時刻は午後6時
時刻は午後6時
パーティに行った、だがそこにいたのは1時間と少し。
本来ならば3時間はあそこにいるはずだったのだが、彼らの能力調査方法ははっきり言って乱暴すぎた。
本来ならばもっと安全を考えたうえでなされるはずのテストでなければならない。
幾人かの能力は判明した松田晃理事は隠蔽能力もしくは遮蔽能力。
史倶間悠は物理攻撃サイキック、もしくは情報かく乱能力。
志賀阿楽士は行動阻害能力又は空間固定能力。
初根久実は能力拡張=調査能力のサポート及び精神操作能力
乙梅梓は外部音声遮断能力もしくは指定範囲無音能力。
その他の人物はそれらの能力を持っていないのか、又は別な能力の持ち主なのだろう。
あの場にいた新人が俺達だけなのかそれとも他にもいたのかは定かではないが、彼らの目的の大半が俺達の調査及び勧誘であった事に間違いは無いと思う。
「大丈夫?」
「うんなんとか」
家に帰ってすぐに氷嚢を作りアイリーンとエミリアちゃんは頭を冷やしている。
「まさか日本のSVRに攻撃を受けるとは思わなかったわ」
「それよりママさんも百合ちゃんも能力者だったって初めて知ったんだけど」エミリア
「まあまあ、まだ妹には内緒なんだから」
「愛菜ちゃん知らないの?」
「あいつに知られたらどうなるか…」
「そうなんだ…」アイリーン
「それよりなんであなたが一緒なの?」
「それは先ほどの話の続きをするためです」
イリアさんはバックから名刺を差し出す。
「プラルチナ化粧品株式会社販売部宣伝部長、松田伊里愛」
「化粧品会社の部長さんなんだ」母
「えーと、私達は学生でありUSSJに所属しているモデルだって言う事は先ほども言いましたよね」
「知っているわ、先ほども話したでしょ、私もNMCのモデルを兼任しているわ」
「でも…」
「アイリーンは今一番旬なタレントだって事も知っているし、わが社の宣伝には一番必要だってこともね」
「仕事の話はマネージャーを通さないと…」
「もちろん後日そちらのマネージャーにも事務所にも話はさせてもらうわ、でもね 私は今回2人共起用したいの」
「そういうことなのね、なるほど」
「どういう?」
「私はもうすでに売れているけど妹は今年の夏にようやく父の許しが出たばかり」
「あーまだ仕事が少ないのか」
「そういうわけじゃないけど…」アイリーン
「だって来る仕事全部水着なんだよ!季節柄仕方がないってわかるけど、しかもこ~んなに小さいサイズなんて信じられないんだから!」エミリア
確かにすいカップの水着姿は何処の雑誌でも売れる事は間違いないが、それは父であるモリソン氏が許すわけない。
多分仕事の話には全部アイリーンも間に入って拒否しているのだろう、一応USSJのカタログにもその容姿が乗っていて、仕事のオファーもかなり来ていたはず。
まあ高校生になったばかりの15歳を肌の露出が高い仕事へ出すのは事務所としても避けたいところだが、そんなオファーばかりが来てしまうと考えてしまう。
そんな話をしているとイリアさん、今度は百合ちゃんを見て何かひらめいたようだ。
「貴方眼鏡は伊達?」
「そうですが何か?」
少し憤慨気味で話を聞いていた百合ちゃん、母の手伝いで台所に立っていたりする。
メアリーさんは黙ってみんなの話を聞いており終始ニコニコしていたりする。
「あなたもやらない?」
「私が?」
「スタイルもよさそうだし、化粧すればかなり良くなるわ」
ちなみに百合ちゃんの身長は168センチ、アイリーンは173センチ、エミリアちゃんは171センチ。
3人共に外見はかなり良い方であると書いておこう。
「ユリナもモデルになりましょ―」
「メアリーちゃんもそんなこと言う~」
「あなたは自分の美しさを分かっていないのでしょう」
メアリーさんその辺で辞めておいてほしいのだが、百合ちゃんを有名にしてしまうと色々と面倒なことが頭をよぎってしまう。
過去に有った事件に出て来る金融屋達だが、それは置いておいても俺の心配事が増えてしまう。
「まあ今回はアイリーン姉妹へのオファーだけにしておくわ、後でそちらの事務所にも連絡しておくからいい返事を待っているわね」
「はい…」
「あーそれと少し宗助君借りるわね」
「なんで!」3人(百合ちゃんアイリーン・エミリア)
「話が有るのよ、ちなみに今回の話 彼にも通してあるから」
「宗助君!」
「あ~いやなら断っても大丈夫だから」
「え?」イリア
(まだOKはしていないでしょう)
(それはずるいわよ)イリア
確かに交換条件の話は聞いたのだが、それをOKするとは言っていない。
高校生だからと言って、舐められるのも癪だ、彼女は自分が主導権を持ってこちらの先へ先へと話を持っていく。
しかも断ろうとすればマイナス面の話をしてくるに違いない、その話は祖母であり詩音の話も交えて来ることは確かだ。
何かあった時俺達の味方になると言ってくるのが目に見えている。
彼女が詩音に縛られず自由でいられるのは何故か、俺にはそこにも興味がある。
ただのワーカーホリックだと言うだけではない、もしかしたらそれが彼女の能力と関係があるのかもしれない。
「私もついて行く、それでOK」メアリー
「…いいわ」
【そうちゃん!】
【大丈夫そういう話ではないから、もしかしたら何か重要な話を聞けるかもしれない】
【もちろん後で説明してくれるのよね】母
【当然でしょ】ゆりな
【ああ約束する】
「メアリーちゃんが一緒なら許す」エミリア
いつの間にか友達になっているメアリーとエミリア、別に許すも許さないも無いのだが。
大人な二人に高校生の俺が何かされるわけがないしされるつもりもない。




