帰路(現実感が無い)
帰路(現実感が無い)
約8時間に渡る惑星RIZの地下都市観光、惑星RIZの地表にはまだ有害物質があるので今回は見送ったが。
地表の有害物質が今よりも減ったならば、いずれ地表探索も可能になる。
帰りの便(惑星間瞬間移動)は一度マザーのいる中央都市へと戻り、転移室からワシントンのホワイトハウスへと戻る事になっている。
《そろそろ時間だわね》
《もう少し滞在したいところだけれど、仕方ないわもう少し経てば開発中の転移装置でいつでも来れるのだから》
《私…残っても良いでしょうか?》アンジェラ
《だめよ》
《えーとこちらに一人いた方が、実際に惑星間転移装置を稼働した時に調整しやすいのではと思いますが…》
《あなた忘れたの?もしこちらに滞在中、また能力が誤発動したらどうするの》
《あ そうでした…》
アンジェラさんは少しうっかり者なのかもしれない、いずれ誰でもここへ来ることができるようになる。
但し今の所一回の惑星転移で莫大なお金がかかるだろう、だがそれも数年で解消されると思う。
USAでは通常の輸送にも使用できるように法整備も予算の準備も着々と進んでいるのだから。
《それよりあなたは日本へ行くのではなくって?》
《そうでしたすっかり忘れていました》
《地球の皆様準備はできましたか?》マザー
《こっちは用意できたわ》
《大丈夫です》
《いつでもOKよ》
《ヤコブ族の事は頼んだよ》
《かしこまりました主》
《じゃあまたね 平太 朱里 アーロン 皆》
《行ってらっしゃいませ》
今回、宗助の家族の事は朱里達には口止めしてある、まあ言わないでおくと言うだけですでに大統領や蓮華さんには知られてしまっているだろう。
だから彼女らはあえて来月も同行したいとは言わない、一度見てしまえば地球より珍しい場所などそれほど無いのだから。
「シュン」
カラフル戦隊リリーズは予定通りボルドーとクリスタルをアーバンとルミナスに交代してもらい。
大統領達には知られないよう亜空間収納に入っていてもらった、彼らを取り出すのは日本に戻ってからになる。
USAでフィギュアを取り出すと各種の測定器やサバイバーたちに知られてしまう。
今の所、大統領に尾行を付ける必要などはなさそうだ、危険が迫っていたとしてもUSA所属のサバイバー達が彼女をサポートするのだから。
「シュン」
座標指定は来るときと同じホワイトハウスの敷地内にあるゲストハウス。
全く同じ場所へ帰還するので、まさかそこに機材や人が侵入しているなどと言う事は無いだろうけど、念のため成層圏で10秒ほど待機する。
その間に仕掛けてある仮想カメラで転移指定場所の安全を確認する。
そして2度目のジャンプで転移指定場所である建物のエントランスへと移動し、各種のロボスキルを解除する。
ロボスキルを解除するに当たって特にしなければならない注意点などは無い。
一応到着後に仮想ギガクリーナーを作動させて有害物質を取り除く事ぐらいだろうか。
「お帰りなさい!」
「どうでした?」
「まあ普通かしら」
「それだけですか?」
「詳しい事はここで話せないわ、すぐに会議よ」
「分かりましたすぐに招集を掛けます」
「Mrロホウ、今日はありがとう、すぐに今後の事を話し合わないといけないので何かあったらまた連絡するわ」
「分かりました」
「Mrロホウまたね」
「はいまた会いましょう」
大統領とアンジェラが手を振り事務次官たちとこの場を去るが、幾人かのサイバーたちは仕掛けた調査機材の数値やらカメラやらを動かしている。
「Mrロホウ」
「何か問題でも」
「これもユーの仕業なのか?」
そう言いながら録画された映像を見せて来る、いつぞやのスマホの画像のように俺と蓮華さんの顔の部分だけブレて靄がかかっている様に写っている。
「そうかも」
「ステルスだけでなく偽装もできるのか?」
「同じ能力だよ、部分的に使用するだけだから」
こう言っておかないと違う能力とばれてしまう、厳密にいえば違うのだがあまりたくさんの能力があると判ってしまうと、俺の危険度が増してしまう。
出来れば要注意人物ぐらいにしておいて欲しい、超危険人物に指定されてしまったらどこに行くにもUSAのエージェントが尾行に着くだろう。
そうなれば他の国からも危険視されてしまい日々の生活がしにくくなる。
「一つの能力を訓練で性能を上げたんだよ」
「そうなのか、確かに訓練すれば能力が上がる可能性はあるな」
騙しているわけではない、実際に訓練はしているし色々な能力はバージョンアップしているのと同じ事だ。
「分かった、俺達もこの後色々仕事があるからまたな」
「そうだ、また来たときには皆で飯でも食いに行こう」
「分かった楽しみにしているよ」
「グッバイ、Mrロホウ」
「シーユー」
「グッバーイ」
蓮華さんはいつの間にか俺の手を握っている、御年800ウン歳だが本日はその年輪のかけらも出さず終始受けに回っていた。
大統領の能力は先にレクチャーしておいたので、口数が少なかったのもそのせいだと思う。
要らぬ質問をして逆に自分の事を探られれば、自分の正体が何なのかばれてしまうかもしれない。
既に何かの能力があるとUSAの調査では分かっているとは思うが、少し知られるぐらいならまだしも。
幾つもの秘密がばらされてしまう危険を冒してまで宗助にいくつもの質問を投げかけるような浅はかな人ではない。
「シュン」
「有難う、面白かったわ」
「それは良かった、連れて行った甲斐がありますよ」
「少し話さない」
「えーと、15時か…」
蓮華邸を出たのは朝の7時過ぎ、USAでは午後5時から6時ぐらいに惑星RIZへと出発したことになる。
それから8時間近くが経ったので今は日本時間で午後の3時、USAは夜中の2時ぐらいだったのか。
あの時間で招集をかけるなんて、まるで昔の日本を見ているようだ。
仕事となると、確かに過去の日本は時間なんてお構い無しという所があったが、現在は欧米に少し近づいていたりする。
逆に欧米人の方が時間外の仕事をする機会が増えて来ているらしい、日本が好きな欧米人が増えた結果なのではないだろうか。
惑星への片道切符 完
どうでしたかまたもや無血開城ならぬ無血解決でしたね、スキルロボ最強!
それも今回迄と言う事になりそうですが、いよいよ次回からは日本のSVR達が動き始めます。
そこになんと!なんと!CNの特殊能力部隊が惑星間転移装置に関して力ずくで奪おうとしています。
折角キャンパスライフが始まったのに、今までの緩い工作員ではなくCNの最強部隊。
果たして宗助は無事それらを排除できるのだろうか?
それではまたお会いしましょう!




