まだ三日
まだ三日
予定の一週間にはまだ四日はあるが中二日は移動で使うので、後2日間は自由に使えると言う事になる。
グジニツァからヴャウストクへと移動し、空港のあるワルシャワへと向かう。
敵の工作員は全て記憶を改竄した為、どのような拷問が有ろうとも俺達の行動もそして目的もすぐにばれる事は無いだろう。
特に俺の情報は記憶を操作して全部無かったことにしておいた、ここまでやれば心配はしなくても良いはずだ。
「あなたがそうなのね」
「どういう話?」
「若い子が好きだって聞いたけどまだ子供じゃない?」
(メアリーさんの趣味だって?)
「子供と言われても仕方ないが…」
「あなたは日本人でしょ」ナターシャ
「よくわかったね」
「だって話し方が真面目過ぎですもの」
「そ そうかな…」
「ウフフ」
「ん この日本人はこうやって虜にするの?メアリーと同業?」
「違うわ、違うでしょソウスケ」
「お 俺にもわからないよ」
「そうとしか思えないわ」
途中からはポーランド語やロシア語で話しているので、どのように伝わっているのか不安だが。
宗助はどうやら女性からすぐに好意を抱かれてしまうようなバフでもかかっているのかもしれない、それは超能力と言うよりスキルに近い様な気がするが。
いつの間にかメアリーさんの能力までコピーしてしまっている可能性が無いとは言えない。
4人は歩きながら今後の事や少し雑談を交えながら駅へと向かう。
本来ならば後数日かかると思っていた予定が、予想を大幅に短縮し帰路へ着くという形になった。
まさかこんなに早く片が付くとは思わなかった要人救護任務。
だが仕事が早い=必ずしも良い事とは限らない、それはこの後解る事だが。
どういう分けかポーランドからの移動は俺の能力を使わずに、ワルシャワから飛行機でUKへと移動することになった。
モリソンさんに今後の事を相談するため連絡すると…
『チャーター便ですか?』
『宗助君そう言う事だから頼むよ』モリソン
電話でモリソンさんに報告を入れると折り返しの電話で、ワルシャワ空港にチャーター便を用意したと言う話。
その理由はポーランド内で敵の工作員が何処に待ち構えているかわからず、一般の飛行機で帰るとなると安全を保障できないと言う事になった。
それならばUKの国賓待遇でチャーター便を用意してしまおうと言う事で、急遽ポーランドで観光をする暇もなくEUへ来て3日目にUKへとんぼ返りすると言う話に。
小型のジェット機に同乗するのはメアリーさんマリーナさんナターシャちゃん。
雪のためによく見えなかった2人のお顔、マリーナさんもナターシャちゃんもフードを取ったらかなりの美女でした、マリーナさんは30歳でナターシャちゃんはまだ15歳だと言う。
「へ~そりゃメアリーが好きになるわけだね」マリーナ
機内では世間話の花が咲きます、俺は黙って聞いているだけ。
マリーナさんはいわゆるイケイケお姉さまタイプだ、身長は180センチもあり肩幅も結構広い。
確かにこの人なら一人で潜入捜査も任せられそうだ、それに彼女は仕事に対してのモチベーションもかなり高く。
与えられた仕事は完全完璧にこなさないと納得しないと言うタイプらしい、だからと言ってそれが堅いと言う感じではなく、こちらの国では軍部の人間に多く見られるタイプだと言う。
「本当はフィアンセではないんですよ」
「そうなの?」
「そういう事にしてペアを組んだのです」
「ジー」
「だってそうしないと変に思われるでしょ~」
「ふ~ん」
「私も日本にいけたりしない?」ナターシャ
「は?」
もしかしてナターシャは天然?なんで日本に?もしかして日本に憧れている。
最初はそう思っていたが後でリリーさんからの情報で分かった事は。
【ナターシャイワンコフ、15歳、フィギュアスケート国際大会の金メダリストです】
【ワールドカップの?】
【そのようです、先月の大会は出場しておりませんがEUの大会は金メダルを取得しています】
【そうなんだ】
彼女のバックグラウンドを聞いて驚いたのは言うまでもない、RUの美少女フィギュアスケーター、それならば日本大会にも出場する可能性がある。




