女子4人に囲まれて
女子4人に囲まれて
森山胡桃18歳、宗助や百合奈と同じ今年大学受験で受かれば東教大学へと進学することになる。
どうしてこうなるのかはやはり類は友を呼ぶと言うことわざでしか言い表すことはできない。
そして百合奈の残念な顔を最後に空港のロビーを後にした。
「宗助、モテモテですねー」メアリー
「端から見ればね」
「それより席順は?」エミリア
「私とあなたはこっちよ」
うまい具合に横一列の席が取れた、時期的には確かにUK行きは空いている。
好き好んで東京より寒いUKへ行く日本人などビジネスでもなければ行くわけがない。
座席はそこそこ空いており、乗者率73%と言った所か、俺は念のため機体にロボ化を施しておく。
「まさかアイリーンと一緒にUKに行けるとは思わなかったよ」胡桃
「胡桃は何処まで行くの?」
「えっと、確かブリストルとか言ってた」
「そっか~じゃあロンドンからは別々だね」
「うん、それは仕方ないよ、でもどうしてうちのパパ一緒に来なさいって言ったんだろう」
「もしかしてシステム関係?」アイリーン
「そうそう、なんでも新しい輸送経路の話があって今忙しくて」
「そういえばうちの父も輸送関係で忙しいって言ってた」
(おいおいマジか、全部俺のせいじゃん)
「もしかして森山さんのお父さんってIT関係?」
「IT部門もあるけど、アムテルって言う会社の日本支社長なんだよね」
(おいおいどこが金持ちじゃないって?)
どうやら森山さんの父上は惑星間転送装置の関係で忙しく、もしかしたら近いうちにUKのメーカー主導でこちらに惑星間転移装置のUKベースを作ると言う話だろう。
そしてその情報を守るためにモリソンさん達UKサバイバーが東側との情報戦で忙しいと言った所か。
多分森山さんのお父上は予知能力か、それとも近くにそう言った能力者がいて、メアリーさんやアイリーン達と同行すれば危険が少ないとでも教えてもらったのだろうか。
「そうなると向こうでは皆、別々だね」
「そうなの?お兄ちゃんはあたし達と一緒だと思った」
「それは言ったでしょ、宗ちゃんはアプリの関係でUKに行くって」
ロンドンのヒースロー空港からは2方向に分かれる、森山さんは電車でブリストルへ。
俺達4人はまずはモリソンさんのいる政府の施設へ、そこからは仕事の内容を聞き俺とメアリーさんは一路ドイツへと渡る予定だ。
そこからはポーランドかもしくはエストニアか、まだメアリーさんからは何処へ行くとは聞いていない。
現在UKからロシアへの直行便は無く、近隣の周辺国まで行ってそこからRUへと入るしか方法が無い。
聞きかじった話ではすでにターゲットはロシアにはいないと言われているが、ではどこに逃げ込んだのかは定かではない。
まずは東側に潜入している誰かとの連絡待ちと言った所か。




