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さてどうしたものか…

さてどうしたものか…


先に惑星RIZへとやって来たシンカーとアマリア、彼ら二人を送り返すにはこの宇宙戦艦を使えば良いのではと思っていた。

本来ならば乗ってきた機体で帰らせればいいのだが、そうなると瞬間移動装置の小型はちゃんと成功していたと言う事になり、全部の機体に組み込まれることになる。

瞬間移動装置が付いた機体を返さないのは、先遣隊(斥侯)が失敗に終わったと偽装する為でもあるのだ。

一応帰国するかどうかシンカーに聞いてみた。


『俺ですか?帰っても良いことないですからね、アマリアも帰るとは言わないと思いますよ』

『そうなんだ』

『そこの隊長に聞いたでしょ、失敗したら2階級下げられるんですよ、俺達は奴隷に落とされます』

『それじゃ帰りたくないな…』

『そこの隊長さんはうまく行ってもコロシアムの戦士でしょう12神王の娘なら落ちても神民までかな…』

『例外とかは?』

『確かゴリアン神王は娘が10人息子が12人孫が20人いるって聞いたから、その子(神隊長)は返ってまずい地位にいるんじゃないのかな~』


惑星YAK181はいまだに階級制、奴隷制がはびこる紀元前の世界に近く、彼女はそういう世界で生まれ育ってきた。

神王やその下の支配階級はどうやら一夫多妻らしい、彼女はその子供たちの一人。

次の神王を決める競争からも外されてしまえば、おのずとその行く末がどうなるのかぐらい分かろうと言う物。

だがそうなると彼女はどうするのだろうか?


【それで君はどうする?】

【殺してくれ】

【それはできないって!】

【ならば惑星RIZいや地球へ連れて行ってくれ!】


いやいや、それもまずくはないか?身長5メートルの大女。

だけど…えくぼがかわいい18歳。

俺はしばらく考えこんだ…


【リリーさん何か良い案は無いかな…】

【大統領に聞いてみては?】

【大統領に?】

【多分大統領も蓮華と言うサバイバーも現在の心配事は惑星RIZのこと迄、その先はあまり考えていないのではと思います】

【それと隊長さんがどう結びつくんだ?】

【確かアメコミの中には巨体の戦士が登場するシーンが多数有ります】

【あの緑色の奴とか?Sのマーク付けたヒーローなんかもサイズは普通だけど確か宇宙人が題材だったよな】

【もしそう言った宇宙人が本当に存在するのなら、USAの人たちは受け入れるのではないでしょうか?】

【俺の考えはそうでもないと思うけどね】


宇宙人の存在が公になった場合、基本的に地球のどの国も脅威に感じる可能性の方が大きいだろう。

現状で一番彼女を受け入れる可能性が高いのは日本だと思うのは俺だけかもしれない。

だがどちらにしても一度惑星RIZに戻り対応を考える必要がある。


【そうなるとどちらにしても彼女は捕虜として惑星RIZへ連れて行き対応を考える事になるな】

【宇宙戦艦は自動で惑星YAKへ帰還するので隊長格がいなくても大丈夫ですが、その場合惑星YAKで事の顛末を伝える役割の人物が必要となります】

【という事はもう一人ロボ化しなくちゃいけないな】


誰かに帰還してからザロス隊長が捕虜となり、戦う事も無く引き返す事を余儀なくされたと神王に伝えてもらわなければ、また同じような侵攻をしてくることは確実だろう。

何せ自分達が一番偉い強いと思っている人種だ、そいつらに今回のような事は無駄だと教える、神王達にこちらの意思を伝え戦争を止めさせる、それが難しい事ぐらいは分かるが。

何もしないで返すだけではまた繰り返し攻め込んで来るだろう。


【ザロス?】

【決まったなら早く殺せ】

【副官はいないのか?】

【先に出ている分隊長が私の副官だ】

【この機体でしょうか】アーバン

【そうらしいな】

【ちょっとおとなしくしてて】

【自由を奪っておいて今更…】

「ニュニュニュ」


隊長機から降りてすぐに副官が乗る機体へと移動し、同じように機体の中へと侵入。

副官はヤコブ族の男性、シンカーとほぼ同じような体格をしていた。


『なんだ?』

『こんにちは』

『何をする!』

【スキルロボ】

【君には引き返した理由を神王へと伝えて欲しい】

【なんだ?なんだ、ワー】


当然のことながらスキルロボを使用して彼にもデータをコピペすると、人によっては現れる拒否反応が割と強めに出たらしい。


【はあはあはあ】

【なんだ、お前は…】

【なんだって?俺は地球人で、君はヤコブ族だろ】

【そんな、これは本当の事なのか…】

【ああ君にはこのまま帰還して神王に今回の出来事を話してもらうつもりだ】

【俺は殺されるかもしれない】

【じゃあ全員戦って死んだ方が良かったのか?】

【…】

【俺が言いたいことは分かるよな、もうやめておいた方が良いって事】

【手も足も出なかったのは分かるが、なんだお前の能力は!】

【聞かれても答えるつもりないよ、どうせ君が伝えても信じない王様達なんだろうし】

【俺は平民に格下げか、もしくは奴隷だ】

【大丈夫だよ、いずれ俺が行って神王全員格下げして階級制をぶち壊すから】

【は?それができるならこんなことにはなっていない】

【できないと?】

【神王達は最低5個以上の超能力を使用できる、その中の一人は噂では10以上の能力持ちだ、敵うわけがない】

【そうなんだ有難う、教えてくれて】

【く…】

【何個能力が有ろうと人間には変わらないだろう、という事だから君もスリーピングポッドに行って準備していてくれ】


彼に対しての命令は帰還したら、ここでの出来事を伝え二度と攻め込まないように神王を説得する事。

まあそれが無理でも次に攻めて来る時にはもう少し慎重に計画を練って来るだろう。

だが俺は保険としてこの宇宙戦艦が帰還するのに1年かかるように設定して置いた。

そうすれば次に攻めて来るにも最低半年以上は準備に時間をかけて用意してくることになる、そうすれば行き帰りの時間で合計2年の有余ができる。

その間にこちらから潜入し神王達を何とか説き伏せて、友好関係を築くように工作しようと考えた。

折角大学に入っても宇宙の事ばかりでは楽しいキャンパスライフが無くなってしまう、それはできるだけ避けたい。


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