、竜人達にとっては全く関係のないことだし》

《そうね、巻き込むことは無いわね》

《そうなんだ、そんな星があるなんて》百合奈

《ところで今は皆どこに?》

《ここでーす》アマリア


第三区画の食料生産都市キャロット、そこで育成している植物系の育成方法を教えてもらっているという。


「シュン」

《主、おかえりなさい》

《ただいま》

《新しい品種?》

《はい私たちの星で育てる場合の肥料配合を試しているところです》アマリア


ライズ族が食料としている葉物は地球と同じかそれよりもやや小さい。

だがヤコブ族の記憶から得た食料は、そのすべてが数倍以上大きくそしてたくさん摂れるらしい。


《おいしかったわよ》

《超能力が無いと調理するのは難しいけどね》


目の前にドカンと鎮座するのはカボチャだろうか?その大きさは直径5メートルを越す。

地球でも人の背丈ぐらいの大きいものは見たことがあるが、それを軽く超えている。

大きすぎるために普通に運ぶことができず、機械でも少し工夫が必要だが、超能力で運ぶのであればさほど苦も無く運搬できたりする。


《おー》


目の前で作業するライズ族が10トン以上ありそうな野菜を数センチ浮かせて作業台へと運んでいく。

この野菜は刻んでスープにするらしい、いったい何人分取れるのだろうか。


《元は10センチ前後の株でしたけど、アマリアに聞いて試しに資料を調合してみたらこれですよ》コートン(肥料開発主任)

《コストは?》

《こちらの方が断然少なくて済みます》

《食感は少し硬いけど味は地球のカボチャと同じなのよ》母

《主どうぞ》朱里


テレキネシスで運ばれてきた皿と器に温野菜を盛りつけて運ばれてきた。

器の方にはスープが入っているようだ。


《食べていいのかな?》

《どうぞ》


ちなみにこちらの星では箸とかフォークとかは使わないらしい、すべてテレキネシスを使用して口元に運んでしまう。

だがそれがかえって不便ではないかという論争が起こったらしい、もちろんそれは平太や朱里が地球の生活で得た知識が原因だ。

俺の前に運ばれた皿にはフォークとスプーンが乗っていた。


「ズズズ」

《甘い》


皿に盛られた温野菜の方も食べてみたが、なかなかいい触感だった。

ドレッシングはアマリアからの情報で味付けしたらしい、本来の品種がこれほど変化するとは。

ライズ族は俺がこの星に来るまでこのような形で食べるようなことは無かったらしい。

ほとんどが携帯食やジェル状の流動食で栄養を補給する、植物を生で食べたりは絶対にしない。

加熱調理すると地球の知識では本来植物に含まれている全ての栄養素を手に入れることができない。

これは地球ですでに知られていることであり、ビタミン類は生の方がたくさん摂れると言いう事を知ったからなのだろう。

そしてヤコブ族も地球と同じ食生活らしいことも分かっている。


《もしかしてヤコブ族の体が大きいのはそういう秘密があるからなのか?》

《さあ、あるかもしれませんが、それはそれで食料が余分に必要になりますよ》

《確かにそうだな》


アマリアでさえライズ族の5倍の食料を一日で消費する、ザロスはさらにその倍の量を食べるそうだ。

8時間を予定していたが、あっという間にその時間が迫ってくる。

これからの話やもしもの時の対応などをテレパシーで話し合い共有していく。

まだまだこれからすることが沢山あるが、今はこの状態が長く続くよう祈るしかない。

後2年、いやヤコブ族がそれまでじっとしているかどうか?

その前にもう一度あの星へ行って直接神王と呼ばれる人物に会ってみないと、先へは進めないだろう。


《それじゃ皆元気で》

《またね~》

《元気でね~》

「シュン」


約7時間開拓した星の現状とか、惑星RIZの再生計画の予定だとか。

おまけに平太の事情など、様々な相談を受けつつ。

その日の出来事はあっという間に過ぎていく。

新たな情報がこの先どういう具合に宗助の計画に変化をもたらすのか、今ここでは断言できないが。

やらなければいけないことは粛々と進めていこうと思う、イレギュラーな出来事が増えてきても宗助ならきっと何とかしてしまうのだろう。

なにせ彼は救世主なのだから。


章の9 キャンパスライフ 完


キャンパスライフというより超能力者続々爆誕といった感じになっているが。

だからと言って騒がずあわてず冷静にという感じが宗助のスタンス。

CNへと殴り込みへ行くこともしないが殴り込みにやってくるなら容赦はしないと言ったスタンスは、何とか伝えることができただろう。

結果として家族や仲間には宗助の力で能力の底上げを進めていくのだが、果たして超能力戦争が勃発するまでに間に合うのだろうか?


それではまた会いましょう。

もう夏はおしまいだよ~


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