惑星RIZへの定期便
惑星RIZへの定期便
2月も半分が過ぎ高校3年、最後の冬が過ぎようとしている。
宗助も東教大学合格が決まり、同じ頃USA大統領からのオファーによる惑星旅行への日程が数日後に迫っていた。
『2日後の2月25日、そちらは24日の午後でしたね』
『その日程で準備を進めて欲しい』大統領補佐官カービン
『分かりました、後もう一人参加者がいるが構わないか?』
『ええ2人までならなんとか…』
『もう一人は君が救助したアンジェラ、マクファーレンだ』
『そうですか、もっとゴツイ警護の人が参加すると思っていました』
『私もそのつもりだったが、大統領が難色を示したからね』
『了解です、ではUSA側は2名、こちらも僕と合わせて2名、計4名で惑星RIZへ現地調査に行くことにします』
『くれぐれも注意してくれよ、もし何かあったら分かっているよね』
『無事に任務を遂行いたします、イエスサー』わざとアーミー風に返す
最後の言葉はおまけのようなものだ、そこまでかしこまる必要などないが。
国家元首を未知なる宇宙へと連れて行く、その先導をするのだから、絶対安全と言う保障が欲しいのは当たり前の事だろう。
滞在時間は5時間から10時間を予定している、いくつかのロボスキルは施すがそれは瞬間移動の時のみ。
その他のロボ機能を使用するのは避けて置こうと思っている。
だが、まさかアンジェラが参加表明するとは思わなかった、惑星YAKでの出来事を知っても惑星RIZ行の参加を表明するとは。
懲りないと言うか逞しいと言うか、素晴らしい冒険心と言うしかない。
だが彼女の飽く無き探求心の一つが惑星ではなく俺に有ったと知るのは少し先の事になる。
(そうなると先に蓮華さんにも伝えておかないと…)
日本側の同行者は以前から惑星RIZへ行きたがっていた美魔女の蓮華さん。
当日はまず徳川蓮華邸に転移し、その後USAへと瞬間移動。
一応ホワイトハウスの建屋内は避けてゲストハウスのエントランスを指定してある。
既にその場所にはいろいろと化学的機械的な調査機器が搬入されていたりするが。
宗助にとっては予測の範囲内であり、そんな機械で宗助の超能力は測れないと言っておこう、まあ他者の能力を研究する意味合いで考えれば当たり前の行為かもしれない。
そしていよいよ惑星RIZ定期便USA経由の日がやって来た。
【じゃあ1日で帰って来るのね】母
【そのつもりだよ】
【私も行きたかったな~】百合奈
【大統領と?】
【う~ん、それは後々面倒なのよね…】
大統領とお友達になる、まあUSAの女子だったならば光栄なことだし、殆どの人が友人になりたいだろう。
但しそうなると色々と面倒な制約が出てきたりする、勝手に友人だと言いまわることができないし。
中には友人と知って人質にしようとする反政府側の人間達を引き寄せてしまう可能性がある。
俺だけならば対処はそう難しくはないが、ロボスキルの強化と通信だけを付与してある百合ちゃんがどこまで対処できるだろうか。
敵に狙われたら?まあ超能力者としてリストには載ってしまっているので、そのうち大統領にも会う機会は来ると思う。
その時までは面倒事をできるだけ避けたい。
【朱里ちゃんと平太ちゃんに会いたいけど我慢しておくわ】
【そうだね、また一月後に行くからその時までの我慢だよ】
【分かったわ】
【そろそろ時間だ、行ってくるよ】
【行ってらっしゃい!】
【行ってらっしゃい】
一応交代のフィギュアも2体つれて行くつもりだ、そうしないと向こうに置いてきたボルドーとクリスタルがかわいそうだ。
【アーバン、ルミナス後で出すから】
【了解します】
【いつでもOKでーす】
「シュン」
惑星RIZへの定期便、ほぼひと月ごとに惑星RIZへとジャンプしている宗助だが、今回一緒に行く人物は大物中の大物。
粗相のないようにしたいところだが、確か以前にも訪問中に問題が起こったのを思い出した。
いやいやそんな事は無いと思っていたのだが、どうやら宗助の行く先々で問題が起こるのか、それともこれがデフォルトなのかは超能力でさえわからない、
まさかアンラックなどという超能力も有ったりするのだろうか。




