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億ション

億ション


『もしもし、母さん、友達が遊びに来る事になったんだけど』

『はい はい 分かった じゃあスーパーで買い物してから帰るよ』


「来ても良いけどその前に少し買い物してから行くから、それでもいいか?」

「だいじょーぶ家に帰っても勉強しかないからな、この時間からだと勉強始めると直ぐ眠くなっちまう」

「確かに」


駅から電車に乗りマンションの最寄駅で下車、友人2名の家は俺より2つ先の駅なので帰りはさほど時間がかからない。

まずは駅を降りるとスーパーで買出し、購入するのは豚のロース肉800グラム、そしてキャベツと人参、さらにピーマン、最後にケーキが6人前とチョコレート菓子などなど。

買い物はさほど時間がかからないが、ケーキを運ぶのにやや注意した事は言うまでもない。


【歩行モジュールレベル3に変更】

【了解】


念のため徒歩のスピードはややゆっくり目に変更、レベル5でも問題ないがケーキと言う食材が丁寧に扱えと頭の中でリフレインする。(落とすなよあまり揺らすなよ と)

買い物が終わり数分歩くとまだ見慣れない高層マンションが見えてきた。


「ここ?」

「ああそうだよ」

「マジか?おまえ金持ちだったのか?」

「限定フィギュア買えるんだから金持ちにきまってんじゃん、今更かよ」

「ああそうだった」


玄関で立ち止まりインターホンを使い母に連絡する、まあインターホンを使わなくても連絡は終っているんだけどね。


『宗助だけど』

『今あけるわ』

ウイー


「いくぞ~」

「お おお」


まったくおのぼりさんよろしく億ションのエントランスから2人はきょろきょろとあちこちを見回しながら感嘆符を連発する。


「すげ~」

「匂いが金持ちっぽいぞ」

「早く来いよエレベーターに乗るぞ」

「ああ いく」


俺が一番上のボタンをタッチすると、またもや2人は驚く。


「え 最上階?」

「そうだよ、ペンと何とかってやつ」

「ペントハウス!」


25階に着くとエレベーターのドアが音も無く開き目の前には指紋と音声認証式の鍵が。

指を当てて呪文を唱える。


「あ あ 本日は晴天なり」

カチャ!

「お帰りなさいませ」

「ほら来いよ」

「お お邪魔します」

「お邪魔します」


「あら いらっしゃい、ゆっくりして行ってね」


同級生達は中に入ってもきょろきょろしている、玄関から少し入ると熱帯魚の水槽そして何処の画伯が書いたのかおしゃれな絵が数点、さらに進むとソファにテーブル。


「じゃ母さん俺の部屋で遊ぶから」

「そう、じゃ後でおやつ持って行くわね」

【うふふ、がんばってね】

【な そんなんじゃないよ】

(何をがんばれって…男友達だって)


母は完璧に楽しんでいるようだ、俺は自分にあてがわれた部屋へ友人を通すと、勿論ではあるが11体のフィギュアが棚に飾られているのが目に付く。


「おお~これか~」

「なんだ20センチ物はコンプしてるじゃん」

「こっちは3体かでも1体は確かプレミア付いてるやつだな」

「そして、これが今回の目玉か…」


棚には大きくて置けないクロームリリーはベッドに腰掛けるように置かれていた。

置かれているようで実は自分で腰掛けていたりするのだが、それを見て2人はまずは顔を近づけて凝視する。


「す すげー」

「まるでアニメから抜け出して来たようだ」

【宗助様、動かなくてよろしいですか?】

【リリー絶対動くなよ!】


「あまりさわんなよ、リリーがかわいそうだ」

「おま フィギュアに名前付けてんのかよ」

「悪いかよ」

「いや おまえがここまで育ってくれた事に、俺は感動している」

「何が育てただよ」

「いいな~すげ~目の作りが圧巻だ」


まぶたまでは動かないが目は動かす事ができる、まあわざわざ指で動かしたりしなければ動かないのだが。

友人の一人が持ち上げようとする。


「お 重い」

「だからよせよ触るの」


「ん? それは?」米田


机の上には昨日自衛隊から貰った軍用ノートPCが。


「見たこと無いぞこんな形のノートPC」

「ああ~それはだな」

コンコンッ

「そうちゃん良い?」

【おやつよ】

「ああちょっとまってて」


俺は部屋のドアを開けている間に東山がノートPCを開きスイッチを入れる。


「おい、勝手にさわんなよ」

「珍しいものを目の前に触るなと言って触んないわけ無いだろ、俺らオタクなんだぜ」

「いやそれとこれとは別だろ」

「PASSは?」

「おしえね~」

「ケチ!」

「それは預かり物なんだよ」


とっさについた嘘だが、そうしないと当然のことながらうるさく入手先を聞かれ、はては自衛隊経由で色んなお宝入手をねだられる可能性が出てくる。

勿論俺には自衛隊に対してのオタク要素はあまり無いが米田は一応軍事系のオタク要素を持っている、東山は少女マンガ系だ。


「どうしてこんなPC持ってんだ?」

「アプリの件だよ」

「ああ自衛隊の?」

「そう、アプリ開発の件で借りてるんだよ」

「マジか!確かにN○Cから専用PCが出ているとは聞いていたが見るのは初めてだ」

「俺だって今回始めて見たんだ」

「そうか、じゃあ見ると国家機密の漏洩になると言うわけだな」

「いやそこまでは…あるかな」

「後で捕まるのは御免だからな」

「分かってくれるならいいよって、そこ何してる東そこはまずいだろ」


いつの間にか東山はリリーの胸を触りだした、フィギュアとはいえそのボディはちゃんと胸があり腰はくびれている。


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