惑星RIZの転移室
惑星RIZの転移室
そこは宗助達が地球から移動して来る為に作られた部屋である。
扉を開けると地球にもあるバーのカウンターやソファなど。
以前、平太と悩み相談でも使用した場所だ。
「ここは?」
「地球から来る人専用で作ってもらった部屋だよ」
「え~と 宇宙人は?」
「その前に全員俺の能力でテレパシーを使えるようになってもらうから」
「え!」
「だって話をするでしょう?」
「テレパシー?」
「そう、それができないとおれが通訳をずっとやらないといけなくなるし、それよりも脳波を同調して相手に伝える方が早いからね」
「私は良いわよ、やって」蓮華
「仕方がないわ、受け入れましょう」大統領
「シュア」アンジェラ
ロボスキルで3人の頭脳に惑星RIZ専用言語アプリを設定する。
同時にこの星では禁忌となった戦争系のデータにはセキュリティを設定し、3人のデータを部分的にしか伝達できないようにしておく。
そうしないと特にジャクリーン大統領は有事の際、戦争も辞さないと言う思考が有るはずなのだ、その思考自体がすぐに危険だという事にはならないが。
今回はそのデータを知られないようにしておかなければ、友好関係を築く為の障害になると感じていた。
《主、お帰りなさいませ》
《主?》
《この星のマザーを従僕化した時にそういう設定になったんだ》
《そちらの方は?》
《地球で一番偉い人だよ》
《わ 私はUSA大統領ジャクリーンジョンソンよ》
《初めまして惑星リズの管理官通称マザーです、地球の方々ようこそいらっしゃいました》
《倫理観は地球と同じですから知りたいことは頭で念じて頂ければ、色々答えてくれますよ》
宗助は特にマザーや他の宇宙人達へ特別な指示は出していない、答えられることは全て答える。
まずは情報開示から始まる。
《はい私たちのやり方に誤りがあると主から教えていただきました》
《では、地球への侵略は無くなったのね》
《はい、ご迷惑をおかけしました》
《…》
《で?》
《技術供与情報供与など全ては主の命令であれば私たちは喜んで開示いたします》
《あなたがリーダー?》
《現在、私はオブザーバーのような役割です、既にこの星の育成方法は次世代のリーダーへと移行しました》
「シュン」
そこにアーロンを先頭に平太とそして朱里がやって来た。
《主、遅くなりました》
《いや星の裏側にいたんだ仕方ないよ》
いくら瞬間移動ができても1kや2k程度の短距離ぐらい自分の足で移動するか、もしくは念動力を使用して空を飛んで移動する事までしなくなるわけではない。
逆に最近は足を使った移動方式の方が増えていたりする、これは人口を増やす方式を自然妊娠へと変更したため、足腰をある程度鍛えていた方が出産に有利だと言う事が分かったためだ。
《あ!》
《彼と彼女が問題の宇宙人なんだけど》
《あなた達がそうなのね》
《私たちの行いで多大な迷惑をおかけしました》
《申し訳ございません》
《日本の方式を教えたのね》
《それが一番良いと思いましたので》
《そしてこちらは?》
《初めまして現在この星の一部を統括しておりますアーロンと申します》
以前見た時とは違い頭には少し毛が生えている。
《私はアメリカ合衆国第55代大統領ジャクリーンジョンソンよ、よろしくね》
それからはいくつかの都市を移動して、運営の状況を見て回った。
食料管理都市や人口調整都市、そして軍事都市などを見て回る。
細かな説明はテレパシーで行われる為、映像と音声データを直接脳に伝達すれば細かいところまですぐに把握できる。
「テレパシーって便利ね」蓮華
「彼らはこの伝達方式でこれまでやって来たので、我々の使用している音声伝達だと分かりにくいようですよ」
「このシステムの付与もあなたがいるからできるのよね」アンジェラ
今迄沈黙していた二人が相次いで質問して来る。
「その通り、この能力も何度か改良して地球人用に改良してある」
「そうなんだ、すごいわ もしかしたら私の能力…」
「あ~アンジェラ、その話は別の機会の方がいいかもね」
「そ そうするわ」
多分鳥獣指定テレパスの事だろう、彼女の能力は現在2つ判明しているがどちらの力もやや弱いと言える。
それは訓練をしていないと言う事と、地球の環境によるところが大きい。




