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調査官は3名

調査官は3名


ホテルのレストランから出て駅へと戻ろうとすると、また呼び止められた。

その中の一人には見覚えがある。


「呂方宗助君」

「えーと柄山さん?」

「覚えていてくれたんだ、久しぶり」

「珍しい名前だったから、それで今日は?」

「先ほどの人たちの事を聞きたいんだけど」

「ここで?」

「移動しながらでも構わないかな、車の中で話そう」


と言うかすでに車が2台、目の前に停まっている。


「任意ですか?」

「もちろん、君はアンタッチャブルなんだろう?」

「主任!勝手にまずいですよ」

「主任なんだ、調査主任って事かな…」

「まあまあ、いいから ここは任せてくれるかな」

「前よりずっと話が分かるようになりましたね」

「平の公務員から2つも昇進したからね」

「じゃあ乗って」

「お邪魔します」


何を聞きたいのかはわかる、さっきの奴らに何を話したのか。

彼らは何者なのか?そして俺が彼らに情報を渡しているスパイなのではないか?

まあ、国の機関と言うのは地道に調査をさせられるお役所仕事なのだ、そしてあらゆる方向から疑いをかけるのも彼らの仕事であり逃れられない捜査マニュアルの一部。

だが柄山さんはあの後ずっとご無沙汰だったのだ、宇宙人絡みの機密情報を何処まで受け取って来たのだろうか。


「バタン」

(ブオー)

「ゴメンね、うちの部署には頭の固い奴が多くてね」

「柄山さんも以前はそうでしたよね」

「バレてたか、仕方がないんだよそう言う組織だから」

「それで聞きたい事は?」

「彼らの素性と君の役割、君が全ての元凶なんだよね」

「元凶って、別に悪い事はしていないんですけどね」

「確かに悪い事はしてないよ、でも君が何かをするとああいう人たちが寄って来るんだろう」

「そうみたいですね」

「なんでだろうね?」

「彼らに聞いてみてください」

「外交官特権で逃げられておしまいさ」

「面倒な仕事ですね」

「話が分かってくれてうれしいよ」

「彼らは国際連合宇宙対策協議会の人たちですよ、表向きは」

「表向き?裏もあるって事?」

「もちろんCNとRUがバックにいて宇宙対策協議会を動かして俺からデータを頂こうと言う寸法かな」

「何のデータ?」

「知っているんでしょ?」

「さあ、何のデータかな~」

(しらじらしい)

「惑星間転送装置」

「それだけかい?」

「あとは秘密かな」

「そうか秘密か~」

「その部分はUSAの大統領とUKの首相のOKがもらえないと話せないんだよね」

「それって本当に?」

「だから僕に聞かないで相川総理に聞いてみてよ」

「相川総理ね、なるほど」

「多分知ってしまうと僕みたいに要注意人物として各国に狙われて、仕事を辞めさせられてしまう事になるかも、もしくは配置換えかな」

「なんで?」

「宇宙人絡みのやばい話だから」

「う~ん」


別に俺としては話しても構わない、多分それを聞いて信じる人はいないと言ってよい。

既に宇宙へは何度となく行っていて、一部の宇宙人はお友達になっている。

他の宇宙人はまだ敵判定からの変更はないが、彼にそういった話を伝えたら後で後悔することになるだろう。


「そうか、じゃあ彼らは協議会のスパイで惑星間転送装置のデータをこっそり君から手に入れようとしている、そしてあわよくば君を連れ去り他のデータも手に入れようと言う感じかな?」

「正解」

「でもよく解放されたね」

「それだけの力があるからね」

「もしかして超能力?」

「その聞き方はまだ信じてないって感じか…でも一応聞いてはいるのか、なるほど」

「小説や漫画ならまだしも現実にいるとは思わないよ、普通は」

「柄山さんは現実主義なんだね」

「これでも少しは勉強したんだよ」

「宇宙人がいたって時点で超能力もありだと思わないと…」

「僕はね一応自分の目で見た事以外は信じないタイプなんだ」

「じゃあ見せてあげるよ」


車の中と言う事もあり、見せられる能力は限られている。

幾つかは手品みたいなものなので、信じるかどうかは分からない。


「これを見てて」


取り出したのはごく普通のボールペン、まずはそれを浮かせて見せる。


「糸で釣る奴だね」

(糸なんてないんだが)

「これは?」


そのままボールペンを浮いたまま瞬間移動で彼の目の前へと移動させる。

自動車で移動しながら瞬間移動させるのは少し難しい、車で移動していると言う事は座標がどんどん変化すると言う事。

それを計算するには特殊な演算機能を使用して数秒後の移動座標を割り出し、瞬間移動装置を作動させなければいけない。

勿論この小さな能力でも後で使ったエネルギーの補充をしておかないといけなくなる。


「!」

「え!」

「それじゃそれを持ってみて」


今度は重力制御装置を使用してボールペンの重量を100倍にする。


「うお!」

「なんだ!」

「はいおしまい、種も仕掛けもあるけど、これが超能力の一部だよ」


車の中で見せられるのはこのぐらいだろう運転している部下もバックミラーで覗き見ている。

ちゃんと前を見ないと、事故に巻き込まれたくはないのだが。



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