USAサバイバー緊急会議
USAサバイバー緊急会議
惑星RIZから帰還したUSAの最高責任者、彼女はすぐに緊急招集をかけた。
ホワイトハウスに隣接する会議室には夜遅くになっているにもかかわらず、補佐官数名とUSAのサバイバー、そしてCIAやFBIその責任者が急遽集められた。
「ガヤガヤ」
「皆 夜遅くにすまない、本日この時間に集まってもらったのは、重大な話が有るからだ」
「重大な話?」
「宇宙人の事か、それとも忌々しいあの国の事か?」
「宇宙人の事だ」
「そう言えば先日惑星RIZへ行く手段が見つかったと言っていたな」
「そうだ、そして本日USA大統領ジャクリーンジョンソンが惑星RIZへ行って帰還した」
最初の出だしは補佐官からの話だが、彼も一応サバイバーであり元グリーンベレーで教官をしていた人物、強化能力と遠視能力を持つ。
「それでは大統領どうぞ」
「コツコツコツ」
「皆さん夜遅くにも拘わらず集まってくれてありがとう、本日伝えたいことは3つ」
「惑星RIZには我々が必要なものが沢山ある事が分かったわ」
「そしてここが重要よ、あの星は今一人の地球人によって支配されています」
「なんだと!」
「あー静粛に、支配と言ってもその地球人は危険人物ではないわ、逆にその人物が支配したことによって、今は宇宙戦争になる可能性が無くなったわ」
「本当ですか?」
「ええこの目で見てきました、一つ目の危険は去ったと言って良いでしょう」
「1つ目?」
「ええ一つよ、他にも脅威が見つかったから」
「一難去ってまた一難か…」
「最初から考えられていたことだけど、他にも危険な宇宙人が見つかったわ」
「まさか」
「本当に!」
「ええ、今の所新たに見つかった宇宙人は惑星RIZの支配に成功した地球人が対応する事になっているわ」
「そうなんだ、その人物は何者なんだ…」
「今はその地球人が誰かは明かせない、明かしてしまうと地球規模で争奪戦が始まるから」
「ガヤガヤ」
「2つ目、惑星RIZには先日手に入れた設計図から派生できる未来の機械が沢山見つかりました、これはまだ手に入れる事が可能か分かりませんが、いずれ必要になるテクノロジーです」
「それはなんですか?」
「重力制御装置よ」
宇宙戦艦を一機撃墜したUSAエアフォース、今でもとある山間部にその残骸は残っている。
取り出したメイン制御装置は惑星RIZから潜入した工作員2名により破壊されたが。
重力制御装置は壊れた宇宙戦艦に残っている、もちろん直さなければ使用できないが。
メイン制御装置との連動が可能であるのならばUSAはすぐにでも宇宙戦艦、地球式の惑星間航行が可能なスペースシップを作れる事になる。
これはこの国にとって最優先事項になって来る、惑星間転移装置と重力制御装置が有れば宇宙開拓だけでなく地球上で一番の先進国へと返り咲くことが可能となる。
外交的にかなり大きなインパクトを諸外国へと見せつける事ができるのだ。
日本から見れば先走るUSAにあまり良い気分はしないが、CNやRU UK各国首脳が歯ぎしりしそうな様子が思い浮かぶ。
「確か直せば使えると言っていたわよね」
「ええ動力さえ確保できれば可能です」
「ではあの計画を実行に移す時期ね」
「棚上げになっていたスターウィンド計画ですか?」
そんな計画があったとは、だが元々USAとはそういう国だった。
ア〇ロ計画のその先を考えていない訳がない、一時は予算が無くなり縮小を余儀なくされたが。
惑星間転移装置が稼働すれば、技術料を含んだ利権収益だけで宇宙計画どころか軍事計画までカバーできる。
収益計算してみたら兆を超えるドル箱収益になるとの試算が出ていた。
さらに重力制御装置が解析され、そちらも作ることが可能になれば、その転用装置はどんな利益を与えてくれるだろう。
小型化すれば空飛ぶ自動車も空飛ぶ船も、昔アメコミで見たような暮らしが現実になるのだ。
但し必要な物資は今の所、惑星RIZへ行かないと手に入らないと言うのがネックだが。
「これを持って我々USA主導の元、宇宙開拓スターウィンド計画を本格的に始動します」
「オー」
確かにこの国ならばそう言った計画を絶対に進めるだろう、まあそこに宗助がどう関わるのかは今後の話になるが。
忘れてはいけないのは、その先に未知の宇宙人や危険な生物がわんさかいるかもしれないのだと言う事だ。
「大統領3つ目は」
「聞きたい?」
「はい!」
「不老不死が可能になるかもしれないわ」
メディカルポッドの使用目的は治療だが科学が進んでいると治療どころか生命の改造まで可能になる。
細胞を取り出し解析しその設計図を基に全く同じでしかも新品の体を作ることができれば、そこに本人の知識と経験を植え付けるだけで2人目の自分が存在可能になる。
デメリットが無いとは言わない、色々な法整備や禁止事項が必要になるだろう、そうでなければ無秩序に複製を作って他人に成り代わるような事件が発生するかもしれない。
年老いても尚生きる事を強く望む権力者達、彼らは全ての財産をなげうってでもこの技術を手に入れる事を望むだろう。
死を免れられない医療の限界が無くなるのと同位であり、病に苦しむ人々にとってみれば福音そのものだ。
「ではすぐにスターウィンド計画の企画書を作ってちょうだい」
「イエスマム」
この時よりUSAの秘密計画が進められて行く、西側はもとより東側に対しても情報漏洩に対して厳戒態勢を引くことになるのだが。
この時代に情報漏洩を防ぐ手段は無いと言って良い、国と国を誰もが自由に行き来できる事、誰もが手に入れる事ができる富を求めて彷徨よっているのだ。
いくらそれが危険な賭けだとしてもワンチャンスを狙って危ない橋を渡る者は必ずいる。
超能力を発現した者達の増加が進む、中には国と言う概念を覆すような力を持っている可能性があるのだ。




