軍港(宇宙戦艦)
軍港(宇宙戦艦)
一行は次に軍事施設へと移動する、地球と違って人を殺傷する道具はそれほど多くない。
超能力を使用すればナイフや銃、そしてミサイルなどの武器は何の役にも立たないからだ。
唯一の武器と言えるのがアーマービーストともいえる、惑星開拓用ロボット。
地球製のロボットならばかなり外見がゴツゴツしているのが普通だが。
超能力や未来の科学力を使用してそれらを作るとどうなるのか?
ロボットの骨組みも外装も溶かして作ると言うような作業が必要無くなると言う。
開拓戦闘ロボット(アーマービースト)は当然だがオートメーション化された工場で作成されている。
一体成型された骨組みを特殊な金属で繋いで、関節部分には180度前後左右に動く軟体金属を使用して同じく筋肉組織やクッションパーツの稼働部分も同様の金属によって自在に動くよう作成される。
外観の色が真っ黒と言う部分以外は割と曲線で作られていたりするのが特徴。
腕と足部分には地上を効率よく破壊できるような球状やローラー状の移動を兼ねたパーツが組み込まれている。
それらのパーツもAI制御により変形する、指令を全うするための形状はいくつかあるが、胴体の中心部分以外は全て変形可能になっている。
地上に投下された機体はまず星の表面と突起物(建物)との差を測り、邪魔なものを全て破壊する。
その際に生物が邪魔になればもちろん同時に破壊して行くことになる。
基本的に全自動で動くので止めるには機械本体制御装置を破壊するか指令AIをハッキングする以外に方法はないだろう。
直立した状態で高さは10メートル以上、変形し4つ足にすると高さは6メートル前後。
ローラー又はボール状に変形した移動装置の直径は2メートル。
よくあるロボットの頭とみられる部分は設置しておらず、お腹の部分に指令装置や制御装置がまとまって収められている。
活動エネルギーは4つ以上の方法で採取する、太陽光はもちろんの事わずかな放射能や水及び空気などを吸収しエネルギーに変換する。
《うわ~》
《こちらが第2軍港です、この星には10か所に軍港が有りそれぞれに1000艘の宇宙戦艦と1万機のバトルギアを収納しています》
《よくこんな広い空間を柱も無く作れるわね》
《重力の制御装置を使用しています》
重力制御、重力とは星の回転によっておこる現象、そしてその重力や引力を利用した装置が重力制御装置。
実はこの装置は宇宙空間を巨大な船が航行する時にも使用している。
逆に重力制御装置が無ければ宇宙空間を惰性で進む以外移動する方法はない。
勿論この装置も超能力から研究し作られたものだ。
念動力も大きくなれば重力に逆らい物を移動させることができるようになる。
その理論を研究し科学で作り上げたのが重力制御装置と言う事、そこまで作ることができれば後は制御装置の志向性をどこかの星に設定すれば、その方向へと進むことができる。
星間重力航行式と言った所か、地球型のエンジンやロケットなどの動力装置は重力制御装置が有れば必要ないと言うことになる。
空に浮いていられるのもその装置を使ってAIが適切な高度を計算しているからに他ならない。
勿論この技術もいずれ地球へと公開されることになるだろう。
《これはすごいわ》
《すぐに欲しい技術ですね》
《でもそうなると…》
《争いが起こるでしょうね》
《その前に人々を未来へと導く方法を見つけなければならないわ》
《国同士で言い争う事はもう辞めないといけないのに》
《そうなのよ、まったくあそことあそこの国は自分達の事しか考えないんだから》
《技術より先に主導国で協定を結ぶ必要があるのではないでしょうか?》
《そうなのよ》
《ちなみに重力制御装置は特殊な金属が無いとできないらしいですよ》
《そ そうよね、それは地球で取れそう?》
《地球には無いらしいです》
まあそんな物質があるのなら、既に空中要塞が出来上がっていてもおかしくない。
どこかの漫画で出てきそうな空飛ぶ城が現実になるのだ。




