USSJの超能力者
USSJの超能力者
USSJは芸能関係の事務所、それは誰でも知っている。
但しその中に超能力者が沢山登録していると言う事までは知らない人が多い。
確かに全員が超能力者か?と言うとそれは違う、マネージャーや事務員には普通の人が多い。
では何故そう言う情報が洩れないのかと言うと、うまい具合にその情報を隠しているのと。
上手くカモフラージュできる能力持ちの人物がいたりする、USSJの重鎮である北山洋子御年68歳のベテラン女優でありUSSJの看板女優だったこともある。
勿論彼女はSVRの5世で3か国のクウォーター、自らの結婚や出産というスクープをどこの週刊誌にも知られずに今に至る。
今まで彼女が受けたアクシデントや離婚などと言うスクープもいつの間にか過去の事になっており。
本人が暴露しなければ知られることのない話など、いつもかなり後になってからマスコミが知る事になるのだ。
情報封鎖能力を持つ女優と言った方がいいのかもしれない、そして彼女が週に1度事務所に顔を出すたびアクシデントを抱えたタレントは無事に報道スクープを回避すると言う。
「宗ちゃんって金持ちなんじゃないの?」
「それを言うならお互い様なのでは?」
「あたしはそんなことないわ!」
(目が泳いでる、バレバレだよ)
いつの間にか話が有ると言われて訪れたのは吉祥寺の駅ビルの中にある喫茶店。
「それで、話って?」
「そちらの方がいると話せないんだけど」
「超能力者の話なら大丈夫だよ」
「え?普通の人なんでしょ?」
「え~と、今は超能力がある人族かな…」百合奈
「そうなの?」
「類は友を呼ぶって本当なんだ…」
(呼ぶじゃなく作ったが正しいんだけどね)
「ならいいや」
「それで?話って?」
「宗ちゃんUK行くんでしょ何時から?」
「明日からだ」
「明日!」
「何かあるのか?」
「実は」
驚いたのは彼女の親の話、実は彼女現在一人暮らしをしており共通一次が済み次第親が暮らすUKへと行く予定だと言う。
実は正月に親元へ行くはずだったのだがあちらは今忙しいらしく、向こうから胡桃の元へは来れないと言われたらしい。
勿論彼女の親もSVRであり、日本の商社で働くビジネスマンと言う所までは聞いている。
母親は過去にタレントをしていたが現在は父と共にUKで暮らしている。
芸能界に入ったのは母の勧めだが、最初父は反対していたと言う。
「それでなんで俺達と?」
「父に言われたの、どうせ来るなら誰かと一緒に来ればいいって」
「それで、なんで俺なんだ?」
「UKに行く友達ってアイリーンと宗ちゃんしかいないでしょ」
【この子もSVRなんだ】
【ああUSSJのタレントで】
【知ってる今売れっ子の子役俳優でしょ】
【そうなんだ】
【なんだ知らなかったの?】
【ドラマに出てることぐらいかな】
【結構有名よ】
「売れっ子の女優が男性と一緒にUK旅行はまずいのでは?」
「アイリーンも一緒なら言い訳はなんとでも付くわよ」
(俺をボディガードとして雇うとでも言うのか…)
「俺は仕事がらみで行くんだけどな」
「何よ、仕事って?」
「アプリだよ」
「なんの?」
「スパイに尾行されても構わないなら言うけど」
「?」
「宗ちゃんが開発したアプリがUKでも正式に採用されるから、向こうのエージェントと会う予定なんですって」
【言っても平気でしょ?】
【まあそのぐらいは…】
「そうなの?てっきりUKデートだと思った」
「あのね~メアリーさんも一緒なんだけど」
「メアリーってあのメアリーちゃん?」
「UKモデル、実は元大臣秘書官」
「うそ~」
何処から話を聞いているのか少し捻じ曲げられた内容で伝わっているらしい。
だが前回、森山胡桃に会った時はもう少し頭の良い子だと感じていたのだが、話してみると少し残念な才女と言うレッテルを張ってしまいそうだ。




