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プレゼン会場は高級ホテル

プレゼン会場は高級ホテル


実験が終了するとその後は各国の大使や運輸関係の事務次官クラスへの契約に関する説明があるらしい。

こちらには事務次官級の役人が数人、そして研究所の職員や通訳など。


「宗助も行くでしょう?」

「俺も?」


何処に行くと言うのか、実験後はなるべく早く帰りたい宗助、本日は日曜日ではあるが周りの人間は各国の要人ばかり。

実験が終わればすぐにでも帰る予定でいた、特に日本の大臣クラスとはできるだけ顔を合わせたくない。

その理由は彼らの目線と俺に対する懐疑的な目だ、政治に興味はないけど様々なデータの中から色々と情報を得ている宗助、中には今回の装置開発に反対している大臣もいたりする。

今回、国交省の大臣や運輸省の大臣は名古屋と福岡で見学したようだ、東京実験場には各国の要人と研究者が多かった。

これから赤坂に場所を移し、何時からこの装置の開発に参加するのか、どのくらい予算を出せるのかなど、各国に導入する為の交渉が始まる。

経産省の大臣、高橋卓は先に赤坂の会場で待っているらしい、そう言えば実験場には姿を見せていなかった。


「もう帰るのか?」麻生

「ええ、一応学生ですから」

「残念だな、まあ内の大学へ来ればいつでも会えるか、待っているからね」

「はい」


教授たちはこの場でさらに研究員となにやら話している様子、父は実験が終了しても忙しく蓄電池の様子を見ていたりする。

(父さんがんばってね)

招待された各国のエージェントと大使達はメアリーさんと共に移動するようだ、いつの間にか俺もその中に含まれてしまった。


「こちらの車にお乗りください」


駐車場には10台近い黒塗りの車が5台ワゴン車も5台、そして各ワゴン車の助手席には久しぶりに見た自衛官が乗っていた。


「久しぶりですね」

「どうぞ後ろに」


春以来、俺達呂方家の護衛から外された自衛官の一人。

相変わらずクールな高月准尉、他の車にも自衛官が乗っている、そう言えば福岡実験場には海自の宮城幕僚長の姿があった。

ワゴン車に4人ずつ、セダンに2人ずつ各国の要人が乗り込むと甲州街道を一路東へと走り出す。

途中高速道路へ入り首都高の赤坂インターで降りると高級ホテルの前で次々と黒塗りの車は止まり、本日行われた実験の説明およびプレゼンが行われる会場へと向かう。


「皆様こちらです」


50人近くが入ることのできる会場、本日のプレゼンはなんと陸自の岩田さんがやるらしい。


【大丈夫なのかな~】

【本日は転移装置の研究に対する投資が、有意義かどうかを説明されるようです】

【そうか、国によっては予算が出せないかもしれない、研究に参加して予算を出してもあの電圧を得るためのインフラも必要となるからな】

【専用の発電所が作れることが大前提となるのでしょう】

「宗助、後で話があります」

「いいけど、どうしたの?」

「1月15日からUK帰りまーす、とても残念」

「そうなんだ」

「かえりたくないでーす」

「何か問題でも?」

「あとで話しまーす」


スキル(LUCK)持ちのメアリーさん、UKに戻ってもさほど問題は無いと思われるが。

裏情報ではEU各国の動きが活発化していると言う話を聞いている、特にRUの動きは時折モリソンさんからも連絡がはいる。

出来れば娘2人を連れて行きたいモリソンさん、毎日のように娘には連絡を入れているようだ。

先日参加したパーティでの話を聞いてすぐにクレームを入れて来た、確かに俺の考えも甘かったと言われれば返す言葉もない。

会場が有名なホテルだったこともあり危機感が無かったのは、確かに宗助の落ち度と言えなくもないだろう。


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