雪の中で戦闘
雪の中で戦闘
マリーナの能力は軽い危険予知、そしてもう一つは念動力。
雪に囲まれた戦場でも彼女一人で今までやって来れたのは2つの能力があったからだ。
だが敵の工作員が10人近く、それも前後から挟撃されたなら逃げられる可能性も無くなってくる。
それに先ほどの攻撃はバズーカ砲もしくはロケット砲か、車を一瞬で破壊する武器を敵が所持している可能性がある。
まさか後少しで仲間と合流できると言う所で詰んでしまうとは思わなかった。
「パン パン」
「前からも…」
「絶対顔を出してはダメよ」
「…」
ナターシャはコクリとうなずくが、どう考えてもこれは詰みだ、投降するしかないのだろうか。
そう思った時竜巻のような風が吹き荒れ、辺りが白く霞んで行く。
「ブファ!」
「グフ」
「ナンダ」
「ガン」
「バサッ」
「トサッ」
メアリーさんのスマホから聞こえた音声は当然のことながら宗助も聞いていた、ヘルプと言われて助けないヒーローなどはいない。
まずは上空から彼女らに近寄る敵を割り出しマーカー指定すると、リリーさんと共に彼女らに近寄って来る人物を一人また一人と無力化して行く。
敵は追いつめているつもりなのだろうが、ターゲットに近寄ると一人また一人と雪の中に体を横たえて行く。
ロボ化は敵を一瞬で行動不能へと追いやることができる、後で見えない敵に殴られたと言い訳する工作員の姿が目に浮かぶが。
この人数全員が記憶障害を起こすのだから報告を受けた敵の司令官は苦慮する事だろう。
11人いたはずの敵はわずか数分でその行動を停止した、いつの間にか雪が止むとそこには見慣れない東洋人と今回の任務を任されたUKの美人スパイ、アルファナインが立っていた。
「君がイプシロンサーティスリー?」
「あなたは だれ?」
「えーと」
「彼は私のフィアンセでジャパンのソルジャーよ」
(いつフィアンセに?)
いやいや俺は戦闘員では無いのだが、と言った所で分かるはずがない、とりあえず彼女らと共に徒歩でグジニツァの駅へと戻ることにした、当然だが今は光学迷彩を解いている。
「大丈夫なの?」
「このあたりで武器を持つ工作員は全員眠ってもらったけど」
「本当なの?信用できないわ」
「それじゃ確かめてみる?」
歩いて行く途中には一人また一人と、息は有るがまるで眠っているような男達が雪に埋もれていた。
「どうやったの?」
「それは秘密かな…」
「もしかして彼がJP007(ジェイダブルオーセブン)?」
どうやらUK諜報部では俺の噂が変な風に伝わっているらしい、JP007と…




