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機械がある

機械がある


爬虫類がもし進化したならどうなるだろう?

知能が上がるだけではなく生態系も環境に順応し発展したなら。

この星に住んでいる原住種は翼竜種だけではない、その進化した種族の存在が目の前にいる。

今でもヤコブ族達は家畜として原住種(翼竜種)を飼っており、食用として飼育していたりする。

だが目の前にいる彼らは食用にはどう考えても向かない姿だ。

身長4メートルを超す巨人であるヤコブ族が目の前の翼人族を殺し、調理して食べる姿はミスマッチと言えるだろう。


【彼らは進化した翼竜族なのかも…】


この星に住む原住種は翌竜種ではあるが、そこから進化した姿が目の前にいる翼人種ではないだろうか。

彼らの姿は不思議だ、裸ではなく何かを着ているようにも見える。

鳥であれば毛があるのは皆知っている、だが彼らの足には靴のようなものを履いているのが見える。

地球で言うならそれはブーツと言って良い、そうでなければ氷の通路を歩くのは難しいだろう。

サーモグラフィーでは足の部分はオレンジ色に保たれており、同じように自分を測ったなら俺の足も同じように見えるのではないだろうか。


「はいるわよ」

「どうぞ、おさはなんと?」

「もう少し様子を見るって」


その部屋は2つに仕切られており目の前には氷の壁が、そしてその向こう側には少し斜めになったベッドに寝かされている研究員。


【生命反応があります】

【生きているのか?】

【そのようです】


氷のような壁は分厚く壁の向こう側へ行く方法は分からない、だが見えさえすれば瞬間移動でなんとかできる。

問題は隔離された向こう側に何も仕掛けが無いとは言い切れない点だ。

目の前にいる翼人族は5人ほど、壁の手前にはなにやら機械的な物が幾つか見えている。

金属で作られたのかそれとも氷でできているのかは分析してみないと判らない。


【あれは金属か?】

【分析を開始します10%30%50%3・2・1分析完了、この星特有の金属だと思われます】


氷のように見えて透き通っているのに金属だと言う、科学者なら喉から手が出るほど欲しい研究材料だろう。

ガラスのような金属、それなのにダイヤモンド並みに強度がある、柔軟で透明そんな金属が有ったなら工業製品の未来はどうなるだろう。

そんな鉱物がこの星には沢山埋蔵されているらしい。


【硬度は高いようですが熱には弱そうです】

【中には入れそうなのか?】

【少々お待ちください】


そう言うと今度は外気の分析を始める、透明な氷のような壁。

その向こう側は当然だが空気があり、そこに捕らわれている女性は生きている。


【壁の向こうには笑気ガスのような物質が含まれています】

【眠らされていると言う事か?】

【そのようです】


スキルのおかげで薬物関係の影響は受ける事が無い、だがその空間にあるのはそれだけでは無かった。


【他にも何かあります】

【他にも?】


時折プリズムのように光が屈折して見える小さな粒、それらは氷の壁に乱反射でもしているのか、見た目は氷のかけらのようにしか見えない。


【なんだと思う?】

【センサーでしょうか?】


キラキラ光りながら彼女の周りを飛び交う、地球にあるようなメカ(機械)のような物体、一番近い類似品は小型のドローン。


【そうすると入ったと同時にバレそうだな】


バレないです早く救助する、それはかなり難しいらしい。

だからと言ってこのまま引き返すとかはあり得ない、ならばどうするのか?


【ロボ化を推奨いたします】

【彼らにか?】

【それが一番早い解決法ではないでしょうか】

【それしか無いか…】


俺が少しためらったのは、どう考えても彼らの起源が人族では無いから。

そうなるとロボ化を行った後彼らの精神を壊したりする可能性がある。

それは何故かと言うと、例えればWINとMACの違いと言えば早いだろうか。

ロボ化した後で彼らの情報を手に入れる事、それは専用で作られたシステムを無理やりこちらの方法でこじ開けるのと同位であり。

情報を得た後で元に戻せるのかという事だ。


【眠らせるだけならば彼らの脳まで浸食しなくて済みます】

【そうなると時間差で起こすとばれてしまうかもしれないな】


何も無かったように去ることはできないと言う事、それはこの地に再度足を踏み入れる事が難しくなり。

いずれヤコブ族を無害化する時に彼ら翼人族の手を借りる事が難しくなる、宗助はそんな事を考えていた。


【今は要救助者を助ける事が先決では?】

【確かにそうだな、じゃあまずは5人の翼人族をロボ化しよう】

【かしこまりました】


透明に見える壁の向こう側、斜めになったベッドのような台座に眠り続ける女性が一人。

透明な壁の手前には3名の翼人族が不思議な形の椅子に腰かけ、残りの2名はその横にある機械のようなボックスを手で動かしている。


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