表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
353/508

改造宇宙戦艦の内部

改造宇宙戦艦の内部


10機のガイアギアはその動きを止めて宇宙空間に浮遊している。

4体のカラフル戦隊リリーズによって現在はおかしな行動ができないように管理されているが。

機体の中ではこの現状を打破しようともがく神兵たちの姿が…


『テレキネシスが…』

『俺もだ、まるでガイアギアに力が吸い取られているみたいだ』

『これは緊急装置が働いている状態と同じだ』

『何とかならないのか?』

『機体に積まれた電子頭脳にアクセスできないようになっているわ』

『もしかして敵に書き換えられたのか?』

『その可能性が高いです』

『くそっ』

『どうします隊長?』

『本船から助けが来るまで待つしかない』


超能力での移動は可能だが、この状態でどこに移動すれば良いのか。

本来の性能がほぼ使えないばかりか外の景色さえ見えなくなってしまえば、宇宙空間で移動しても死を待つことしかできなくなってしまう。

シンカー達の乗ってきた瞬間移動装置が積まれていれば、緊急避難場所を設定して逃げる事も出来たのだが。

宇宙戦艦2隻に乗せてきたガイアギア100機には宇宙空間での行動はできるがそれ以外の機能までは与えられていなかった。


『なす術がないとはこのことか…』


その頃宗助は宇宙戦艦の内部へと潜入を試みていた。

ライズ族が作った宇宙戦艦には当然のことながらライズ族が乗れるように作られている。

乗り方は船体のサイドにある入口のハッチを開けるだけ、宗助は全長5百メートル以上もある戦艦の横に移動し船内への侵入を試みる。


【確かここだったよな…】


船体の真横、そこにはわずかな切れ目が見えていた、ロボ化で機械化した目でなければ切れ目など見えなかっただろう。

そこに手をかざすと音も無く扉が消えて中が見えて来る。

扉が開いたと同時に内部には明りが灯るシステムの様だが、どうやら通路の先は行き止まりになっているようだ。

敵の手に渡った宇宙戦艦、内容物はヤコブ族が使用できるように、いくつかの改造が施されている。

本来ならば殲滅ロボットや運搬用の円盤型飛行艇など、本来あるはずのブロックは全て取り払われており。

ヤコブ族が作成した居住区画とガイアギアを格納できるブロックが代わりに設置されていた。


【行き止まりか?】

【改造によって壁や通路のサイズが変更されています】

【そうすると壊す以外に侵入する方法がないな…】

【分解する為の機械を作成してみましょう】

【この金属に?確か地球の金属じゃなかったはず】


そう宇宙戦艦の内部に使用されている金属は地球では未知の金属だった。


【金属の組成式は超能力反応式トーチ炉が有れば溶かすことができるようです】

【なんだそれ?】

【熱に超能力を乗せて使用する特殊なトーチバーナーです】


要するに超能力が有れば使用可能な装置、もちろん俺の超能力であるスキルロボで作成可能。


【とりあえずサイキックトーチバーナー作成!】

【作成します、20%50%…3・2・1完了しました】

【さっそく使ってみよう】


目には見えないが自分の指先にそう言った装置を作成した、自分の意思を指先に集中して目の前にある壁に照射する。


「ボウ シュー」


まるで指から熱が前方に発射されているようだが、もちろん空気などはこの場所に無い。

そう文字通りエネルギーは超能力なので、あまりトロトロやっていると自分自身のエネルギーが無くなってしまう。


【やばい、腹が減ってきた】

【エネルギー消費が大きいようです】

【ま まずいぞ】


目の前の壁がゆっくりと溶けて行く、約1分で人が通れるほどの穴が開いたが。

そのために健康食2個がお腹の中へと消えて行く。


【この先は通路の様だな】

「モグモグ」


異次元収納から2つほど健康食品のバーを取り出し歩きながらかみ砕き咀嚼する。


【エネルギー消費が早すぎる…】

【対策が必要ですね】

【うん 考えて置こう、でも今はここからどうするかが先だな】


通路と言ってもその広さは元の5倍近い、床から天井までは6メートル以上はある。

幅も同じぐらいあるので、かなり贅沢な作りの様だ。

そうでなければ身長4メートルの彼らが歩くには低すぎる、それにガイアギアと言う生体兵器はさらに大きいのだから、そちらの格納庫はさらに天井が高く作られているはずだ。


【コンピュータールームはこの先です】


どうやらこの船のメインコンピューターはヤコブ族用に改造されているらしい。

この船への乗り降りは全て船の下側に作ってあるようだ。

それは本来空中に浮かんでいる状態で使用する小型船排出用のハッチだ、彼らのガイアギアもそこから排出されてきたようだ。

広い通路を進んでいく、どうやら他の神兵は待機中らしい、通路を歩く神兵は一人もいない。

通路以外の場所には熱感知レーダーに90人ほどのヤコブ族が作業をしているのが見える。


「おい次の部隊の準備はまだか?」

「少々お待ちください、ハッチが動かなくなったようです」


どうやら宗助がメインコンピューターに侵入する前に故障を発生させていたようだ。


「早く直せ!」

「ハッ!」


直す、テレキネシスで動かす、彼らにはそれが一番手っ取り早い方法なのだが。

そうなると隔壁が壊れる可能性がある為、微妙なテレキネシスで作業しなければいけないらしい。


【ここか】

【ハッキングします】


元ライズ族の宇宙戦艦、改造されていなければ外からでもハッキング可能だったが。

改造されてしまったため外部からのハッキングは困難になっている。


「シュー」

「だれだ?」

(勝手に動いたな、故障か?)

「入口まで故障したのか?」

「敵の作った装置だ、おんぼろなのは仕方ないだろう」

「そうだな、ははは」


ヤコブ族が鈍感で助かった、コンピュータールームに入ると3人のオペレーターがなにやら作業をしている。

目の前にある機材はかなり大きめだが、やはり地球人が使うタイプとはかけ離れていた。


【機械と言うより生き物をモデリングしたような形だな】


幾つもの管がコンピューターとみられる装置から伸びており、ヤコブ族の頭や腕に張り付いている。

それが時折光を放ち、機械なのに生きているかのように見えている。


【これも翼竜から得たバイオテクノロジ―で作ったのか】

【翼竜の細胞から培養した血肉を利用しているようです、中枢の記憶回路までは生体とはいかなかったのでしょう】

【それじゃ仕掛けよう】

【ハイ、侵入開始します】


要領はガイアギアへ侵入した時と同じ、光学迷彩で姿を隠したままオペレーターの隙を狙って直接生体機械に手を触れる。


「ニュニュニュ」

【ウ…】


俺の手に触手のようなものが纏わりつく。


【侵入しました、ハッキング開始します】


約2分ヤコブ族の使っている宇宙戦艦用の生体コンピュータ―、その形はややグロテスクだが性能はライズ族の機材とほぼ同等。

その一番の違いは電気と言う物を使用していないと言う事、さすが生体兵器を扱う一族。

まあその代わり他のエネルギーが必要になるのだが。


【水とタンパク質を補給してエネルギーに変換しているようですね】

【そうなんだ…それじゃ命令系統をこちらに頂くとしよう】

【かしこまりましたロボスキルで通信を可能に設定、命令系統を全てこちらへ移譲しパスワードを設けます】

【スキルロボ】

【進行°50%60%70%90%、3・2・1】

【どうした?】

【書き換えできないセクションが有ります】

【!】


それは竜の記憶、生体機械と言う特殊な仕様の為生物に必要な記憶エリアが有ったりする。

そこも機械化できるはずなのだが、そこを書き換えるとエネルギーの供給システムが死んでしまう可能性がある。

本来生命が持つ大事な部分、それはどんな生き物でも必要な部分である、そこを適当にいじると暴走してしまったり、壊れてしまう可能性がある。


【分かったそこは書き換えないで保持して置こう】

【かしこまりました】


書き換えが終了するとヤコブ族のオペレーター3人に取りついていた触手が全部はがれて生体コンユ―ターへと収まって行く。


「? いきなりどうした、なんで解除した?」

「分かりません、再度設定するぞ」

「はい」

「ダメです受け付けません」

「戦神様に知らせろ」

「ハッ」

(戦神?要するに今回この船の指揮を行っている一番偉い奴の事か?)

【とりあえずこの3人は眠らせて置こう】

【かしこまりました】

【スキルロボ】

「バタン」

「ドスン」


椅子から立ち上がり移動しようとしたが宗助のロボスキルで3人共に眠りについてもらう事にした。

そうしないと内部で戦闘と言う形になってしまう、ステルス機能を使用していれば問題ないと思われるが。

一番良いのは敵が知らない間に全てを終わらせることだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ