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異種族テレパス

異種族テレパス


数日前にさかのぼる、MS工科大学において研究していた惑星間転移装置。

その一つがこの大学の研究所に有った、日本より先に開発しようと日夜研究所にてデータを取っていた研究員。

彼女はここの大学院生でありUSAのSVRサバイバーだった。


「ハーイアンジェラ」

「ハーイリオ」

「どうだい転送先の設定は解析進んでいるかい?」

「まあまあね、宇宙人の使う言語が何とか解析できたから数字の位置は何とか記録できたわ、そっちは?」

「こっちは全然だめだよ、敵がいる星の座標のデータって何処まで居るのか?」

「全部だって、言っていたでしょう」

「そうなんだよな~」

「ところでオルジェ教授行方不明だって?」

「ミハエルが間違ってデータ持って行ったらしいわ」

(この時点ではまだスパイとは決まっていない)

「フーンそうなんだ…」

「リオ!」

「あ 約束があったんだ、じゃあまたなアンジェラ」

「ええまたね」


午後5時が過ぎた、本来ならばもう研究所を出ていなければならないのだが、明日の実験に備えてデータをチェックしている。

手にはタブレットPCを持ち実際の数値と見比べている。


「あれ?ここの数字違っているじゃない」


メインコンピューターの数値を直そうと画面を見ながら手順を繰り返すが何故か数値の変更ができなかった。

(嘘でしょなんでよ)

仕方がないので転送装置の予備電源を落とすために転送装置へと近寄って行く。


「ここのスイッチを…」


だがそのスイッチに触れたとたん、周りの機械までが動き出す。


「ブイーン」

「なんでよ!おかしいわ」

「シュン!」


一瞬の出来事、確かに前日のテストで残ったエネルギーがあったとしても転送できるほどのパワーは無かったはず。

一瞬だが宇宙空間を思い描いてしまった、ただそれだけの事。

普段ならばそのぐらいで転移能力が発生するはずなど無い、彼女の転移能力はせいぜい数百メートル。

モリソン氏よりもその力は小さかった、だが目の前の機械は溜まっていた電力を放出すべく入力されていた座標へと転送を始める。

目覚めたのは氷の世界、但しそれだけでは無かった。


「キュキャキュ」

「キョキュキッ」


目の前には異星人、それも1体だけではない5体以上いる、実は惑星RIZの宇宙人情報は宗助経由ではなく。

USAに飛来した宇宙戦艦からすでに得ていた物、だがその情報とは目の前にいる宇宙人たちの風貌は似ても似つかない。


「ホワッツ」


そう言った時、彼らの意思が頭の中に入ってきた。


《おまえは何処から来た?》

《え?》

《ヤコブ族に似ている》

《危険だ、今すぐ排除しよう》

《いやそれこそ危険だ、奴らの仲間を殺したりするとここが襲われる》

《ヤコブ?仲間?》

《あなた達ライズ族とは違うわね》

《ライズ族!》


5人が一斉にアンジェラを見る。


《何かまずかった?》

《お前、俺達の言葉分かるのか?》

《言葉ではなくなんとなく…》


彼らの言葉はキャキュキョと言った音の羅列だ、その音程の長さや高さで意思を伝えるらしい。

今やり取りしているのは直接頭の中に意思を伝える方法、それは超音波のようなもの。


《まずいぞ、ここをばらされたら》

《何のこと?》

《宇宙人お前を拘束する》

《え?どうして、やめて!どこに行くの、やめてよ!》


その後は氷の壁の向こう側、隔離室に連れていかれその中にとじ込められた。

その後、笑気ガスで眠らされ衣服を全てはぎ取られてベッドに寝かされ生命維持ドローンの管理下に置かれることになった。

救いだったのは彼らが好戦的ではなかった事と、研究と称して生き物を解剖するような事まではしなかったことだ。


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