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閑話 UKの夜

閑話 UKの夜


既に夜は更けてエミリアちゃんもすごすごと自室へと戻ったころ、今度はアイリーンが直接俺の部屋へと訪れた。


「コンコン」

「どうぞ」

「話が有るんだけど」

「何か聞きたい事でも?」

「宗ちゃんの仕事って…」

「あ~嘘ついていて御免、今回はメアリーさんのサポートがメインだったんだけどね。もちろん仕事優先だから」

「分かってる」

「それだけ?」

「危険な任務だったのよね」

「まあ、そうかもしれない」

「どうして貴方なの?」

「それはどういう意味」

「どうしてあなたは救世主なのかって事」

「俺は自分が救世主だなんて思っていないんだけど」

「でも今回の任務ってメアリーさんのサポートって言うけど、殆ど宗ちゃんの力を利用した任務よね」

「そうなのかな…あてにされたかもしれないけど、もしメアリーさん一人だったら他の人が一緒に行ったはずだよ」

「知ってるわ、うちのパパでしょ」

「なら俺に変わってこんなに早く問題が解決したんだから、結果オーライだったんじゃないの?」

「そうだけど、そうだけどなんかしっくりこないの」

【アイリーン様は宗助様には危険な仕事をして欲しくないのでは?】

【それは分かるんだけどね】

「無事に帰って来られるならばそれで良かったんじゃないのかな?」

「うん」

「それだけ?」

「そ それだけよ」


真っ赤な顔をして質問はそれだけだと言うが、そんな事無いと判っている宗助。


「それじゃもう寝ようよ」

「分かったわ、じゃあお休みの挨拶…」


それがやりたくて俺のいる部屋へと来たのか、なるほどみんなの見ている前でミランダが俺にハグとキスをしたのが彼女のプライドに触ったのだろう。

確かに俺は一度彼女を抱き上げて保健室には連れて行った事が有る、その後の進展は殆ど無い。

最近は受験の為彼女からの誘いも遠慮している、気を利かせてくれているのも分かっているのでどうしたものか。


【宗助様おでこかほっぺにキスと言うのが有ります】

【それをやれってか!】

【お休みの挨拶には最適かと】

【マジかよ】


そう言えば百合ちゃんには一度おでこにキスをされた事が有る、その前に救出劇で唇が触れていたことは知らなかったが。


「チュ」


それを誘っておいて両手で顔を隠すとか、まあ強引にキスをしても問題は無いと思うが、それをやると又後でややこしいことになる。

多分アイリーンはキスしてくれたでしょうと、怒って来るのではないだろうか?だから後で言い訳できるようにするためにはこうするしかない。


「おやすみ」

「…お休みなさい」


その場所でよかったのかはわからない、顔を隠しているのだからキスできるところは限られている。

しかもすぐに後ろを向いてドアノブをひねると去って行くのだから。

去り際の後姿、彼女の右耳は真っ赤に色付いていた。

(キスされた、キスされた~しかもお休みって)

ドアを閉めた後のアイリーンはかなり舞い上がっていた、だがそれを押し殺し自室へと戻る。

現在の呂方家とは違い部屋数の多いモリソン邸、本日姉妹は別々な部屋で寝ていたりする。

(やった耳よ耳にチュって、なんて日なの最高だわ)

いやいや手をどけていればおでこにされていたのだが、アイリーンは真っ赤な顔を見せるのだけは恥ずかしくてできなかった。


第7章 完


まあそれほど目立った活躍はしなかったように見えましたが、宗助の仕事はどんどん増えて行くようで、まるで終わりが見えない泥沼に嵌って行くようです。

機械化スキルも進化して宗助にはさらなる問題が立ちはだかります。

USA USA 今まで黙っていたUSAが宗助に難題を吹きかけて来る、それは何台?

折角大学へと進学できるはずの宗助に立ちはだかる困難とは?第8章もこうご期待。



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