大爆発
大爆発
それは突然だった、地震のような揺れ。
この星の核は地球より冷えている為地殻の揺れはかなり少ない、だからこの揺れは地震と言うより恒星の爆発かもしくはどこかの都市で事故でも起きたのかもしれないと最初は思われたのだが。
《なんだ、この揺れは?》
《すぐに調べさせます》
RIZ175(惑星リズ)から約10万k離れた宇宙空間、そこに停船していた宇宙戦艦698隻は調査後に帰還する予定だったのだ。
だが惑星YAKから帰還するはずだった攻撃宇宙戦艦はヤコブ族の行ったコンピューターの指令改竄によりその姿をチリへと変えた。
「ゴゴゴゴ」
爆発を起こした698隻の宇宙戦艦は惑星リズの上空から次々とその残骸を降らしていた、それはまるで流れ星の大群のようだ。
《本日帰還予定の開拓宇宙戦艦698隻全て自爆しました》
《なんだって!》
《どういうことだ?》
《転移指定場所において一度停留、その後指令の書き換えを行う予定でしたが…》
《敵が行ったハッキング後の書き換えにより自爆したと言う事か?》
《はい、指令の修正が間に合いませんでした》
《敵はそのぐらいの科学力を持っていると言う事になるな》
《異星人らしき生物がいる星の座標は?》
《記録は無事に回収しています》
《分かった俺が行って一度偵察してみよう》
《宗ちゃん!》
《見て来るだけだよ、すぐに帰って来るから》
《宜しいのですか?》
《すでに2隻宇宙戦艦を再調査の為に送り込んでいるんだろう?》
《はい星の大気圏ではなく、YAK181の衛星に着陸後、情報収集作戦を行うようプログラムしておきました》
《ではその衛星の座標をだしてくれ》
《かしこまりました》
【リリーさん、どう思う?】
【科学力はこの惑星と同じ様ですね、問題は特殊能力を同じように所持しているのかでしょうか?】
【宗ちゃん、一度私たちは帰った方が良いかな…】
【いや、ここで待機していて、そんなに時間はかからないから】
【分かったわ】母
急遽惑星YAK181の調査をすることになった、俺と同じように宇宙戦艦のコンピューターをハッキングして帰還命令と自爆命令を出せるぐらいの科学力を持っている人類。
しかも地球のように襲われてからではなく、事前に察知して送り返すことができたのなら、惑星RIZよりも各種の能力はあちらの方が優っているかもしれない。
惑星リズと言う人類が生存する星が一つ見つかったと言う事で、他にも同様の星が存在する可能性についてはある程度予想はしていたのだが。
まさかこんなに早く他の星に住む異星人が見つかるとは思わなかった、地球からの使者がこの星に来る前にそっちの方を何とかしなければならなくなった。
【それじゃ行ってくる】
【リリーさんお願いね】
【お任せください】
母と百合ちゃんを惑星リズに残し、転移ルームから一度大気圏外へと瞬間移動する。
もしもの事を考えて今回カモミーメイトとサイジョイは多目に持ってきている。
【行くよ】
【はい宗助様】
非常食を一つ食べ咀嚼すると、俺は教えてもらったYAK181の座標目指し数回の瞬間移動を行う。
到着したのはYAK181の衛星の一つ、大きさは地球の半分ぐらいだが、この星には氷が有り大気が存在する。




