カラフル戦隊
カラフル戦隊
組織のパーティに参加してから変なきっかけで暫定友人になった関谷ヒカル、まさかこんなに直ぐ情報を得られるとは思わなかった。
リハビリ中の彼女からテレパシー連絡で惑星リズにおいて、事件が勃発したと言う連絡が入った。
俺は松田伊里愛とメアリーさんとの3者面談を終わらせると慌てず騒がず自宅への道を急ぐふりをした。
惑星間移動をするためにはいくつか必要なものがある、二人をタクシーに乗せ見送ると自宅へと向かう。
だが家の手前から別な方向へ歩き出す、コンビニへ寄って必要な物資を手に入れるためだ。
【母さんまずいことが起こったようだ】
【何?どうしたの?】
【惑星リズで事件が起きた】
【そうなの?】
【今日仲間になった関谷さんからの話だけど、確かめに行かない訳にはいかない】
【それでどうするの?】百合奈
【俺はこのまま惑星リズに転移しようと思う】
【食べ物は?】
【近くのコンビニで買うつもり】
【分かったわ、じゃあ…】
【俺は用事が出来て今日は帰れそうもないって言っておいて】
【気を付けてね】百合奈
【ああ】
コンビニで買い物をした後いつかの公園へ向かう、俺がこの能力を身に着けた後、ロボスキルの訓練に使った公園だ。
夜8時を過ぎ辺りは既に暗く通勤帰りのおじさん達がネオンの灯りに誘われて飲み歩く時間帯。
俺はとりあえず公園のトイレへと入って行く、まだこの公園にはそこここにカップルや若者がちらほら散歩していたりするからだ。
【リリーさん】
【カラフル戦隊をお供に連れて行きますか?】
【何体外にいる?】
【2体がスタンバイしています】
【クリスタルとアーバンか】
【すぐに参ります】アーバン
【私も】クリスタル
現在父の護衛には30センチバージョンのクロームとコバルトが護衛についており。
キャンディ、ルミナス、ボルドーは自宅待機してもらっている。
ちょうど交代の時期が来ておりアーバンとクリスタルが屋上で待機していた所だ。
現在の要注意人物は2名、メアリーさんとその叔母に当る蓮華さん。
この2名には交代要員としてボルドーとルミナスを当てる事になるが、メアリーさんと蓮華さんの尾行は警護と言うよりどんな人脈があるのかを探るスパイ行為に近い。
その理由は2名にはラック(幸運)と言うスキル(能力)がある事が判明しているから。
【それじゃあローテーションを少し変更しておかないといけないな】
【かしこまりました】
いつの間にかフィギュアは16体に増え交代で各種任務にあたるように命令してある、もちろん司令塔はリリーさんに任せてある。
そして美少女戦隊と言う事と色を掛け合わせカラフル戦隊リリーズと名前を付けた、どこかの戦隊ものと同じだが中身は全員女性フィギュアだと言う所がミソ。
別に著作権には抵触していないと思う、なにせエア(架空)戦隊なのだから。
【到着しました】
【同じく】
【それじゃ行くよ】
【はい】×2
公園にあるトイレの個室座標を入力し仮想転移装置を作動させる、俺のポケットには携帯栄養食が左右に5個ずつ入っている。
レストランで食べたチーズケーキの分で月までの移動を完了すると、すぐにポケットからカモミーメイトを取り出し急いで咀嚼する。
既に各種のエア装置を展開しており、仮想機械で息をすることも無重力で動くのも1年前よりずいぶん慣れてきた。
【惑星リズの大気圏外へ】
【かしこまりました】リリー
【久しぶりです】クリスタル
【私も】アーバン
本来ならば1年と言う移動時間がかかる所を俺の能力を使えば1秒もかからずに1万光年という距離を移動できる。
間宮ヒカルから得られた情報、それは彼女が惑星RIZのライズ族の一人である食糧管理部の誰かに憑依したらしい、そこに大型の生体兵器が2体突然現れたと言う情報だった。
そこには現在、都市区間転移装置を使用して30名の防衛部隊が応戦に参加していると言う。
その映像は俺と関谷さんに付与されたテレパシー能力で見る事が出来た。




