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蓮華邸再び

蓮華邸再び


ここに来るのは2度目、フィギュアのリリーズを蓮華さんとメアリーさんに付けている為、映像では何度となく見ているが。

それにしてもデカい、一度見れば忘れるわけがない巨大な門。

世田谷の一等地にこれほど大きな家があるとは、表札にはよく見ると葵の紋が有ったりする。


「メアリーでーす、ただいま戻りました」

《どうぞ》


3重になっている門を入ると今日は最初から車いすを使用していないようだ。

だが、その姿は先日ともその前に会った時とも違う姿だった。


「その姿は?」

「今日は徳川梓バージョンよ」


要するに蓮華の孫と言う設定らしい、彼女はそうやって生きて来たのだから、このぐらいの変身は当たり前とでも言いたげだ。

という事はこれからも会うたびに違う姿で登場するのだろうか、宗助から見ると面倒くさい人だとしか思えない。


「いきなりだけど宗助君メアリーと一緒にUKに行ってもらえないかな?」

「は?え?何か理由でも?」

「この子UKの特殊任務で戻るんだけど、その任務RUへの潜入なんだよね」


変身した蓮華さんの姿はどう見ても20歳前後、いつもより若く見える姿で、ファッションも若者風だ。

変化が無いのは髪型ぐらい、ロングのストレート前髪バッさり、皮のタイトスカートにニーソを履き上着は黒のジャケット、太ももが少し見えるがそこには蝶のタトゥーが。

どこかのビジュアルバンドのボーカル風なのか、一見するとそんなルックスをした女子から全く予期しない事を言われた時の違和感が半端ない。


「心配って事?」

「どうせ尾行を付けるんでしょ」

「え?」

【どうしてバレた】

【松田久遠と言う方の情報では?】

【いやもしかしたら他の能力者かもしれない】

「この情報は私の配下からよ」

(見透かされている)


先日通されたのと同じ部屋、着席するとすぐに本題を切り出した。

しかも尾行を命令しておいたフィギュアの事もばれている、正確には尾行ではなく監視の事だが。


「どうするの?」蓮華


メアリーさんは申し訳なさそうに俯いている。

万事休すと言うかこれぐらいは許容範囲、NADLと言う組織がありそこの理事でもある人間、蓮華さんが俺の情報を手に入れるぐらいの事はさほど難しくはない。

それにNADLとは別に専属の部隊(組織)を持っていることもなんとなく気付いてはいたし。

光学迷彩で姿を隠し蓮華さんを常に尾行していたのだから、行く先々で変身することも俺にはばれている。

それでもこの数日で少なくとも10人以上の人物と連絡を取り、その相手は実にバラエティに富んでいた政財界の人物だけではない。

中には怪しい雰囲気を醸し出す超能力者らしき人物も数人、姿を消して尾行するフィギュアにも薄々感付いていたのだろう。


「それは強制?」

「一応半強制だと思って良いわよ」

【面倒だが行くしかないか…】

【その場合受験はどうなさいますか?】

「日程は?」

「1月15日から2か月よ」

「僕の将来は無視ですか?」

「替え玉を出せば大丈夫よ」

「替え玉?」

「私が出るわ」


いやいやそれは辞めて欲しい、確かに外見さえクリソツにできればそれほどむずかしくはないと思うが。


「私も一応東教大学卒だから安心して」


いやいやそれが本当だとして、何処が安心なのか。


「今でも替え玉受験はあるのよ、知らないの?」

「有ったとしても僕はやりませんよ」

「じゃあどうするの、メアリーを見捨てるの?」


RUへの潜入、それは命を懸けた情報操作か、もしくは要人救出か、それとも暗殺計画か?

メアリーさんが必要な案件、基本的には彼女のスパイとしての能力を買っての依頼だろう。


「メアリーさん、さっきから黙っているけど、どういう事?」

「だから嫌なのに…」

「また蓮華さん、先走った?」

「なんでよ、一緒じゃないと行きたく無いって…」


どうやらそう言う事らしい、だが仕事の内容を聞いておかないと行くとも行かないとも言い難い。


「行くとして、仕事の内容が分からないとどうしようもないんじゃないの?」

「RUに潜入している仲間を保護してほしい連絡きました、保護対象は女の子でーす」


どうやらRUに潜入していたUKのサイキックスパイは家族で潜入していたらしい。

だが、その家族は事故によりばらばらになってしまったと言う。

最後の連絡は先月の末であり、どうやら怪我などはしていないと言う事なのだが。


「その仕事に駆り出されたのはメアリーさんだけなの?」

「いいえ、現地に一人仲間がいまーす」


だとしたら東洋人の俺が参加しても良い物なのだろうか?3人でどうやって行動するのか。

そのあたりの事も詳しく聞いておかないと、いくら何でも今の段階では敵国へと潜入した人物の救出作戦がうまく行くとは考えられない。


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