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CNの超能力者

CNの超能力者


手を差し伸べられたからこちらからも握手をしようと手を差し伸べてみたのだが。

何気ない動作であり多分リーさん自身もそれが能力発動の条件だと意図していないようだ。

俺と同じくらいの背たけがあるスタイル抜群の美女が今俺の腕の中で目を閉じている。

スキルロボで彼女の脳内を見てみると…


【この能力は…】

【データコピー、もしくはスティールでしょうか】


要は相手の情報を抜き取るのだが、抜き取るデータは全部ではないらしい。


【彼女の超能力はまだ初期段階だと思われます】

【ということは最近発生したのか?】

【その可能性が高いです】


そうなると少しややこしい、彼女はCNのスパイではあるが超能力を買われてスパイ行為をしているわけではないということになる。

しかもまだ能力は初期段階であり、成長すればスパイとしての活動が爆発的にはかどることだろう。

その代わりスパイ活動が上手くいくほど組織からは抜けられなくなっていく、引退するときには死を覚悟しなければならない。


【封印した方がいいのかも】

【多分まだ御父上のデータは手に入れていないと思われます】


いずれ父の手を取れば父の開発している最新式の蓄電池やそれに付随する機密データを簡単に盗むことができるようになる。


【彼女の能力を封印したとして、何か影響は?】

【もともとなかった超能力ですのでカギをかけたとしても問題はないかと思われます】

【問題はもう一つの方か…】


超能力が一つ、それぐらいならば問題はないすぐにカギをかけてしまえばよい。

だが彼女の中にはもう一つの超能力が開封されようとしている。


【幸福付与】

【やっかいな能力が2つも】

【ハニートラップに特化しているようですね】

【こっちにカギをかけるとどうなる?】

【二つの超能力が発生したのはつい最近です】

【父と一緒にいたから?】

【いいえ、今日この家に来たからというのが正しいかと思われます】


類は友を呼ぶ、それは別に悪いことではなく。

ほとんどの場合は良いことである、自分と同じ考えの持ち主が増える。

それはお互いを理解してくれる友人ができるのと同じことだから、だがすべて良いのなら苦労はしない。

能力の発生にはどうやら元々の資質が関係しているらしい。


【仕事柄か…】

【宗助様は趣味や思考から私たちを操れるような能力を手に入れたと考えられます】

【おかげでいろいろ仕事が増えたけどね】

【両方カギをかけるかそれとも…】

【宗ちゃん、何をしてるの?】百合奈


リビングのソファにリーさんを寝かせて彼女の頭に手を当てている俺。

そこに様子を見に来た百合ちゃん、音声での質問を避けてくれたのはありがたい。


【やっぱりスパイなの?】

【CNからの研究員はほぼスパイだよ、だけど彼女の場合は研究の割合が大きいんだ】

【じゃあちゃんと仕事はしているわけね】

【うん】

【悩んでたりする?】

【百合ちゃんに相談していいものかどうかをね】

【どんな?】


どうやら乗り気らしい。


【彼女超能力を発生させたらしい】

【させた?】

【多分今日かもしれない】

【それは私たちのせい?】

【モリソン いや国生姉妹も能力持ちだからね】

【以前宗ちゃんが言ってたことが現実味を帯びてきたのね】

【俺の能力は特別だとして、いつかは百合ちゃんも愛菜も、そしてうちの父さんもいずれ能力が発生するかもしれない】

【私は付与された能力だから、別な能力が自然発生する可能性もあるんだね】

【もしかしたらすでに発生しているかもよ】

【そうなの、え~】

【知りたい?】

【今は辞めて置く】

【わかった】

【それでリーさんをどうするの?】

【能力の関係上封印するしかない】

【そんなに危ない能力なの?】

【データ窃取と幸福付与】

【ターゲットに幸せを与えて知りたいことを盗むのね】

【そんな感じ】

【こんなに綺麗なのに能力はそっち向きなんだね、でもカギをかければ使えないわけね】

【うん】

【日本にいる間は鍵付きでいいのかも】

【彼女の今後の動向で決めた方がいいということか】

【パパさんのそばにいる状態では封印しておいた方がいいけど、日本を離れたらどうなるかわからないでしょ】

【わかったその時になったらまた考えてみよう】


彼女のデータを見ると、本当に才女なのだとわかる。

しかもCNでは結構裕福な家庭で育っていることもあり、才色兼備という言葉がピタリと合う人物だ。


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