2052年正月
2052年正月
時間は待ってはくれない、1月の15日(月)から一週間の予定。
全く容赦のない、人使の荒い人達だと言っておこう、何故なら1月13日(土)と1月14日(日)が2052年度共通一次の筆記試験の日だからだ。
その日を逃せば二次試験は27日(土)28日(日)になる、まあ落ちる事は無いと思うがそれまでに何も事件が無いとは限らない。
それと2月の初めにはいよいよ惑星間転送装置の人体実験が承認されると言う。
そう、惑星間転送装置を使用して人及び生命の移動が可能なのかの実験が行われる。
リリーさんの話では転送装置の作りや接続および電圧の不具合などは、今の所無いと言う話で、順当に進めば実験は成功するはずだと言う。
但し、それは地震や突然の雷及び時期的にあり得る大雪などと言う天候の変化、アクシデントにより装置に何らかの支障が起きなければと言う事になる。
「今日はどうするの」アイリーン
「正月はいつも初詣かな」
ようやく宇宙戦艦襲来と言う事件から1年半が過ぎた、その間には様々な事が有ったが、概俺達の家族は無事で新年を迎える事ができた。
だがメアリーさんの同伴の件が家族会議の議題に上りその結果、今度はアイリーン姉妹が一緒に同行することになった。
同行と言っても要人保護ではなくモリソン家に帰省で同じ日に帰ると言う事。
それはモリソンさんとも話し合った結果だ、当初アイリーンはこの正月にUKへ行くことになっていた。
12月の10日(日)の転送実験の後、家に帰った俺は今後の事も含めて事のいきさつを家族に話すことになった。
まさか共通一次の翌日旅行に行くとは、何処をどう考えても理由を説明しなければ納得しないだろう。
場合によっては全員で旅行?という可能性も考えられる、一応それは勘弁してほしい。
だから母と百合ちゃんには正直にメアリーさんの危機だと言う事を話すことになった。
すると、その話はアイリーンにも伝わり、モリソンファミリーの帰国が2週間ずれる事になり。
いつの間にかアイリーンとエミリアも同じ日程でUKの両親と会う計画へと変更、俺は美女3名を引き連れてUKの空へと旅立つ。
ちなみにまだアイリーン姉妹のロボ化はしていない、UKに着いたらモリソンさんに丸投げするつもりだからだ。
そうすれば俺の責任からアイリーン達は外されることになる。
「いつもここにきているの?」エミリア
「ああ」
元旦は近所の神社へ家族みんなで初詣出に行き今後の事を祈る。
2日はネットに出ていたフィギュアに入札を掛け、3日は二手に分かれ呂方家と百合ちゃんはじいちゃんとばあちゃんが住む家へ。
アイリーンとエミリアは母方の親戚がいる横浜へと新春のあいさつに。
呂方家の先祖は多摩地区の農家、じいちゃんとばあちゃんは現在多摩市に住んでおり、車で30分もかからない場所。
じいちゃんとばあちゃんに挨拶するとすぐにその足で、今度は百合ちゃんのお父さんとお母さんが眠る墓地へと行って来た。
近くを高速道路が走る場所だが電車を降りるとそこからはタクシーに乗り共同墓地へ。
すでに昨年入骨は済ませており、この日は花を手向けて線香をあげて来た。
目まぐるしく変化していく毎日、高校生もあと数か月で終わりを迎える事になるが、今年も無事でいられるのだろうか。




