ワシントン再び
ワシントン再び
いつの間にかエアフォースワンに乗る搭乗者に変更が、それはメアリーさんが加わったから。
その代わりマリーナさんはUKにて他の任務があるとかで同行しなくなったが。
彼女もまさか俺がジャクリーン大統領と知り合いだとは思っていなかったようだ、まあ殆どRU国内に潜入していたマリーナさん、俺のことなどせいぜいジャパンのサイキッカーでメアリーさんの押しと言う事ぐらいしか聞いていない。
だがまさかこんなことになるとは思ってもみなかった、ジャクリーン大統領も今回の事件は公に公表していないらしい。
まさかRUにデータを盗まれたとは言えないし、そのせいで貴重な研究者が窮地に陥ったなどとは、今の段階では口が裂けても言えない事だ。
5日目の夜に荷物を纏めヒースロー空港からエアフォースワンに乗る、俺とアイリーンそしてエミリアとメアリーさん、さらに今回保護対象となったナターシャちゃん。
すでにモリソンさんにも話は通っていたが、一緒に帰る予定だった胡桃に話したらかなり驚いていた。
最初は怒っていた胡桃だったが、今後埋め合わせすると話した事で納得してくれた。
『どうしてそうなるのかなー』
『ゴメンゴメン』
『宗ちゃんのせいじゃないのは分かるけどさー』
『ごめんねクルミン』アイリーン
『帰ったら埋め合わせしてよね』
エアフォースワンに乗り込めば電話もSNSも出来なくなる、今回の事件自体が秘匿性の高い事柄だから。
空港での待機時間中に胡桃に電話して一緒に帰ることはできないと告げたが、ルミナスにはそのまま胡桃の警護をしてもらう事にした。
【私だけおいてきぼりですか~】
【御免ね】
【まあいいです、でも後でほめてくださいね~】
【分かったよ】
【では引き続き護衛任務頑張りまーす】
AI頭脳を持ったフィギュア、一度ロボ化してしまえばどんなに遠く離れていても自立して動くことが可能だ。
だが視覚や電波のような機械部品で行う事には限りがあり、惑星リズに置いてきたフィギュア達の様子などは俺にも分からない。
途中に中継するような電波の中継基地でも作らない限り、彼らの得た情報を俺が知る事は出来ない、もし中継基地を作ったとしてもそのデータが俺の元に届くのは100年以上かかる事になるので今の所そのような予定はない。
一番早いのは中継基地ではなく自宅と惑星リズを結ぶ相互惑星間転移装置構想だが。
(そろそろ作っておいた方がいいのかな…)
宗助ならばロボの力で作れるものならばすぐに可能になるのだが、何処に作れば一番良いのだろうか?
ちなみに惑星リズにある転移装置は容積10立方メートルぐらいの機械になり、電力供給装置はその倍以上になる。




