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いつの間にか自宅前

いつの間にか自宅前


車に乗っていたのは約20分程度、本来乗るはずだった電車の駅は5つ手前なので。

多分電車で帰るよりは早く着いたのかもしれない。

午後5時を回り駅前の店は昼間の顔から夜の顔へと切り替わりつつある。


「ここで降ろしてください」

「分かった」

「キキキ」

「また聞きたいことができたらお願いするよ」

「はいはい」

「バタン」


自宅からは少し手前の道で降ろしてもらう事にした。

多分俺の家が何処かなど、既に知っているので気にしなくても良いと思われるが。

家の方もUKのサバイバーが随時見張りを付けている為。

逆におかしな心配事を増やしたくはない、モリソンさんが心配して家に突撃して来る可能性もある。

要らぬ誤解を招かないようにしておくことも忘れない。

ちなみに公安調査庁は俺の家族まで調査しようとはしていないようだ。

尾行に付けたリリーズ達の調査では公安が狙っているのは俺と、俺と父を目当てに海外から入国して来る組織のエージェント。

特に目を光らせているのが先ほども接触した国際宇宙連合やEU全宇宙開発局とか、CN国際宇宙開発局などという組織を隠れ蓑にしているどこかの国のスパイ。

表向きは旅行者で入国してくるので、普通にビザが切れて帰国するのなら問題は無い。

中には日本の連絡員と共謀して数十年と言う長さでスパイ活動をする工作員がいる。

現在はそう言った人物をつぶさに調べるのが公安調査庁の仕事らしい。


「ただいま~」

「おかえりなさーい」

「早かったわね」

「あのお姉さまと長い時間居たら何をやらされるか分からないからね、早めに切り上げてもらったんだ」

「お姉さまね~確かに年よりは若く見えるわね」


俺は予備の携帯食を取り出すと口に放り込み、ついでにネット通信を経由して本日の事件に検索をかける。


(特におかしな事件はなさそうだな)

《おかえりです~》

「さっきかわいそうだから部屋から出してあげたわよ」


それは構わない、本日は母を除き全員が何かしらの用事があり出かけている。

百合ちゃんも高校の同級生と買い物へ行くと言っていた。

妹はサッカーの練習試合であり、来週もアンダー16の選抜試合があると言っていた。

アイリーンはモデルの仕事で日比谷公園、エミリアはどこかのオーディションへ出るとか言っていた。

BCG36とかUKB24とか言ったアイドル女子グループのオーディションらしい。

一応事務所からの推薦なので、主催しているのは一流処だと思われる。


《な~に》

《かなりなじんだなと思って》

《水があればそれで幸せ~》

「さて、この子を何時返しに行こうかな…」

「来週の土曜日は?」

「愛菜の試合じゃなかった?」

「そうだったわ」

「日曜日、じゃあ次の日曜日は?」

「それって自分も行こうとしてる?」

「え~ 見てみたいじゃない、竜人の住む世界」


一応惑星RIZまでは3人で行く計画だが、そこには惑星YAKへ母まで連れていくことは含まれていない。

それをやると時間もそうだが俺にかかる負担が増大してしまうのと、不測の事態に対応できなくなる恐れがある。

行きたいという気持ちは分からなくもない、多分氷の世界と聞いてあのファンタジー映画を想像しているのならがっかりするだろう。

常に超低温にさらされているおかげで彼らは地下のような世界で暮らすことを強いられている。

気温を一定にする装置や特殊な技術を使用して、天敵であるヤコブ族に見つからないように隠れて生活している竜人族。


「マイナス50度の世界、南極に行くのと同じだよ」

「洞窟内は違うんでしょ」

「ああ20度前後に設定してあるみたいだ、氷と言うより水を氷のような形に加工できる技術を使って洞窟を形成していると言った感じかな」


氷の洞窟、本来の温度ならば解けてしまうはずなのだ、氷が溶けずに硬いまま壁や天井として形を保っている。

あれはそう言う技術が有って形状を保っているとしか考えようがない。

形状記憶合金の水版、多分流動体の物質全てを何らかの機械装置を使用して固形物のような外観に変えることが可能なのだと思われる。

それができるのなら氷の世界だろうと水の中だろうと、自分達が生活できる場所をどこにでも作ることが可能だ。


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